10月から宮本浩次ソロツアーがはじまり、何度目かの週末が過ぎ、各所でコンサートが絶賛開催中なんですね。私は未だ参加できておらず!
時はもう11月も半ば。
今さらながら先月の「The Covers」を振り返ってみたいと思います。
番組の内容と演奏曲
初回放送日: 2021年10月24日
MC:リリー・フランキー 水原希子
「春なのに」(柏原芳恵カバー)
Pf:小林武史、Dr:玉田豊夢、Str:沖洋子ストリングス、Mani:吉田誠
「First Love」(宇多田ヒカルカバー)弾き語り
「浮世小路のblues」
Pf:小林武史、Dr:玉田豊夢、Ba:キタダマキ、Gt:長田進、Mani:吉田誠
「春なのに」(柏原芳恵カバー)
Coversは、去年の2週連続宮本浩次ナイトから約1年ぶりの登場です。
今回は柏原芳恵の「春なのに」と宇多田ヒカル「First Love」をカバーしました。
「春なのに」カバーが収録されているアルバム「縦横無尽」。
「春なのに」の歌詞について、リリーさんが《むこうで友だち 呼んでますね》という一節を挙げ、小説のようなフレーズで場面が思い浮かぶ、とコメントすると、自分もその部分は好きだと同意する宮本さん。
加えて、宮本さん曰くぐっとくるのは《白い喫茶店》のあたり、自分は好きなのに好いてもらえない温度差が表れていて切ないと。宮本さんいつもの落涙ポーズです。
こういう宮本さんを見ると、歌の世界に対する感度、感受性が細やかで深いなあといつも思わされます。宮本さんの表現の核なんだろうなと思います。
「First Love」(宇多田ヒカルカバー)
水原希子ちゃんやリリーさんが「大人っぽい歌」だと言うのに対し、逆に初々しいと感じたと語る宮本さん。
作った当時宇多田ヒカルはまだ”タバコのflavor”も知らなかったんじゃないか、というのが宮本さんの見立てのようです。「絵空事のようでいて、少女がそれをイメージする」という言い方をしていました。
エレファントカシマシにも「やさしさ」という歌がある。当時免許も持ってないし彼女もいないのに《お前の町まで車をとばして》という詞を書いた、多分実体験はないけれども心の中で体験・イメージはしているから描けるのでは、と宮本さんは思ったそうです。
知らないことを想像して書く。実際の経験と想像して描くのその間には何があるんでしょうか。現実=リアリティ、ということではないんでしょうね。知らないからこそ生み出されるロマンチックってあるんだろうな。
「First Love」の弾き語りが終わり、トークコーナーのリリーさん曰く「渋みがあるのに初々しさがある」。
たしかに。
50代半ばで白シャツで「First Love」のカバーが成立してしまうアーティストが他にいるだろうか。。
「First Love」のカバー収録のアルバム「ROMANCE」。
「浮世小路のblues」
新しいアルバムからはもう1曲「浮世小路のblues」。
エレカシの「奴隷天国」や「真夜中のヒーロー」みたいな曲を、とオファーされた時、それまでポップにならないとといけない!と封印してきたが、今回はそんなブルースロックを形にしていいのだと思った。あとは「花男」や「待つ男」でやっていたような演歌のノリも加えた。「浮世小路のblues」はブルースロックの上に(演歌が)うねうねいくという決定版で自慢の曲。とで語っていました。
レーザービームがギラギラなセットで宮本さんは時に体躯を折り曲げ時にひざまづき、魂を込めて熱唱します。歌終わり漏れ出る「ホウッ」とか、見下げる目線とかめちゃくちゃかっこよかったです。
***
リリーファンとしては、
「春なのに」の歌唱をリリー・フランキーにほめられ、恐縮する宮本、うつむきがちにゆっくりと水を飲む。
(しばしの間)
リリー「(笑)日本酒じゃないですよね、それ?」
2021.10.24 The Covers
ここが大変ツボでした(笑)。
あの間をじーっと待つ、むしろにやにやがとまらないリリーさん。すばらしい。
そして、つっここまれてめっちゃうれしそうに笑う宮本さん、最高でした(笑)。