シャッフルで聴いていても、
アルバムを曲順通りに繰り返し聴いていたときの感覚が刷り込まれているのか、
ある曲が終わったら、「次はあの曲だ」と自然と期待しちゃったりすることがあります。
けっこう曲と曲のつながりで覚えてるものなんですね。
『昇れる太陽』だと、“新しい季節へキミと”からの“絆”であったりとか。
あとは『エレファントカシマシ5』の“シャララ”のあとの”無事なる男”。
”無事なる男”が、”シャララ”のあとにはどうしても聴きたくなるのです。
“シャララ”が
ただただ かけぬけにゃならぬ。
エレファントカシマシ “シャララ” 詞/宮本浩次
と、
アウトロなしで鋭く歌で終わったあと、
一転して陽気な、♪ててーっれ、ててーっれ、というあのギターの単音リフを聴きたくなる。
”シャララ”の緊迫ムードが一気にほぐれるような、対照的な流れなんです。
曲を聴いてるとき、自分の中でイントロクイズをして(ついやってしまう)、
ぱっとタイトルが思い浮かぶ場合と、
思い出せないんだけど、歌のフレーズがどーんと頭の中に出てくる場合があって、
“無事なる男”は、その後者で、
私は≪奥さんにプレゼント≫がこの曲の看板のように頭に浮かびます。
♪ててーっれ、ててーっれのイントロが始まると、≪奥さんにプレゼント≫の曲だ! と
妙にうれしくなったりします。
毎日せっせと仕事に出かけ、休日には家族とくつろぐ「男」(照れながら奥さんにプレゼントを渡す人)と、
その男の「こんなもんじゃねえだろ」という口ぐせを聞く「俺」。
登場人物は二人の男のようにも、一人語りのようにも聞こえる、
面白い構成の詞です。
“無事なる男”は、曲自体は明るく楽しげですが、
この世は闇の始め
エレファントカシマシ「無事なる男」詞/宮本浩次
と繰り返し歌われてて、
詞の世界はいかんともしがたい、袋小路な感じもして、
決して≪奥さんにプレゼント≫の曲だ! とニコニコするような曲じゃないんですね、実は。
なんか聴き方間違ってる気がしますが、ま、いっか。
「風に吹かれて~エレファントカシマシの軌跡~」の
『エレファントカシマシ5』の頃のインタビューというのが、
これがなかなかの内容というか、
今これが雑誌で出されたら、今月号のMUSICAどころの騒ぎでない物議をかもしそうなコメント満載で、
でも、今さかのぼって読む分には大変たのしめます(笑)。
「もう機械やめ! 牛!」の名言が生まれたのも、この『5』のインタビューだったんですね。
山崎さんは“無事なる男”がお気に入りのようで、とにかく曲に感心したとほめてます。