
トークショーでのコメント(概要)
急きょ、こういうトークショーがやりたいなと思って。急なのにこんなに集まってもらってありがとうございます。
製作会社がいくつも変わった。
作り手の映画に対する熱量がすごすぎて、あちこちでケンカが起こった(笑)。みなそれぞれに「宮本像」があり、それでケンカになる。監督と池松君もよくぶつかっていた。
監督はもともと海外留学が決まっていて、その出発の前日に奇跡的に映画が完成した。
佐藤P曰く、靖子役に別の女優が候補に挙がることがあったが、池松さんが断固として靖子役は蒼井さんしかいないと主張した。
脚本、原作を読み、靖子役をやることになった時の感想。「なかなか面倒くさい役だ(笑)」しかし、真利子監督だし、池松くんだし・・・ということで受けることにしたそう。
靖子が、例の事件後、うわべだけにしろ一時、裕二にいってしまう、心が揺らいでしまうのは、信頼できると思った(人物造形が信頼できるというニュアンス)。
アカデミー賞で、最優秀エンディング賞があったら、絶対「宮本から君へ」だと思う。宮本浩次さんの「Do you remember?」。最高ですよね。
この時は、池松くんがOKしたので、踊ることになった。池松くんは結構ノリノリで踊ってた。かけていた音楽はパルプフィクションとか。
進まなきゃいけないんだけど、心がついていかない時かある。体に気持ちが追いつかないような。ようやく心が付いてきた時のこととか、大事にしたいと思う。
「俺の人生、バラ色だから」とかのセリフも大好き。
プロポーズのシーンは素で泣いた。受けのシーンは珍しかったから、池松くんに、もう一回やって、とお願いしたりした。
「ジョーカー」と比べて感想を言われることがある。「ジョーカー」と「宮本から君へ」が同じ時期に公開されていることが面白い。血みどろの宮本がジョーカーに見えたりした。
映画終了後、会場の拍手の中、キャメル色のコットンの、ギャザーたっぷりのロングワンピースで蒼井優さん登壇。
その姿がほんとにすてきでした。いい加減な言葉じゃなく、自分の言葉でちゃんと伝えたい、というのがひしひしと感じられて。
映画の感想
みんな悲壮でテンパってるんだけど、切羽詰まれば詰まるほどおかしみがにじみ出てくるという。
すばらしい。
終盤に近い雪のシーン。あの靖子の白い帽子とぐるぐるまきのマフラー、ブーツ。思い出すだけで泣いちゃう。
私がエレカシ好き宮本好きというひいき目はあるにしろ・・・
なんせ、ラストの池松壮亮が最高なんです。なんとも言えない表情がじーっとアップになって・・・そこに《ご覧、ガードレールにうずくまる・・・》と歌が入る。しびれたー
海辺のダンスとか、佐内さんの写真も、その編集もすごくすてきだった。
柴犬のハナコ
序盤、宮本の実家のシーンで、「ハナコちゃ~ん」と蒼井さんに呼ばれたりしています。
はー。今更ながらすごいことだなーと思ってしまった。
今思えば、かなり失礼な心配をしていたワタシですが(笑)
「Do you remember?」、とんでもない名曲です!
