テレビ東京で「山田孝之の東京都北区赤羽」というドキュメンタリードラマが始まりました。
http://www.tv-tokyo.co.jp/akabane/
第1回がオンエアされたので観たんですが……
すごい。
面白い。
しかし、このすごさ、面白さをどう表現したらよいのか……言葉に詰まります。
なんたって赤羽なので、
期待度5割増しぐらいで観てるし、
監督は山下敦弘さんだし、
個人的には面白くないはずがなかろう、といったところなんですけど、
これは、仮に私がエレカシファンじゃなくてもたぶん相当面白い。
こんなの見たことない…って感じです。
そして山下さんの笑いのセンスがやっぱり好きだなーと思いました。
このドラマは監督自身も時々登場してて、
山田孝之に翻弄される姿、すごくツボです。
あとは、
山田孝之が清野さんのマンガに出会って赤羽に引っ越すことになり、
その荷物が紙袋だったので、
思わず、パリ旅行の宮本浩次を思い出し、吹きました(宮本氏もパリへの旅行に紙袋で旅立ったそうです)。
山田さんの紙袋、しかもひよこ(おまんじゅう)!
ドキュメンタリードラマということですけど、
一体どこからがフィクションなんだろう。ここが仕掛けかな?とわかるような、わかんないような…
きっと虚構と本当がぐちゅぐちゅに混ざってるグレーゾーンもあるんだろうな。
きっとそういうところが面白いのかもしれません。
清野さん、赤羽と言えば、2013年に出た「赤羽Walker」。
表紙の絵は清野さんです。
「アカバネの地元自慢ランキング」という特集があり、エレカシは2位でした。
1ページさかれてて「ファンなら一度は訪れたい!聖地 エレカシゆかりの地」ということで赤羽台団地とか荒井楽器とかデアとか10ヶ所ほど載ってました。
これが出た当時、エレカシは活動休止中で、ほんっとに話題が何もない頃。
久しぶりにこの本を取り出して見てみたら、
すごいフセンが貼ってありました。しかも食べ物屋さんのページばっかり。
どんだけ食べに行こうとしてたんだろう…
—–
武道館後、ということで蔦谷さんのラジオ、J-WAVEの「HANG OUT」を聴いたら、
結構エレカシのことしゃべってましたね。
2015.01.08 J-WAVE「HANG OUT」
放送のアーカイブ(YouTube)
http://www.j-wave.co.jp/blog/hangout/2015/01/08/
武道館の初日にやった”so many people”は、予定のセトリになく、リハでも1回もやらなかったのに、
いきなりアンコールでやったそうです。
3日にやってくれた時、この曲大好きだからすごくうれしくて、
うれしすぎて、前列の椅子のパイプのところをぐっと握りしめたほどです。
急きょやったのかーうれしいうれしい。
で、蔦谷さんと言えば“笑顔の未来へ”なので、その話にもなり。
“笑顔の未来へ”はエレカシとの出会いの曲で、出会ったときは29歳。
”笑顔の未来へ”の弾き語りのデモがきたときは電撃が走るみたいな感じで、曲に恋しちゃう、うっとりしちゃう感じだった。
曲が最高で、曲に惚れちゃって、一瞬でアレンジが思い浮かび、一筆書きのようにアレンジしたものを送ったら、その時も宮本さん泣いてくれて……
みたいな感じで蔦谷さん言ってました。
蔦谷さんがエレカシと関わるようになって10年になるそうです。
もうそんなになるのか。
このへんのことが詳しく語られている宮本さんとの対談がこちらで、
蔦谷好位置「ナイポジ対談 vol.3」
前編
http://www.oricon.co.jp/music/special/tsutaya_03_01.html
後編
http://www.oricon.co.jp/music/special/tsutaya_03_02.html
“笑顔の未来へ”の話のほかにも、ドラクエ話や石くんメール話も面白いです。
蔦谷好位置:(ライブは)バンドみたいな気持ちでやってるんで。そうじゃないと失礼だなとは思うんで。すごく楽しいですほんとに。一緒にやらせてもらって。刺激的だし。
(中略)絶対この4人の中には、俺とかミッキーとか、金原さんも当然そうだけど、絶対入れないなっていう瞬間があって、それを感じるのが……エレファントカシマシの絆の強さを感じた時は、ちょっと壁がある感じがうれしいっていうか。やっぱ、すっげえバンドだなあっていう。一緒に仕事できてうれしいなあって思える瞬間ですね。
(2015.01.08 J-WAVE「HANG OUT」)
エレカシの話題の最後の方にこんな話を蔦谷さんがしてたんですけど、
「ちょっと壁がある感じがうれしい」っていうのがすごいっていうか、
いい視線だなあと思いました。きっといいバランス、いい距離感なんだろうな。
なかなか、「壁がある」と思わせる対象に「うれしい」とは言えないですよね。
でも、そう言わせてしまうバンドということなんですね。
エレカシもすごいけど、そんな感じで見ている蔦谷さんもほんとに素敵だなあと思いました。
この蔦谷さんの「HANG OUT」、新春スペシャルということで、
1月1日は亀田さんんとの対談でした。
2015.01.01 J-WAVE「HANG OUT」
放送のアーカイブ(YouTube)
http://www.j-wave.co.jp/blog/hangout/2015/01/01/
プロデューサーに求められる仕事は昔に比べ変わってきているか?
という蔦谷さんの質問に対し、
亀田さん曰く、昔なかったプロトゥールズが出てきたりして、
いろんなもののスピードがどんどん速くなっている中で、
どれだけ自分が「人として」音楽に関われるかがポイントになってくるんじゃないか、
とおっしゃっていました。
亀田誠治:音楽プロデューサーっていうと、クレバーで(笑)、賢くて合理的で判断が早くてっていう、ま、もちろんそういう側面はあるんだけど、でも合理性だけ求めてると、もうなんか俺、ざるのようにいろんなものを失っちゃうんじゃないかと思うの。
蔦:あー。間違いないですね、それ。合理的なことをやるけど、合理性なんか実は……
亀:ない。
蔦:それと対極のことを実は一番大事にしてますよね。
亀:そう! そうなの。
蔦:そうなんですよ。これなかなか伝わらないんですよね。僕たちこんなに音楽愛してんのに(笑)。
亀:そう。ここに一番僕は時間をかけたい……だって寝てる時間も夢見ながら考えてるし。
蔦:ほんとそうですよ。
亀:俺ちなみに枕元にメモ置いてるけど。
蔦:メモというか、僕はiPhoneに録音してます。(2015.01.01 J-WAVE「HANG OUT」)
確かにプロデューサーの方というのは、
賢くて合理的なイメージがあるし、素人目からすると特に。
でも。
枕元にメモ置いたりiPhone置いたりして。
朝起きたらうめき声とかが残ってて。
…すごい話です。ぐっときました。
エレカシに限らず、だから信頼もされるし、引く手あまたなんでしょうね。
きっとこういうことは表に出さないのだろうし、
同業者同士だからぽろりと出ちゃう話なんでしょうけど。
努力を努力とも思わない、
それよりも音楽を追求する、音楽を愛する情熱が上を行くから、
枕元にメモを置くのもいとわないんだろうなあ。
日々のほほん、と暮らしている私には想像を絶する話でしたが、
それでもやっぱり、
少しだけど自分に引き寄せて、
かえりみちゃうというか、刺激を受ける部分はありました。
輝くために僕らは努力するし、
生きてるってそういうことだと思うんだ。
「宮本語録集」P.379
「生きてるってそういうこと」。
努力、という普段きくとけむたいような言葉が、
宮本さんにかかると、どうしてこうも説得力があるんでしょうか。
エレカシがこのお二人と頻繁に仕事を一緒にするのは、
にじみでる「熱」の部分も大きいんだろうなあ、とちょっと思ったりしました。
蔦谷さんと亀田さんが、同じ曲でクレジットされているのが、
「桜の花、舞い上がる道を」。
作曲が宮本浩次、蔦谷好位置の共作、プロデュース、アレンジが亀田さんです。
ラジオの二人の話のあとこの曲を聴くと、
殊更にぐっときます。
