「僕らの音楽」が終わったばかりですが、たまアリのつづき。ずれててすみません。
曲順を追って書きます。長いです。生で見たのと映像で見たの、混ぜて感想を書いています。
Sky is blue
スクリーンに映る太陽のにじんだ輪郭、ゆっくりとゆっくりと昇ってゆく太陽。
真っ白に輝いた太陽の前に立つメンバーのシルエットは本当にかっこよかった。
硬派なバンドサウンドでのスタート。25周年ですもんね。幕開けにふさわしすぎる1曲に唸りました。
奴隷天国
「25周年エブリバデー!」
≪おめえだよ おめえだよ≫と睨みきかされても、
≪一生懸命同情乞うて果てろ≫がやっぱり大好きなんです。
曲のタッチは全然違うけど、私の中では「涙」と根っこのところで相通じる、
エレカシのエッセンスがぎゅっと詰まっている曲。
たまアリのオープニングでやってくれて、本当にうれしかった。
悲しみの果て
「25周年なんでダイジェストでやってます。みんなに捧げます」
ダダッダダッと前奏のギターが鳴った時、客席がワァーッ! と沸きました。
この最初の歓声で涙腺がゆるんでしまいました。
私をエレカシに引き寄せた出会いの曲。こんな長い付き合いになるとは思わなかった。
いつもの「悲しみの果て」だったけど、一音一音、歌詞のひとつひとつを噛みしめながら聴きました。
新しい季節へキミと
「エブリバディ! 今日はようこそ! さいたまスーパーアリーナへようこそ! 見えますか? お正月ですエブリバディ。今日が元旦みたいなもんだ、エブリバディ違うかい?」
ストリングスの入った華やかなイントロに乗せて、宮本さんの今日が元旦宣言!
理屈抜きでテンションが上がってしまいます。
2009年「桜の花舞い上がる武道館」の1曲目がこの曲でしたね。
今はここが真ん中さ!
「今日はですね、思った以上にいっぱい入ってくれてそれに驚いてます!」
「ストリングスチーム総勢14人。こちらがなんとホーンセクション! なんという対照……男! 柔らかさとそしてこの我々のオーラと混然一体となってお届けします! エブリバディ!」
「ここがどこだか知ってるかい? (客席:ヒュ~) ここがな、ここが真ん中だ、エブリバディ!」
活動休止の間、ライブ再開して、新春ライブでこの曲やるのを、
どれだけ妄想していたか(笑)。待ちこがれていました。
WOWOW見ると、ローディーの丹下さんが、ハンドマイクのコード(ものすごく長い)をきれいに伸ばしながら、
MCする宮本さんを見ながらにこにこしていらっしゃって、いい場面。
冒頭「さいたまスーパーアリーナ~」と歌った裏声がめちゃくちゃきれいでした。
彼女は買い物の帰り道
リッスントゥザミュージック
ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ
Darling
「今はここが真ん中さ」が終わるとムードが一転。バラード、ラブソングのコーナー。
ストリングスに、宮本さんのかすれたシャウトが混じり合って世にも美しい「リッスントゥザミュージック」。
曲の前に大宮フリークスの話を懐かしそうにしていました。
「ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ」は選曲にびっくり。久しぶりに聴けてよかった。
バイオリンの金原さんとチェロの笠原さんが宮本さんの横に並んで「Darling」。
宮本さんが笠原さんを紹介したあと、「名前が言えます」とぼそっと言っていたのはウケました。
2009年の「桜の花舞い上がる武道館」の時、宮本さん、笠原さんの名前を失念してしまって、それを自虐的に言ってるんですね。
シャララ
宮本さんのアドリブの「もう一丁!」のせいか、ちょっとハラハラさせられた「シャララ」でしたが、
でも、ぶ厚いストリングスにビリビリに歪んだギター、やっぱりかっこよかった。
「シャララ」も新春ライブにはもはや欠かせない1曲。
何年前の曲だっけ、と石くんにふると、ウーン、と首をひねったり、そんなやりとりもよかったですね。
「二十何年経てば、ろくな考えでも持ってるかと思ったら、何にも変わらないですね!」と目をまんまるくして言っていたのもこの曲。
ココロをノックしてくれ
しみじみとよかったです。
ホーンと一緒にやったせいもあるのか、すごく大人っぽかった。
焦燥の中にも希望を歌って、47歳のエレカシの等身大が素直に演奏に出ている気がしました。
高速を走る車の映像もとてもはまっていました。
未来の生命体
引き続きこの曲もホーンと一緒に。
≪自ら墜ちてゆく我が身を見る好条件≫
自分と向き合い、見えてくる闇を冷徹に見つめて、憐憫にひたらず、突き放す。そして逃げない。
≪堕ちてゆくこの日々を超えろ! 超えろ!≫
これをたまアリで選曲するあたりがなんともかっこいい。
決して平坦ではなかったエレカシの25年、だからこそこういう曲がライブでひと際輝くのだと思います。
デーデ
達者であれよ
今をかきならせ
アガる曲3連発。
「デーデ」の前、「石森くん!」と宮本さん叫んで、石くんと肩組んでステージの前へずいっと出て行ったのがよかったです。
「達者であれよ」の時には、花道に少し歩み出て「みんな元気だったかい、エブリバディ! 会いたかったぜ、ほんとだ! エブリバディ! ようこそ!」と宮本さん。
≪麗しき恐るべき友よ!≫
この曲が世にでた後しばらくして生まれる「俺たちの明日」の伏線とも思わせるような1曲。
「達者であれよ」も「今をかきならせ」も大好きな曲なので、盛り上がりました!
やさしさ
珍奇男
4人だけになったこの2曲の流れがとてもよかった。
ステージ上の空気はぐっと濃くなって。会場が広い分、ぎゅっと一ヶ所に「気」が集まるというか。
「やさしさ」の前にポプコンに出た時のMCがあり。
「シャララ」が何年前か、という話を石くんとしたように、「やさしさ」では成ちゃんとして。
16歳の時に作った歌。あらためてそう聞くと、やっぱりすごい。≪退屈≫というモチーフを入れて、ただのバラードにとどまってない曲の奥深さ。16歳で!
この曲はライブで聴くたびに、ああ、また今日の「やさしさ」で、
何人の人がバタバタと床に倒れてしまっただろう、と思います。
もちろんイメージでですけど。それぐらい、毎回やられてしまう。
この日も、たまアリのお客さんが次々に倒れていくイメージが浮かんで(笑)。
宮本さん、体を二つに折り曲げ熱唱のあまり、イヤモニが耳からはずれていました。
続く「珍奇男」も最高でした。
やっぱり、エレカシのライブで「珍奇男」はライブ中盤の要だなあ。
男椅子もちゃんと登場しました。大舞台にボロボロの男椅子。置いてあるだけで、これ以上ないぐらいの演出。エレカシの歴史の証。
男餓鬼道空っ風
蔦谷さん、ヒラマさん、ホーン隊と一緒に。
「昔野音で突然私が歌うコーナーをやったらエブリバディ、みんなゾッとしながらやってくれたと言われている幻のコーナーがありまして。一緒に歌ってくれ~歌おうぜ~」
「野音秋」の 8曲目(1996.8.6)、ブートレグCDのDisc2(渋谷クアトロ)の8曲目(1995.11.30)でも
一緒に歌おうコーナーが楽しめますね。
風に吹かれて
傷だらけの夜明け
蔦谷さんとヒラマさんと3人で。
シングル「笑顔の未来へ」のカップリングVer.の「風に吹かれて」が終わると、
宮本さんは男椅子に座ってアコGでスタンバイ。
ザァァというSEが入り深い青の照明の中で始まった曲は「傷だらけの夜明け」でした。
この時期、このタイミングでこの曲をやったら、すさまじくはまるだろうなと思っていましたが、
実際すごかった。休止を経てこれを歌う。他に誰が歌えよう。曲のおそろしいほどの美しさに圧倒されました。
あなたへ
ハナウタ~遠い昔からの物語~
「がまんしたんだぜ、エブリバディ!」と言いながら花道の一番前まで小走りで来た時は、
照れくさそうに頭をかきむしっていました。
「去年の今頃のことを考えますと、とてもじゃないけど信じられないというか、すみません、上着着させてください」
感動的になりそうなMCを、寸止めして上着の話に行くという。こういうところがたまりません。
でも、去年の今を思うと信じられない、というのは待っていた側にしてもまったくそうで、
そんな休止中に作られたという「あなたへ」は客席にやさしく力強く響き、
今日という日が迎えられてよかった、という喜びであたりは充満して、
次の「ハナウタ ~遠い昔からの物語~」で会場はさらに幸せな空気に包まれた気がします。いい流れでした。
ズレてる方がいい
俺たちの明日
「ズレてる方がいい」は、2012年の野音、2013年の野音、そして今回。どんどん曲がかっこよく育っていく感じ。
「俺たちの明日」は、みんなコブシを突き上げて、スタンドの方を見てもみんな突き上げてて(両サイドを確認しました、うれしくて)、
それにぐっときてしまいました。
2009年の8年ぶりの武道館の時も、突き上がるコブシが明るく照らし出されて、それはそれは壮観でした。
5年後、また同じ場面で、もっと大きな会場で「俺たちの明日」が鳴っている。そのことがただただうれしい。
本編(第1部)はこれで一旦終わり。
今宵の月のように
さらば青春
昔の侍
第2部はキャニオン期の3曲で幕開け。
「さらば青春」の時に「佐久間さんと一緒にやったんだけど」と言っていました。
それ以上は語らない。でも歌がすべてを語っていたような気がします。
「昔の侍」。一旦演奏が終わって、ギターをつまびきながら、目を閉じて、抑えた声で、
≪さらば友よ≫と歌っていたところ。何かの思いをかみしめているような感じで。
旅
宮本さんかなりきつそうで、部分的に低い音域で歌っているところもありました。
でも、途中、原曲とは違うメロディで歌ったところがあって、ミッキーのソロが終わったあとのくだりの
≪俺の心を照らしてくれよ≫。
その歌いっぷりがものすごかった。ただじゃ終わらせねえ感がはんぱなかった。ロック歌手おそるべしと思ってしまいました。
桜の花、舞い上がる道を
笑顔の未来へ
あなたのやさしさをオレは何に例えよう
花道の先頭まで歩み出て「これだってリハーサルしたんだぜ!」。
「ここまでくるとみんなの人いきれで窒息しそうになるんです、ほんとです、エブリバディ。すごいんだ、二酸化炭素が。みんなの二酸化炭素(笑)、俺は吸い込みながら歌ってるぜ、エブリバディ、イエー!」
「ちょっとごめん、俺だけ水飲んでいいかい? ごめんな」
「さあドーンと花を咲かせ……実は今も咲いてんだけど、気分的にも、ドドーンと花を咲かせようぜ! そういう歌です。『桜の花、舞い上がる道を』歩いていこう、エブリバディ!」
「桜の花、舞い上がる道を」は、桜吹雪の演出もさることながら、
その前のMCが冴えわたっていて、まさかの二酸化炭素トークで会場を盛り上げる総合司会。
「笑顔の未来へ」は、かなり歌詞が飛んでましたけど、でも堂々と最後までやり切ってました。さすが。
そして「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」。
総合司会度がMAXになるこの曲だけど、
ストリングス隊やホーンの人たちを紹介する宮本さんは、ほんとにうれしそうで。
トランペットのスガサカさんを「いやんなっちゃう、かっこよくて」とか、
ギターをぶりぶり鳴らしながら「これは俺のギターの音だ。刺激されちゃったぜ!」とか。
この曲の盛り上がりが沸点に達したところで宮本さんは「音楽ってすばらしい~!」と絶叫してましたが、
もう、あふれ出る音に囲まれて、幸福でしかたがないといった感じが、
見ていて泣きそうになるぐらい伝わってきた。
最後は石くんから取り上げたサングラスをしたまま、
「みんな俺に好かれてもしょうがねえけど、とりあえず今みんなのこと好きです! イエー!」
こういうセリフをグラサンしたまま言うところがよかったです。
so many people
生命賛歌
ガストロンジャー
ファイティングマン
第2部のラストはこの4曲。私は盛り上がり過ぎて記憶が薄れています。
「so many people」の後ストリングスチームがはけて行く時、
マイク持ったまま拍手して、両手を振ってバイバイして、宮本さん、心底名残惜しそうにしていたのが印象的でした。
イントロにハラハラした「生命賛歌」だったけど、
そんなアクシデントも吹っ飛ばす勢いの「さい、さい、さい」という宮本さんの雄叫び。
花道に落ちた花びらをまき散らし、風の吹きすさぶ荒野に客を一気に連れていく。
スクリーンに4分割でメンバーが大映しになったのがすごくかっこよくて、鳥肌ものでした。
そして「ガストロンジャー」「ファイティングマン」。
今までエレカシのほとんどのライブでクライマックスを盛り上げてきた超定番の曲たち。
何度聴いてもそのたびに新鮮な力と勇気を与えてくれた曲たち。
体いっぱい感謝をこめてコブシを振り上げてきました。
男は行く
アンコールでこの曲が登場です。
演奏中、宮本さんはもっともっと、とメンバーをあおる。
≪俺はお前に負けないが/お前も俺に負けるなよ≫
狂気をはらんだ歌もバラードもさわやかな応援歌も合わせ持つ多面的なエレカシを、
1枚1枚めくってはがして、最後に小さな塊のように残る1曲があるとしたら、この「男は行く」なのかもしれない。
そう思わされた壮絶な歌と演奏でした。
待つ男
締めはこの曲でした。
残る力をかき集めてかき集めて、もう立っているのがやっと、というぐらいだったんじゃないだろうか。
でも、歌ってた。ギターを弾き、ベースを弾き、ドラムを叩いていました。
今まで見た中で、一番ぎりぎりの「待つ男」だった。
そして最も胸を打たれた「待つ男」だった。
エレカシのライブに何を欲して何を観に行っているのかがわかった気がした。
宮本さんは泣いていました。顔をくしゃくしゃにして。
ずっとがまんしてたんだろうな。
25周年、おめでとうございます。
37曲、4時間。渾身のステージをどうもありがとうございました。
レポ、たまアリを追体験出来るようで何度も読ませて頂きました。
丹下さんの表情とか、男椅子や、色々…侘助さんの切り口で見るとライブが活き活きして見えますね。
私なんかちょこまか動く宮本さんを目で追うので精一杯で記憶も薄れています(笑
文が下手で上手く伝えられませんが…これからも楽しく読ませてくださいませ♪
ぷうこさん、こんばんは♪
長いわりに内容がなくってどうしよう、と思っていたんですけど、
少しでも楽しんでいただけたのなら、これ幸いです!
でも、かなり映像見ての感想もまじえております…
なんだか、MCのことと自分の超個人的な思い出しか書いてませんね…すみません~
丹下さん、にこにこしてて素敵な表情でした^^
ぼろぼろの男椅子も本当にかっこよかった!
時間が経つにつれて、ほんとにすごい場にいたんだなあ、としみじみ感じ入っています。
ほんとにすばらしいステージでしたねえ。
ぷうこさん、こちらこそこれからもよろしくお願いします。
またお気軽にいらしてくださいね~^^