昨日、上野に行ってきました。
≪天気は上々≫だったけど、吹きっさらしの風が体を芯から冷やす、
寒い一日でした。
まず国立博物館。「明日に向かって歩け!」の「宮本をめぐる東京・武蔵野三十三景」のNo.16。
今回は常設は見ず、円空展。
仏像のことはほとんどわからないんだけど、
円空は素朴な木彫りで、リアルすぎないのが逆に親しみやすくて好きなのです。
それぞれいい表情で、見ているとほっこりするような感じ。
展示室は老若男女、とても混んでいました。
ミュージアムショップでのこと。
小学4、5年生くらいの男の子がグッズを見ているのに遭遇しました。
最初は友達と一緒に埴輪の笛をいじったりしてたんだけど、
ふと見ると、一人で、メモ帳のコーナーで真剣に品物を選んでる。
その子はすでにお買い上げ済で、ショッピングバッグから透けて見えるのは、
「神奈川沖浪裏」のクリアファイル。
どうやら最終候補となったのが「風神雷神」と写楽の浮世絵の2つ、
しばし悩んだ挙句、「風神雷神」のメモ帳を手にし、「これにしよ」とつぶやいて、
レジの方に小走りでかけて行きました。
エレカシ聴いてみませんか。
あまりに激渋なセンスの小学生だったので、思わずお薦めしたくなりました。
それから精養軒でお茶をしようと向かって歩いていると、
途中で東照宮を発見。「宮本をめぐる東京・武蔵野三十三景」のNo.20。
鳥居をくぐってから結構長い石畳の道があって、
歩いて行きながら、突き当たりの本殿?というのでしょうか、お参りするところが、
不思議な佇まいだなあ、と思っていると、
なんと工事中で、本殿の写真を印刷した大きな幕がかかっていたのでした。
お賽銭箱は前に出ていたのでお参りしてきました。
途中、海外の観光客らしき人ともすれ違ったけど、あの幕には驚いただろうなー
これは東照宮境内から撮った五重塔。
“上野の山”に出てきますね。
時はバブル全盛、
宮本さんが頻繁に上野を訪れていたというアルバム『浮世の夢』の頃。
花見客の人を避けて入った国立博物館は人がいなさ過ぎて自分の靴音だけが響いていたらしい。
≪ああ短か夜の夢のよう何を見てきた五重塔≫と、
何か憂うように五重塔にも問いかる”上野の山”。
そのあと精養軒へ。
「宮本をめぐる東京・武蔵野三十三景」のNo.19。
1階の左側のドアを入ったところにあるティールームでお茶をしました。
窓際の席で、壁一面の窓にさんさんと陽が差し込んでました。
ケーキとコーヒー。1100円。
赤本によると、上野に来たら精養軒に寄って必ずコーヒーを飲んでいたそうで。
「かく語りき」ではハヤシライスを食べたとか言ってましたっけ。
ケーキも食べ終わってまったりしていると、
店員さんがささっとやってきて、ブラインドを巻き上げてくれました。
みると、赤く染まった空が。
「赤き空よ!」だ~。と、生活にエレカシを結び付けようとするいつもの癖が。
暮れゆく空をながめながら、とりとめのない会話。
帰り道はもうとっぷり暮れて「寒き夜」と口をついて出るぐらいの寒さでした。
精養軒から見た赤い空を思い出しながら「赤き空よ!」を聴きました。
いつも夢見てきた俺の歴史には
優しく悲しい歌が一緒で
歩いてゆくしかないのに立ち尽くす
胸を掻きむしる思い出にエレファントカシマシ 「赤き空よ!」
いい曲だなぁ、としみじみ。曲をあらためて聴いて、曲に惚れなおす。
ミーハー丸出しで訪れた精養軒だったけど、
はからずも「赤き空よ!」を思い出させてくれました。
こういう偶然はうれしいものです。