エレカシに関わる人々

マキタスポーツ、エレカシ「浮世の夢」について語る

ERIS(エリス)第10号という音楽雑誌(無料)で
マキタスポーツがエレカシのアルバム「浮世の夢」について語っているらしい、
ということで読んでみました。



エレファントカシマシ 3rd Al.「浮世の夢」

http://erismedia.jp/
ERIS 第10号 More Than Liner Notes エレファントカシマシ/浮世の夢
解説:マキタスポーツ(談)
聞き手・構成:萩原健太

電子書籍だそうです。世の中ススんでますね。
トップページの第10号の「購読する」ボタン→メアド登録→メールがきたらリンク先に飛び、
メールで届いたパスワードを入力すると読めました。

記事は結構なボリュームで、
マキタさん独特の目線と言葉でエレカシへの愛を語ってらっしゃいました。
聞き手の人に「ほめてます?」と問われるくらい
ユニークな感じホメているので、
そのあたりはもしかすると好き嫌いがわかれるかもしれないけど、
私はとても面白かった。

マキタさんがエレカシとの最初の出会いとなったeZの「珍奇男」。
DVD「エレファントカシマシ EPIC映像作品集 1988-1994 」に入っている、
坂西伊作さん監督の映像です。

私も、最初にこれを見たとき、本当に衝撃だった。
ミヤジがパイプ椅子に座ってギター弾きながら歌ってるんだけど、
途中、立ち上がろうとして、拍子にパイプ椅子が倒れかけ、
それを石くんがつま先で立て直そうとするも、結局椅子は倒れてしまう。
ミヤジはしばらく中腰で、どうにかギターを弾いている。
ふつう、素人目にはこれはOKテイクにしないだろう、
というような映像なんですけど、
しかしこの不器用にギターを弾く宮本浩次、倒れる椅子、苦笑いの石くん、
すべてが「珍奇男」という曲の世界に異様にハマっているのです。
伊作さん、やっぱりすごいなと思ってしまう。
エレカシへの、「珍奇男」という曲への愛情だなあとしみじみ思う。
あと、この「珍奇男」は絶妙な照明、影がすばらしいです。美しいし、かっこいい。

記事で印象的だったのは、
・宮本さんのギターの弾き方が独特(私もずっと思ってました。特に右手のストローク)
・日本のポピュラー・ミュージックというのは、全部ノヴェルティ・ソングだと思うが、
エレカシからはそれをあまり感じない。「浮世の夢」は特に。
(ノヴェルティ・ソングというのは、聞きなじみのない言葉なんですけど、パロディソングという感じ? 「オリジナリティすごい」ってことなんでしょうか)
・「浮世の夢」を聴くのには体力が必要。アルバムが若くて、とにかく生意気。アルバムが拒絶している。接するにはエネルギーがいるんだけど、お前(「浮世の夢」)のことは目が離せない。

マキタさん、「目が離せない」と繰り返し言ってました。
この「目が離せない」感、すごくよくわかります。
好きなアーチストがいろんなことをやるのを(ドラマに出たりバラエティに出たりするのを)
「?」と思いつつ見てしまう、この感じ。
ドラマとか出なくてもいいのに…と思いながら、見てしまう感じ。
マキタさんは「隙」とか「無垢さ」という表現もしていましたが…
私も、いろいろ好きですが、その中でもエレカシの持つ「目が離せない」感は尋常じゃないものがありまして
これは他の人たちにはなかなかない。
マキタさんのおっしゃるニュアンス、とてもよくわかります。

歌唱については、ノドという楽器がすごいだけじゃなくて、
その鳴らし方が天衣無縫ですごい、日本でも希有なボーカリストだ、
とほめちぎってらっしゃいました。

一番いいなあと思った、マキタさんの言葉は
「言うこと聞かないなあ。俺、絶対言うこと聞いちゃうもんなあ。だから惹かれちゃいますね」
でした。
「言うこと聞いちゃうもんなあ」というのが、
マキタ節というか、マキタさんらしいし、
「だから惹かれちゃう」と、にじみ出るエレカシ愛というのが、すごくいいなあと思いました。

しかし「浮世の夢」、いいですよね。大好きなアルバムです。
曲単体ではそれぞれ大好きな曲ばかりだったけれど、
思えば活動休止が発表された頃2012年の秋、
野音で「夢のちまた」「うつらうつら」「見果てぬ夢」が演奏されたこともあり、
当時このアルバムを結構リピートして聴いて、
「浮世の夢」はいい! と、あらためて感じた次第なのでした。

—–
MUSICAを読むと、しばらく創作活動に専念するようで、
エレカシ界隈は表向き、当分しずかな感じになりそうです。

エレカシの冬はおとなしい、
という印象がなんとなくあります。
(ご本人たちは実際いろいろあるんでしょうが)
去年も冬は特に露出がなかった気がするし…
でも、4月からドラマ主題歌があったので、そんなに長くは感じなかった。

強烈に覚えているのは、やっぱり2013年初頭の冬。
宮本さんの病気で活動休止していた時です。
休止と発表されてもしばらくは、
それでもベスト盤が出たり「のぼうの城」があったり、結構いろいろあったんですけど、
2013年のはじめというのは、ほんとに情報が何もなくて、
待つ身としてもどこかよりどころがなく、
もう何か念じるように毎日エレカシを聴いてたりして、
いつまで待つんだろうなあ…と半ば茫然としていたような気がするんですけど、
今回は創作活動に打ち込む、ということで状況はっきりしているので、
もう全然、大丈夫。
大丈夫というか、いいアルバム待ってます!てな感じでいられます。

MUSICAを読んでも、もっともっと、という感じで新曲を作っているようだっだし、
いろいろありつつも、創作に専念して
しっかりいいものを作ろうという思いがしっかり伝わってきたし、
外部の人と一緒にやってから、というより
まずはバンドで行きたい、という感じのことも言ってたような気がするので
そのへんもすごく楽しみです。

でも、「夏まで」と言っていたけど、夏も含めての「まで」ってことなんですかね。
長いですね!
(「全然大丈夫」とか言いながら、ついファンの本音が)

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POSTED COMMENT

  1. 侘助 より:

    鍵コメさま。
    「浮世の夢」、いいですよね^^
    私も大好きなアルバムです。
    好きなアルバムの5本指には入ります。
    エレカシの曲はスルメな曲が多いけど、
    「浮世の夢」はとくにスルメ度が高いといいますか…
    ほんとに聴き込むほどにぐっときますね…
    何度聴いても、聴きなおすたびに新たな発見があったりするし、
    その時の心の具合で、ひとしおしみてくる曲もあったりしますよね。
    感受性が乾いてカピカピになっているときに聴くエレカシは
    本当にじわ~っとしみてきます。
    「浮世の夢」はほんとに1曲1曲すごいですよねぇ
    あんなアルバムを世間がバブルまっさかりの頃に
    作っていたなんてすごいなぁと思います。
    ほんとに「宝物」ですね!

  2. 侘助 より:

    鍵コメさま、こんばんは。
    「珍奇男」、びっくりしますよね。
    初めて見た時はほんとに衝撃でした。
    映像見て、「ん?今のは一体何だったんだ?」と思って、
    繰り返し見たような気がします
    そのうちじわじわとはまって……(笑)
    鍵コメさまのおっしゃる「つらい」という気持ちも
    なんとなくですが、わかるような気がします。
    そうして見ていくうちに感動するものもあって。
    時系列で収録されているので、歴史を垣間見るようで結構ぐっときますよね。
    BAND HISTORYのDVDも時系列で並んでて、
    特にロッキングオンのフェスのdiscが
    結構ぐっとくるんですよね。
    ライブっていろんなものを本当にあらわにするんだなあと
    映像見てるとしみじみ思うし、
    バンドのたたずまいとか空気感とか
    その変化も含めてなんだかじーんとしてしまいます。

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