テレビ・ラジオ・映像関連

歌の歌とダイノジラジオ

先週、テレビ朝日の「ストライクミュージック」という番組を見ていると、ゲストが杉崎美香さんでした。
杉崎さんが曲を選んで、MCの大久保さんと壇蜜さんといろいろ語らうという感じだったんですけど、
その中で1曲、歌う姿に惚れるアーチストとして、奥田民生の「CUSTOM」を選んでいました。



で、杉崎さんが番組で引用していたのが、

伝えたい事が そりゃ僕にだってあるんだ
ただ笑ってるけれど
伝えたい事は 言葉にしたくはないんだ

奥田民生「CUSTOM」

という歌詞でした。
歌うということがテーマの歌で、
民生氏の曲の中ではかなりさらけ出し感の強い歌かなという気がします。
深夜番組だからというのもあるけど、「さすらい」とか「イージュー☆ライダー」とかでなく、この曲を選ぶんだなーいいなーと思って。
で、「CUSTOM」が歌についての歌ということで、いもづる式に、くるりの「ブレーメン」を思い出しました。
これは歌うこと、というより、音楽そのものについて歌われている感じ。音楽へ託される希望というか、個人的にはそういう感じがする曲です。
それから、歌の歌といえば、斉藤和義「歌うたいのバラッド」もありました。いろんな人がカバーしてて、これもいい曲ですね。

エレカシだとどの曲になるんだろうと思って、考えてみたら、
やっぱり最初に思い浮かんだのが「ハナウタ~遠い昔からの物語~」。

こうして365日の音を集めて/「これはオレからの贈り物だよ」っていえたら

エレファントカシマシ「ハナウタ~遠い昔からの物語~」

というサビ。
言い切らずに≪っていえたら≫と後ろにつくニュアンスが好きです。
あと、「遁生」には≪つまらぬときに口ずさむ、/やさしい歌を知らないか?≫という詞が出てきます。
「普通の日々」にも、≪悲しい訳もない俺が 静かにうたってた≫という詞があったり。
他にもあるのかな。
でも、こうして3曲並べてみただけでも、歌にまつわるイメージが少しずつ違っているのが面白いです。
その時期の空気感なのかもしれません。
歌の歌というのは、歌が本業で、主軸となるものだから、
歌そのものをモチーフにすると、自然とそのときの素というものが出るのかもしれないし、嘘もつけないだろうし、
だから名曲が多いんじゃないかなという気もします。

—–
今週のダイノジ大谷さんのラジオでエレカシがかかりました。
今年の夏フェスを振り返るという特集で、今回は相方の大地さんもご出演。
今まで、フェスで他のバンドのステージに上がるというのは嫌いで禁じ手にしていたけど、
今年は、それをたくさんやった。そうしたら、すごく喜んでくれてびっくりした。こういう役目があって、役割を全うすれば喜んでくれるお客さんがいるんだと思った。
フェスという現場があるのなら、おれたちが何かできるなら、あのとき流した涙が本物なら、やってやるよ!と思った。
……という感じでお話しされてました。
「あのとき流した涙が本当なら」というのは、東日本大震災が起きた次の週、
大地さん、ラジオ番組の中で、自分に何ができるんだろうと言って泣いたそうです。当時は自粛ムードで、お笑いも不謹慎だと言われ、悔しいと言って放送中に泣いてしまったと。それを今でも大谷さんは思い出すそうです。
で、大谷さんが、大地さんに向かって、
おれにはいろいろ振り回されていると思うけど、申し訳ないけどおれはこれからもめんどくさいことをたくさんやると思う。死ぬまでやると思う。おれっていう存在、重いけど、迷惑かけると思うけど、よろしくね。なぜなら、やるから。だって待ってるやつがいるから。
……という感じの話のあと、すぐに、「どっちにしよう、曲。エレファントカシマシの『ファイティングマン』か小沢健二の『ラブリー』か」
という話になり、でもすぐに2人の絶妙な呼吸で間髪入れず「ファイティングマン」に決まりました。
コンビ組んで、初めて大地さんが大谷さんの家に行ったとき、
「大地、わかるか、≪黒いバラとりはらい 白い風流しこむ≫おれがやりたいのはこれだぞ」と言いながら、強引に大地さんに聴かせたのがこの曲だそうです。
番組の最後に、戻ってくるからね!ミヤジが戻ってきますよ!と、お2人で盛り上がっていました。
なんで「ラブリー」と2択になるのかは謎でしたが、きっと、思い出の曲なんですかね。
大谷さんと大地さんのトークが熱かったです。2人というより、大谷さんなんですけど、でもそれを大地さんが、うん、うん、そうだね、と聞いている感じがとてもよくて。「よろしくね」と言っている大谷さんを、照れたりはぐらかしたりせずに、ありがとうございます、と言って受け止めていたし。
熱く語る大谷さんを、にこにこ見守ってる感じなんですね。大谷さんが「めんどくさいことこれからもやると思う」と言ったとき、大地さんがぼそっと「そうだろうね」と言ってて、それはちょっと笑ってしまいましたが。大谷さんは熱く語っているので、突っ込んでいる間もないという感じで。
ダイノジの「ロック人生」に宮本さんがゲストで出たとき、大谷さんが、すらすらと≪黒いバラとりはらい 白い風流しこむ≫と言ってたのを思い出しました。
そうか、大地さんとそんなエピソードがあったのか。「ファイティングマン」は、ダイノジの2人にとって忘れられない曲なんだなーと思いました。

https://wabisuke-zakki.com/archives/15323604.html

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