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エレファントカシマシの新しさ(MUSICA9月号)

MUSICA9月号を読みました。

すでにbridgeも発売されてるんですよね。雑誌チェックだけで忙しいです(←うれしい)。
(また少しネタばれします。すみません)




今回のMUSICA、キーワードとしては、味方中の味方、欲していました、僕ちん元気!、といったところでしょうか。
インタビューの終盤では、僕ちん元気!(笑)という感じじゃなく、淡々と状況の良さを語る先生。
最後に、意気込まなくていいだけの自信を持ててると言っていたも印象的で。意気込まなくていい。こういう心境の変化も、休養で得たもののひとつなんだろうな。

やっぱりMUSICAと言えば、昨年末のインタビューで、
宮本さんの「絶対ソロやる」発言にすごくびっくりして、私もここに四の五の書いた記憶がありますが、
今回、その話に言及してて、おおー、と思いました。
「ソロやらなくてよかった」と宮本さんが話すまでのくだり、かなりぐっとくるものがあって、
宮本さんがメンバーに相談した時の反応について、びっくりしていた鹿野さんと対照的に、
「メンバーは知ってますから」と当然のように淡々と話す先生(そしてすぐ別の話にいく)というのがもう……
事務所の人は反対するけど、メンバーは反対しないという。
内側(エレカシメンバー)には外側にはわからない空気感があって、
周りが思うよりもっと深いところでエレカシはエレカシとして存在してるんだなーと思いました。
去年のMUSICAのソロ発言は、誌面で読んでてもかなりシリアスだったし、
今回のインタビューでも、あれは本気だったと本人も言っていて、
あの時はとにかくそれをやらなければ突破口がないぐらいの厳しい状況だったんだろうなあ、とあらためて思ったけど、
数カ月の充電期間を経て、マーヴィン・ゲイの音楽からもヒントを得て、
ようやく実感を持って4人で、47周年の男4人でやるんだ、というところに行けたんですね。
バンドのリハを再開した時のことについて、バンドの音を欲していた、という宮本さんの言葉を引き出した鹿野さん、やっぱり聴き上手だなあと思いました。
鹿野さんは、聞き流しそうなところでも、ふと話を止めて、「その感情というのは○○なのか、それもと××なのか」という突っ込み方をするんですね。で、そういうところから結構、おおー!というコメントを引き出したりするのが、いつもすごいと思います。

新曲「めんどくせえ(仮)」をYoutubeで公開したこと、宮本さんにとってはかなりの思い入れがあったようでした。
スタッフの皆さんもみんな集まってたとのこと。
新しい4人の1歩がこの曲、この映像に詰まってるんだなあ、とあらためて思ってなんだかじーんとします。
この曲は何かが新しい、歌詞の雰囲気が今までにない感じだなとおぼろげに思ってたんですけど、
今回のインタビューを読んで、いろいろ腑に落ちるものがありました。
曲と詞を同時に書いたんですね。
今までは先に曲を書いてあとで詞を付けるときにカッコよくしようという「色気」があったと。
この「色気」というのがまさに、ファンからすれば大好きなエレカシの曲たちの核にもなっているわけで、
この「色気」という言葉には文脈からしてマイナスの意味もありますが、やっぱり練りに練られた詞の世界は、エレカシの大きな魅力だと思うわけで、
今回はそれをもばっさり捨ててしまおうという……
いやーすごい。ある意味、自分のそういう武器を放棄するというのは、
作家・宮本浩次としては、とんでもないチャレンジという気がしたし、
結果、生み出された「めんどくせえ(仮)」は破格のかっこよさです。すごいです。進化してますね。

去年の5月29日に放送された「ゲストとゲスト」の水道橋博士との対談の中で、「自分の歌には自信がある。でもたまに最近かたくるしいと思う。ファンの人もいるからこんなこと言っちゃうと悪いんだけど」というようなことを言ってて、ふとこのコメントを思い出しました。
「かたくるしい」発言は、確か、この番組以外でも、インタビューで言っていたような気がするんですけど、
そうか、宮本さん、そんなふうに思ってるんだ、と思って、
ここまできても何かしらの課題を持っててすごいなーというか、その課題が曲作りにいつか反映されたらどういう感じになるんだろう、とちょっと楽しみな部分もあったりしたのでした。
もちろん、この話と「めんどくせえ(仮)」が直結しているかというとそうじゃないと思うんですけど、
でも、私の中ではつながったような気がして……表現というのは、「何かが違う」というのの繰り返しなのかな、という気もしました。新しいものを作るために、何かが違う、という細かい、得体のしれない感受性と向き合って、Aとは違うBを試す。Bも違うからCも試す。自慢だった武器も新しい価値のためには容赦なく捨てる。その繰り返し。天才と言うと簡単だけど、でも天才というのは、「何かが違う」ということに気が付けて、この地道な繰り返しがずっとできる人なんじゃないかという気がします。なんだかえらそうですね。すみません。

エレカシはいつも新しいことに挑戦してて、曲そのものであったり、ライブのやり方であったり、PVだったり、何かに常に挑んでいる姿がかっこいいと思うし、好きなところでもあるのですが、
今回の「めんどくせえ(仮)」は、かつてない飛躍の仕方、ぶっ飛んでて、ほんとに大好きです。
タイトルは一体どうなるんでしょう。「(仮)」付きにもはや愛着がわいてしまい、このままでも全然いい気がします。

『風』を聴くなぜか今『風』にはまっています。 ぐるぐる繰り返し聴いています。何度聴いても飽きないです。 今の自分の波長と合うというんでしょう...

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