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2000年(エレカシのリリース、ライブなどを振り返る)

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リリース

2000.01.26 23th SINGLE『so many people』(c/w sweet memory)
2000.04.26 11th ALBUM『good morning』
眠れない夜/ゴッドファーザー/good morning/武蔵野/精神暗黒街/情熱の揺れるまなざし/I am happy/生存者は今日も笑う/so many people/Ladies and Gentlemen/コール アンド レスポンス
2000.04.26 24th SINGLE『コール アンド レスポンス』(c/w 武蔵野)
2000.10.12
BEST『sweet memory~エレカシ青春セレクション~』
悲しみの果て/風に吹かれて/今宵の月のように/昔の侍/さらば青春/四月の風/孤独な旅人/真夏の星空は少しブルー/月夜の散歩/遠い浜辺/赤い薔薇/sweet memory/武蔵野

MV

so many people
コール アンド レスポンス
武蔵野
※上記3曲「ビデオクリップ集“クリップス 2” [DVD]」に収録

ライブ

07月01日(土)、02日(日) 日比谷野外大音楽堂 (日比谷野音2DAYS)
08月12日(土) 茨城県国営ひたち海浜公園 (ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2000)
など

ライブ映像

  • soul rescue/so many people
    (08月12日(土) 茨城県国営ひたち海浜公園 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2000:ROCK’N ROLL BAND FES & EVENT LIVE HISTORY 1988-2011)

ライブ音源

  • ガストロンジャー/soul rescue
    (Live at “日本武道館”2000.1.4:SINGLE『コール アンド レスポンス』)
  • 風に吹かれて
    (Live at “日本武道館”2001.1.4:SINGLE『コール アンド レスポンス』)
  • 孤独な太陽
    (Live at “日本武道館”2001.1.4:SINGLE『孤独な太陽』)
  • コール アンド レスポンス
    (Live at “日本武道館”2001.1.4:SINGLE『暑中見舞 -憂鬱な午後-』) 

2000年のトピック

檄文

Ladies and Gentlemen!! Good morning!!
“俺(宮本)は音楽が武器たりえることをはじめて確信した!!”

シングル”ガストロンジャー”売り上げ五万枚。(これが多いのか少ないのか、正直俺にはわからない。)俺はしかし、枚数云々よりも

人々のロックミュージックに対する強い期待と渇望、そして激しい想いをこのシングルによって知ることになった。やや演歌じみるが、

俺にはこういう声が聞こえてきたのだよ。”宮本、待ってたぞ。” “宮本、ドーンと行けや。”と。どうやらロックの原初エネルギーである野性と破綻こそが、我々を救い前進させてくれる武器であることをある人々はとっくの昔から知っていたらしい。
“俺は音楽が武器たりえることをはじめて確信した!”

俺達は良くも悪くも常に音楽界の常識を覆してきた。

Ladies and Gentlemen!

まぁ聴いてくれ俺達の新作 “good morning” やや間の抜けたタイトルの全12曲。しかし、これが最良最高の形で音楽界の常識を逸脱していることを感じとっていただけよう。

俺はこう自賛してこの文章を締めるだろう。 孤高にして普遍的。

過激にして包容力有り。

最新にして懐かしい。

そして、最強のロックスピリッツ。

それが、エレファントカシマシ。
すなわち俺だ。

都内の茶店にて 宮本浩次

エレファントカシマシ アルバム「good morning」発売時のポスターより

これは2000年に発売されたアルバム「good morning」の時の、ポスターや雑誌広告に載っていた宮本さんのコメントで、「檄文」と呼ばれていました。

白バックに髪ボサボサの宮本さんが真ん中に立ち、一面にこの檄文が手書き文字で印刷されているというポスターがあったのですが……エレカシ史上一番かっこいいポスターだったなぁ

この檄文にすべてが詰まっている気がします。「すなわち俺だ」。あー言いきっちゃった……と当時は思ったなぁ
しかし「good morning」は本当に自信作だったんですね。

ハイテンション期

自信作のアルバムもリリースされ、それに伴うプロモーションのため大量露出、雑誌連載、ドラマ出演……と音楽以外の活動も含め目まぐるしい時期でした。
TBSドラマ「フレンズ」には宮本さんが本城直哉役でドラマ初出演。
その番宣で「王様のブランチ」にも出演。
雑誌連載が多い時期で、愛車のポルシェの水没、国勢調査の職業欄に「ロック歌手」と書く、コルビュジェのソファ購入などなど……ファンはエピソードを追うだけで本当に忙しかった。

超激烈ROCK TOUR

3月30日の渋谷クアトロから、6月21日の沖縄まで3か月、30弱のライブハウスをまわる長いツアーが敢行されました。
当時で一番公演数が多く長いツアーだったと思います。

「sweet memory~エレカシ青春セレクション~」

10月にはベスト盤「sweet memory~エレカシ青春セレクション~」をリリース。
この2000年という年が面白いのは、アルバム「good morning」の半年後にこのベスト盤を出していることですね。振り幅の広いエレカシですが、その両極端なアルバムを同じ年に出しているのです。
初収録音源(「石橋たたいて八十年」「始まりはいつも」。初回盤限定のみに収録)欲しさに買ったんですけど、大人の事情なんだろうなあ、というのはなんとなく感じていました。
でも、このベスト盤、「さらば青春」「真夏の星空は少しブルー」「武蔵野」「月夜の散歩」が一枚にまとまってて、改めて聴くとすごくいい盤だと思います。

10月にはベスト盤「sweet memory~エレカシ青春セレクション~」をリリース。

丹修一の映像

私はエレカシのPVで一番好きなのが「コールアンドレスポンス」なのですが、監督したのは丹修一氏。「風と共に」の映像も同じ監督さんです。
「so many people」も丹さん。
「コールアンドレスポンス」も「so many people」も本当にすばらしくて、 特に「コールアンドレスポンス」は何度見ても見入ってしまいます。
最後に白ミヤジvs黒ミヤジのシーンがあって、すごくかっこいいです。映画の一シーンみたいです。

侘助的回想

とにかく話題満載の2000年。
そういえばFRIDAYに載ったのもこの年でした。朝、ワイドショーにいきなり出てきて……まさかエレカシが芸能ゴシップで騒がれる日がくるとは……という不思議な感慨もあったけど、とにかく驚きました。

2010年のJAPANは「宮本浩次、男の3万字インタビュー」(24歳から44歳を振り返る内容)で、宮本さんと山崎さんが当時を振り返り

--俺はこの時に宮本君の部屋に行って、車の免許も取って車も見せてもらった時に、「この男はちょっと狂ったかな」と思ったよ(笑)。
宮本「(笑)。違うんだって。ちょうど『プレイボ-イ』と『anan』と、2誌も連載を持ってたんですよ。信じられる? すごいでしょ? あとブリッジ!」
--ははははは。そうだね。
「3誌ですよ! ドラマも出てたんだから! 『good morning』のレコード作りながら、TBSのドラマ出て。で、連載3本。(笑)何がなんだかわかんないよね」

ROCKIN’ ON JAPAN 2010年12月号

私は、この頃はご当人につられてのハイテンション期で、ある意味一番熱心(=ミーハー)な時期だったかもしれません。
サーモグラフィってありますね、体温の分布を色で示す。
私はムラの多い性格なので、エレカシ熱もけっこうその時期で変わったりするのですが、この頃はサーモグラフィでいうと、まっかっかの時期でした(笑)
なので、山崎さんが「狂ったかな」というのは、今ではあながち大げさでもない言い方なんだろうなぁ、という気はするんですけど、当時私は、一緒になって盛り上がっているので、あんまりよくわからなかったです。車にすごい乗ってるな! とは思っていましたが……

鮮明に覚えているのは、新宿リキッドルーム。超激烈ROCK TOURの東京公演。
宮本さんのご機嫌が悪くなり、荒れました。「お通夜みたい」とMCで吐き捨てるように言って、客席がシーンとなってしまった。

やっぱり風土なんだろうか? 土地ごとにライヴの雰囲気が違う。
例えば東京。昔からのファンも多く、クールな反応。

(宮本浩次「明日に向かって歩け!」P.32)
私はこの文章を……当時週刊プレイボーイに連載されていたのを読んで、落ち込んだというか……落ち込むのともまた微妙に違った感情なんですけど……自分は普段通りにノっていたつもりではあったががんばりが足りなかったのか、がんばるというのとも違うか、はぁどうにかならんかったかなあ………などといろいろ考えたり 。

 

宮本浩次「だってなんか言ってさぁ、なんかなんにも言ってくれない人って寂しいですよ。打てば響くじゃないけどさ。だけどそれだけのものをドーンと勝負して真正面から行ってれば何かしらのものは戻ってくるっていうところはあるわけで。きっとね」

JAPAN COUNTDOWNインタビュー 2000年 AL「good morning」発売の頃

これはツアー前か始まった早々の頃の発言だと思うのですが……
ツアーにかける自信満々のレコ発ツアーだというのに、客が反応しなくて、その感情をまんまぶつけたんだろうなあ……とこれを読むと今さらながら思います。
客に対してだけじゃない。自分にもバンドにも、もしかしたら何かもどかしいものがあったのかもしれない。でも、本当に勝負してたんだと思う。
それは、当時の感触よりも、今振り返った方が、よりそう思えます。
この頃に限らずいつだって全力で勝負していると思うけど、何にもとらわれず表現に徹した渾身の「good morning」に賭けた気概というものは、相当なものだったのだと改めて思うのです。音楽を通してのコミュニケーションを心の底から望んでいたのだと思う。これで否定されたらもう終わりだ、というくらいの。

でも、この切ないすれ違いの一夜も、今のエレカシに至るかけがえのない道程なんだろうなぁ………と時間が経った今は、ようやくそう思えます
今のコンサートツアーは……私は入り込んでしまっているから客観的にはなれないけれど(笑)、でもふと俯瞰してみると、まさに心の底からの「コールアンドレスポンス」が交わされていて、本当にそれは涙腺がゆるむほどにぐっとくる瞬間なのです。
それはきっと宮本さんが、ずっとずっと(お通夜みたいと毒づきながらも)脳裏に夢のように描いてきた理想のステージなのだろうという気がします。

このDVDには2000年のROCK IN JAPANの「soul rescue」と「so many people」が入っていて、尋常じゃないかっこよさです。フェスですが、当時の空気感が良く出てると思います。

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POSTED COMMENT

  1. まるみや より:

    侘助さん、こんばんは!
    いやー、檄文のポスター・・あのミヤジ最高ですよね!
    今だに入手できないかと思う一品です。
    初めて買ったDVD、実はfesのやつでして。即日ライブへ行かなくちゃと思った
    記念すべきDVDです。見所満載ですよね!
    「ずっとずっと脳裏に夢のように描いてきた理想のステージ」の一文で泣けてきました。
    そして今日のあさイチも帰宅後すぐ見ましたが、今日もまた新たな扉が開かれ、
    確実にお茶の間に届いたと確信しました。これもまた永久保存版ですね。
    なんでこんなに幸せなのかと不思議なくらいです。
    まだまだ続くフェスやツアー、ひとつでも多く目撃したい欲にかられています!

  2. 侘助 より:

    まるみやさん、こんにちはー(返信おそくなってごめんなさい)
    そうなんです、あの檄文ポスター、めっちゃかっこいいんです。
    当時グッズになってたと思うんですけど、なぜかその時には買っておらず。今になってすごくほしい…
    当時CD屋さんにはグッズよりも大きめのが貼ってあって、じーっと眺めながら欲しいなーとぶつぶつ言ってました。(←グッズ買えよ)
    たしか、渋谷タワレコのビルの上にもこの檄文ポスターがでかでかと貼ってあって、あれもよく眺めました。
    fesのDVDが初DVDでしたか!
    あのDVDいいですよね。私も大好き。
    ロッキン、CDJのDISCは、エレカシの歴史を見せられるようでぐっとくるし、
    もう一つのは、いろーんな映像がてんこもりで見応えたっぷりですもんね。(いろんな時代のエレカシが見れる♪)
    あさイチも見ました! よかったですね~
    「風に吹かれて」と「風と共に」をやるなんてもうすばらしすぎますね
    またお茶の間にどーんと届きましたね!
    ツアーの中休みですが、毎週のようにフェス登場で盛り上がっててうれしい限りです~

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