関ジャムを見ました!
エレカシからは宮本浩次一人登場。番組としては
「一体なぜ宮本浩次はアーティストたちに支持されるのか?」
「宮本浩次の名曲たちと共に音楽の事をじっくり聞いてみよう。」
というテーマで
エレファントカシマシ曲、宮本コラボ曲、宮本ソロ曲が
音楽的に大々的に掘り下げられるという
かつてないエレカシ&宮本大特集の番組でした。
関ジャニ 宮本浩次
谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ) TAKUMA(10-FEET) 家入レオ
古田新太 山崎弘也 宮澤エマ
紹介された曲
取り上げられた曲を選者ごとに表にしてみました。
リンク先は公式YouTube動画になっています。
選者 | エレファントカシマシ | 宮本コラボ曲 | 宮本ソロ |
TAKUMA | 今宵の月のように(’97) | 明日以外すべて燃やせ feat.宮本浩次(’18) | |
家入レオ | 悲しみの果て(’96) ※2014年ライブダイジェストより | Do you remember? (’19) | |
あいみょん | 笑顔の未来へ(’08) | Going my way(’19) | |
Manaka(Little Glee Monster) | 「序曲」夢のちまた(’89) | 夜明けの歌(’20) 「ガイアの夜明け」ED曲 | |
横山健 | 珍奇男(’89) | 冬の花 (’19) | |
谷中敦 | 俺たちの明日(’07) | 獣ゆく細道(‘18) from(生)林檎博’18 | 赤いスイートピー(’82) ※松田聖子カバー はじめての僕デス(’76) ※「みんなのうた」 |
ミュージシャンの方々からコメント付きで
なんと14曲も紹介されました。
もっとエレカシ曲の割合が多くてもよかったのにとちょっと思いましたけど、でもソロとしての出演だから、こんな配分になるのかな。
てんこもりすぎて、どこから感想言ったらいいのか・・・
選曲が、「今宵の月のように」とか「悲しみの果て」とか王道の曲が多い中、Little Glee Monsterのmanakaがいきなり”「序曲」夢のちまた”を!
彼女はこの間の「うたコン」でもエレカシについて熱く語っていたけれど、この曲を選ぶとは・・・かなり深いエレカシ愛とお見受けしました。
びっくりするとともに、ほほえましい気持ちになりました…
若い十代の子が”夢のちまた”を選ぶなんてぐっとくるじゃないですか。
そして横山健氏は”珍奇男”と”冬の花”を選曲。
”珍奇男”については「怪作」と例え、楽曲については斬新さがあるとも表現され。
”「序曲」夢のちまた”と”珍奇男”が選ばれて、なんとなくホッとした自分がいました。なんでかな?(笑)
それも「浮世の夢」から2曲も。よかったよかった。
”珍奇男”は当時見向きもされなかった曲なのに、注目されてよかったと、宮本さんもほんとにうれしそうでした。
宮本浩次への質問コーナー
TAKUMA氏、谷中さん、家入レオさんからの
宮本さんへの質問コーナーもとても興味深いものでした。
- 家入レオ → 音域について
- 谷中敦 → 曲の入りがいきなり「歌」が多いのは意識的か
- TAKUMA → 宮本さん独特の「こぶし」について
- 横山健 → 自粛期間中に何をしていた?
- 谷中敦 → 今でも腹筋200回している?
谷中さんの「歌いだし」の質問、言いたいことを最初にぱっと言って始まる曲が多いのは意識的なのか?というもの。
宮本さんの答えは、多分意識していると思う、前半に集中させたい、等のお答えでした。
TAKUMA氏のこぶしについては、私はあんまり気にしたことがなく・・・
超高速だからなかなかマネできないとTAKUMA氏。例えば”今宵の月のように”の《あふれるなみだ~あ~》の《あ~》の所。
ほぼビブラートをかけない宮本さんですが、そういう所は確かに特徴的なのかも。
問われた宮本さんは、答えに困っていて全くの無意識なのだそうです。でも昔演歌は好きだったからその影響かも・・・とも言っていました。
健さんの質問の答えは、インスタグラム。はい、ずいぶん楽しませて頂きました。
谷中さんの腹筋200回は、さすがに今はやっていないらしい。
このやりとりの時の宮本さん、めっちゃ笑っていらっしゃいます。何かツボだったんだろうか。
一番リラックスして笑ってる。録画している方は、チェックしてみてくださいね(笑)
レオさんの質問、音域については、私も気になっていました。
結構高めの音域を曲に入れているが、それは敢えてそうしているのかという質問。
先生のお答えは、楽譜書いて作っているわけじゃないから、その時の気分でぱっと作っちゃう、音域広すぎて後悔することもある、でもなんとかしちゃうけどね、
とのことで、「なんとかしちゃう」のところで、おおお~~と場がどよめいてました。
すごいですねえ。安田君が「ノドが潰れないのか?」ときくと、「今のところ大丈夫」って言っていたし。脅威のノドの持ち主・宮本浩次。
谷中さんは、そばでライブで見ていて、その「なんとかしちゃう」場面に出くわす度に、
宮本さんからガッツをもらうんだって言っていました。
ガッツ。めっちゃわかる!
しかし、歌番組で高音が苦しそうな場面を見ると、
作曲の時に音域とか気にしないのかな?とは思ってたんですよね。
でも、そういうことじゃないんだろうな、優先順位が。
彼自身がそう言ってたんだけど、「言葉なんかどうでもいい、言葉を歌ってるわけじゃない」と。だから歌ってる時に、どんどんエモーショナルになってくると、言葉から意識が外れちゃう。(佐久間正英)
【月刊BARKS 佐久間正英 前進し続ける音楽家の軌跡~プロデューサー編 Vol.4】90年代のプロデュースその2~早川義夫、エレカシ、くるり
https://www.barks.jp/news/?id=1000095241
かつてエレカシのプロデューサーとして近くで宮本浩次を見てきた
佐久間正英氏のこの言葉を思い出しました。
曲に対する情熱とかテンションっていうのは、音域とかそういう理屈を超えるものなんでしょうね。
この通常では考えられない、はみ出した何かが聴き手に迫ってきた時、私たちは心を動かされるのかもしれません。
椎名林檎の言葉
椎名林檎が宮本浩次とのコラボに至る経緯をコメントで寄せていて、
それがすごかった。感動してしまった。
日本文化を継承してゆく上で、
音楽業界が抱える重要課題。
そのうちの一つに、
宮本浩次氏という銘楽器をいかに伝えてゆくべきか
というものがあります。
ビンテージの味わい深い響きを聴かせてくれるうちに、
エレキサウンド以外の様々な編成の曲でも、記録すべし。
2020.09.06「関ジャム 完全燃SHOW」(’18椎名林檎Mステ出演当時のアンケ―トより)
林檎嬢にかかれば、ロックだのJ-POPだのというくくりじゃない、
視点はもっと引いたところ、俯瞰して「日本文化」のレベルになってしまう。
「重要課題」「銘楽器」「記録すべし」・・・もうこれ以上の誉め言葉はないですね。
これは、かなりの作家や演奏家の胸中にある
共通認識でした。が、同時に、
愛すべきエレファントカシマシの道を汚す恐れから、
皆、なかなか口火を切れないところがありました。
2017年の紅白歌合戦へお邪魔した際、
宮本浩次氏へご挨拶申し上げ、
翌年のエレファントカシマシのご予定などを伺いました。
そして、2018年中には椎名が悪役を買って出ることになりそうだとぼんやり感じました。
「来年曲を書くので唄ってください」「はい」というほどの、
ごく簡潔なやりとりがあったように記憶しています。
(同上)
「なかなか口火を切れない」については、ファンとしてはたから見ていても、なんとなくそうなんじゃないかと思う部分はありました。
ある時期までは他ミュージシャンとの交流はほとんどなくて、
例えばフェスで、舞台裏でミュージシャン同士が肩組んだ写真が雑誌に載ったりしますが、必ずエレカシだけで写ってて、絶対他アーティストとからまない、そんな時期もありました。
そんなエレカシが、ユーミンをカバーをしたと聞けば驚き、斉藤和義とステージを共にしたと聞けば驚き、1ミリまた1ミリと門を開けはじめたところに、2018年、ついには、椎名林檎、スカパラとのコラボの報を受け、
「ついにコラボに参加するのか… 人が作った曲を歌うのか…」
という不思議な感慨に浸ることになるのでした。
口火を切った椎名林檎。ほんとにすばらしい。かっこいい。
そして、関ジャムでも紹介され、谷中さんが
「これだけ動いて林檎さんやダンサーさんにぶつからないのがスゴい。」
とコメントしたのがこの映像です。
椎名林檎 – 「獣ゆく細道」 from (生)林檎博’18
落ち込むことがあると、私はこの映像を見て元気をもらいます。
ほんとにかっこいい何度見ても見飽きない。
クールな林檎嬢最高だし、笑いをかみ殺してるのもすてき(笑)
ウィットにとんだ愛あるコメントがまたすばらしい。
常軌を逸した宮本浩次のステージパフォーマンス。
これも「はみ出した何か」なんでしょうね。
何度見ても笑ってしまう。そしていつもその倍ぐっとなり泣きそうになる。
この笑い泣きの絶妙ブレンド・・・すばらしい。
長生きしたい
今回の関ジャムは、きいたことない話もいろいろきけてほんとにおもしろかった。
バラエティ的なオモシロ寄りになりすぎると、それも嫌なんだけど、ほどよく笑いもあったし(元来エンターテナーな宮本さんは、意図的でなく天然で笑かしたい=楽しませたい精神の人なんでしょうね)
迷走しがちな宮本さんの言葉を、いいタイミングで引き取り言い換えたりしていたMCの村上君もよかった。「悲しみの果て」のカバーもすばらしかった。
この曲を歌いこんだことで、きっと宮本さんとの音楽的な話もしやすかったのかなと、そのMCぶりを見ていて思いました。
こういう、エレカシや宮本浩次を音楽的に大フィーチャーする番組で、
宮本浩次は照れくさくて大変だろうなあ、と予想していましたが、予想以上に照れくさそうだった(笑)
谷中さんに「300年に一度の天才」と言われた時には、照れくささがマックス振り切れたか、笑ってしまっていたし、
あげく最後には「全部カットしてください、私のところ」とのたまった宮本さん(笑)
2000年頃の音楽番組「HEY!HEY!HEY!」のダウンタウンとのトークで、「松本さん、僕はあと何年生きられるんでしょうか」と言っていた宮本さんでしたが、今回の番組では「長生きしたいです」と言っていました。
林檎様の言葉を受けてのところでした。きっとうれしかったんですね。うれしいの表現が「長生きしたい」と飛躍するところ、宮本節ですね。
長生きして、たくさん曲つくってたくさん歌ってください。
番組OA直後には、谷中さんのツイッターが。
番組での谷中さんコメント、宮本愛が炸裂してました!
関ジャム完全燃SHOWを見て頂いた方々ありがとうございました。これからもずっと宮本くんと同い年だってことが、俺はとっても嬉しいです。#関ジャム pic.twitter.com/xqDa17tIgS
— 谷中敦 (@a_yanaka) September 6, 2020
宮本さんはOA翌日(2020.09.07)にインスタ更新。
先生もリアルタイムでOA見たそうです。
最初の感想が「優しかった」ていうのがたまらない。
MCの村上君をはじめ、皆さん宮本さんに翻弄されつつうれしそうにトークしてましたもんね。
他ミュージシャンの言葉も、こうやって一度に並べられると本当に嬉しかったんだろうな。
関ジャム 完全燃SHOW -公式HP-
https://www.tv-asahi.co.jp/kanjam/backnumber/0246/
[…] […]