オープニングは本当に見事だったとしか言いようがない。
青い光の中、ゴォォという近未来的(?)なSEの中で鋭く入る宮本さんのスライドギター。
バックの巨大スクリーンが、メラメラと昇れる太陽を映し出す。
照明は抑制され逆光。
ステージ上は黒いシルエットのまま、幕開けの曲「Sky is blue」が終わりを告げると、
空気は一転、トミの跳ねるドラムが入り、
石くんのギターリフとともにスクリーンで1、2、3…とカウントされていく中、
「奴」「隷」「天」「国」の赤い文字が飛び出す。
数字が25、26になった瞬間、照明が点灯、ステージと客席を明るく照らし出し、
一気に色とりどりの風船がアリーナに舞う。
いやーしびれました。この時の沸き上がる歓声、今も忘れられないです。
客席は狂喜乱舞、
私も手のひらで風船をポンポンはじきながらほんとに楽しくて、
いやしかし、風船の向こう、ステージでは「奴隷天国」をやってるぞ、
≪しかばねどものいいわけ≫とか≪死ね! 死ね!≫とかすごい形相で歌ってるぞ、と思ったら、
もうおかしくて、
「奴隷天国」で風船って! と思ってまったくエレカシだなあとじーんとしてしまって、
うれしくてうれしくて、
最初から私はすっかり泣き笑い状態でした。
この風船×「奴隷天国」というのは、風船が先なのか、曲が先なのか。
どうなんでしょう。
「奴隷天国」の曲ありきでいっちょド派手に風船飛ばしますか、ということなのか、
風船っていう演出もありますけど、何の曲にしましょか、ということなのか、
でも、後者だとしたら、宮本さんが「そりゃ“奴隷天国”しかないでしょうね」と嬉々として言っていそうな気がします(←勝手な想像)。
それから花道。
一旦「花道があるかも」と妄想しながら、いやいやそんなはずはない、
と打ち消した私だったので、
当日せり出した花道を見つけた時には本当にびっくりしました。
花道だったら、ギターとかマイクのコードはどうするんだろうと、
だって今までエレカシのステージでワイヤレス見たことないし……
なんて思っていたら、ワイヤレス使ってました。
初めてエレカシでワイヤレスのステージ見ました。今まであったかもしれないんですけど、少なくとも私は初めて見ました。
肉眼で確認したのは「あなたへ」の時で、あ、マイクにコードがない! ギターにもない!
と静かに興奮していたのでした。
WOWOWを見てると、宮本さんのタンゲマンストラトは、ずっとワイヤレスのセッティングだったようです。
石くんのギターもワイヤレスかな。
ワイヤレス、ワイヤレスってなんだか細かいことにやいやいうるさいんですけど、
なんというか、エレカシのライブは、
宮本さんのマイクにしろギターにしろ、
長いコードをひきずりながらのステージング(コードをさばく丹下さんも含め)が見どころのひとつだったので(私だけか)、
遂にワイヤレスを導入したんだと思ってですね……
さみしいというわけではなくて、ワイヤレス使うくらい広いステージでやるようになったんだなと、ちょっと感慨深かったわけなのです。
「桜の花、舞い上がる道を」の花吹雪もきれいでした。
照明が暗くなって、真っ黒な背景に桜が舞い上がっている場面なんて、
息をのむほど美しかった。
「森のくまさんみたいだぜ、エブリバディ!」の名ゼリフを生み出した「男餓鬼道空っ風」。
この時のMCがほんとに秀逸(?)で、
「エレファントカシマシと歌おうのコーナーがやってまいりました」とか
「あまりにも恥ずかしいので封印していたあのコーナー」とかがあまりにツボにはまり、
はい! 歌います! とばかりにやる気まんまんで大声で歌いました。
周りもものすごく元気に歌ってて、楽しかったなーほんとに楽しかった。
「奴隷天国」の風船もそうだし、この「森のくまさん」にしても、ほんとに絶妙な遊び心、
エレカシのライブでこんなに満面の笑顔で楽しんじゃっていいのかと自問自答するぐらい
楽しんでしまいました。
きっと総合司会をはじめみんながいろいろ頭をひねって考えてくれたんでしょうね。
宮本さんが「さいたまスーパーアリーナでやりたい」と言っていたのは、すごく覚えています。
シングル「ワインディングロード」リリース時のインタビューで、
売れたいんだ、というようなことから、たまアリでやりたい、という話になって。
インタビューだけじゃなくて、なにかのテレビに出てたときも言っていたような気がします。
あんな大きなところでやりたいという具体的なイメージがあるんだ、と
これを読んで私はびっくりして、
売れたいとか、そういうことをある時期頻繁に言っていたこともあったけど、
やっぱり変わらずそう思ってるんだなあと思って。
さいたまスーパーアリーナというよりも、エレカシは武道館、という感じが個人的にはしたし、
大きすぎるところでやるのもどうかなあ、という気が正直あったのも確かで。
でも、そのインタビューで同時に、
「これでまた敗北して、『宮本、また偉そうなこと言って敗北した』ってみんな笑ってもらってかまわないけど。なにしろ、売れないとカッコ悪い!」
(bridge vol.69 Autumn 2011)
とも言っていて、
このあたりの考え方は、今はまた違うかもしれないけど、当時はそんな感じだったようで。
それがぐっときたんです。「笑ってもらってかまわないけど」というのが。
そこまで客観的にすえながら覚悟の上であえて言っているのかと。
なので、こうなったらもう、ドーンといつかたまアリやってほしいと思うようになりました。
まさかこんなに早く、25周年のタイミングでやるとは思いませんでしたが、
この発言の数年後に、念願のさいたまスーパーアリーナ公演が実現して、
1万4000人というたくさんの人が集まって、本当にすばらしいコンサートで。
ほんとうによかったです。
映像で見ると、お客さんがいっぱいだなーとあらためて思って、胸がいっぱいになります。
……長くなってしまいました。
全然曲のこと書いてないので、つづきを後日もう少し。
思い出の風船。
宮本さんは前からたまアリ公演を熱望していたんですね。
だからこその男泣きだったんでしょうかね。
そしてマイクのコードにこだわったレポ(笑)楽しく読ませていただきました。
ゆっくりで構わないので続きを楽しみにしてます!
ぷうこさん、こんばんは♪
はい、コードにこだわって書いてみました(笑)
そうなんです、雑誌で言ってて、すごくびっくりしたんですよ。
最後は、そういう思いも含め、いろんな思いがあふれちゃったんでしょうね。
レポ、はい、ぼちぼち書いてみます!
まとまらないかもしれないけど、なんとか書いてみます~^^