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2018.03.18 さいたまスーパーアリーナ ド・ド・ドーンと集結!!~夢の競演~(ミスチル・スピッツ・エレカシ)(ライブレポ)

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お正月にこのイベントのことが告知された時
いやはや大変なことになった、すごいすごい と口ぱくぱくさせて驚いてしまったのですが

孤高のバンド、エレカシ

なぜその時そんなにびっくりしたかもう少し考えてみると
エレカシのドキュメンタリーで
独自の進化を遂げた世界レベルの「帰宅部」とコメントしていたのはブラフマンのトシロウで
そう言わしめるぐらい もともとエレカシというバンドは他との交流がほとんどなく
例えばアルバム制作に大々的にゲストミュージシャンを入れたのもデビューからだいぶ経った頃
それ以降も、誰かと一緒に何かをやる、というのはとてもめずらしくて

少しずつ増えていったコラボ

そのあたりが変わり始めるのはユニバーサルに移籍をしてから
フジテレビの番組「MUSIC FAIR」や「僕らの音楽」では誰かとコラボすることも多くなり
一番驚いたのは 2010年のCharaとの共演で(Japan Jam)

以降、チャボや泉谷しげる、ブラフマン、バックホーン、斉藤和義…… いろんな方たちとイベントで共演することに
2009年にエレカシは「太陽と月の下の往来」というタイトルで大阪城野音でイベントを主催していますが
この時は、出演者で一緒に何かをやるとかはまったくなく

ライブハウスで対バンというと EMIの頃には対バンツアーをやったり
2014年にはクロマニヨンズ 2015年にはミスチルのツアーに呼ばれたり
……という感じで、エレカシが他のアーティストと何かやるというのは ハラハラしながら今までずっと見てきたのですが(もちろん全てを目撃してるわけじゃないですが)
やっぱり今回は特殊というか特別というか
対バン相手が相手だけにちょっと違った感慨がありました

Spitz

スピッツは、MCはあっさりめで、とにかく次々曲をやるという感じ
1曲の長さも違うのかもしれないけれど
ミスチル8曲に対して、スピッツ13曲という曲数の違いからもうかがい知れます
3曲くらいやってからMCを少し
「28年前くらいからのファンです。前は正座して聴いていたけど、今は立って聴いてます」
と言ってすぐに次の曲へ
「正座して聴いていた」というのも、自分でもちょっとネタにしてるみたいな感じで なんというか、エレカシのことを好きだ!
と全開にして言うのがちょっと恥ずかしいみたいな
しかしそれがまた奥ゆかしくいい感じで
年齢のせいか、イベントでも遅い時間にやることが多くなり
トップバッターでやるのは久々だったそうです
ミスチルとエレカシと一緒にやるのは、アマチュアの頃ライブハウスでやっていた頃を思い出して緊張する
とも草野さん言っていました
急にベースの人がしゃべりだして「楽屋に和菓子が多い。めずらしい」と
エレカシファンはこういう時驚きます
ボーカル以外のメンバーがフランクにしゃべったりするとハッ!とするという
そうそう、ベースの人がすごい動き回っていたのも衝撃でした エレカシ宮本レベルのシールドぴーん!状態が何度もあったし
それぞれのバンドの風景があってほんとにおもしろい
「チェリー」と「愛のことば」が好きなのですごくうれしかったのと
今回のイベントが決まって、ベスト盤で予習した時に「涙がキラリ☆」にハマってしまい
(たぶん宮本さんがいい曲だと言っていたのもあるけど)
《心と心をつないでるかすかな光》とかめっちゃいい歌詞だなあとか
七夕の歌なんだなあとか
イントロのギターのギュインとチョーキングするとこ泣けるなあとか
いまさらながらぐっときてたので、
「涙がキラリ☆」が始まったときには、ひゃあぁぁぁ~となってしまいました
スピッツがカバーしたエレカシの歌は「浮雲男」
これ裏でミヤジ聴いてるんだろうか、聴いてたら間違いなく泣いてるんじゃなかろうか
と思いました
「ファイティングマン」「珍奇男」「奴隷天国」「待つ男」「ガストロンジャー」「RAINBOW」と並んで
宮本さんの創作の中でターニングポイントになった曲(気持ちの上で記念碑的な曲)だという「浮雲男」
私はこの曲について本当の良さに気づいたのは随分おそくて
というかいまだにその良さを芯からわかっているかというと自信はないけど
昔だったら、タバコの曲だねえという感想しか持たなかった
草野さん、カバーするならこの曲だと、あっさり決めた一曲なのか
それとも迷いに迷って決めた一曲なのか
真っ青な空の中で煙が雲になる映像がありありと浮かびました
マサムネバージョンは、手触りはやわらかく飄々とした感じ
しかしその分曲のかなしみやおかしみが、あのあたたかい声で増幅されて
いやー心の底からすばらしいカバーでした
「春の歌」
「恋する凡人」
「8823」
「初恋クレイジー」
「チェリー」
「愛のことば」
「スターゲイザー」
「浮雲男」
「みなと」
「涙がキラリ☆」
「さわって・変わって」
「スパイダー」
「トンガリ’95」

Mr. Children

エレカシについてのMCは、スピッツと違ってたっぷり尺をとっていた桜井さん
大きなハコの場数を踏んでるモンスターバンド、さすが盛り上げ上手です

こういう豪華なイベントも「最初で最後かも」と言った桜井さんに
会場から「えーーーーー(もっとやってー)」との歓声がステージに飛び
「そりゃ宮本さんが呼んでくれたら考えますけど」と返したり

「今年に入ってからのモチベーションはほぼこの日だった」と言って客席を沸かせていて
私もわーっとなりながらも、サービストークかな~なんて思ってたけど
見終わったあとは、本当にそうだったのかも、と思わされるようなすごいステージでした

88年のCBSソニーオーディション(86年にあのエレファントカシマシを輩出した!)を受けたんだけど落ちてしまった
落ちた理由は何かと訊いたところ、個性が足りないといわれ
ふと2年前に受賞したあの地味な(笑)バンドのことを思い出し
明治大学の学園祭に偵察に行ってみた
髪の毛は立ってなかったけど、衣装も地味だったけど、熱くてすごいかっこよかった
・・・というエレカシエピソードをひとしきり話したあと
そんなエレカシさんの曲をやりたいと思います、と桜井さん
エレカシがやったらいけない(かぶったらいけない)と思って、事前にマネージャーさんにきいたら、本人たちも随分やってないような地味な曲を……
と言われたそうです(笑)

「随分やってない」とか「地味」のキーワードに
「なになになに!なにをやるの~」とエレカシファンの期待が高まったところに
あの激渋なベースラインが
2ndに収録の名曲「太陽ギラギラ」
エコーを多用したアレンジで、ミスチルがやるとこんなに壮大になるのだと思いつつ
でもコアなところはちゃんと押さえててすごいかっこよかった
今現在の桜井和寿が「太陽ギラギラ」をやるという
そのこと自体にぐっとくるものがあります

その次にやった曲がとても好きな感じで
「and I love you」という曲名だとあとで知りました
CMソングだったんですねぇ
歌詞も調べてみたけどすごいいい詞で

「調子に乗って歌わせてもらいます」と言って
《何をしても どこに行っても 体が重たくて》
と1フレーズ歌ってから「名もなき詩」に
それが「やさしさ」だということにちょっと気づきませんでした
声と歌い方が違うと全然ちがうものになるんだなあと(当たり前ですが)

「Everything (It’s you)」
「HANABI」
「innocent world」
「太陽ギラギラ」
「and I love you」
「here comes my love」
「himawari」
「名もなき詩」

エレファントカシマシ

スピッツやミスチルみたいに登場時にSEもなく(いつも通り)
出てきたメンバーのみなさん
宮本さんうつむいて「よろしくお願いします」とぼそっと一言だけ
主催した側なのに結構そっけない(笑)

そんな不愛想からの「RAINBOW」
いきなりフルスロットルで圧倒される観客

続く「奴隷天国」の《あくびして死ね!》で客席がざわつくのを私は見ました(笑)
私の周りは、ミスチル、スピッツファン(エレカシもちょっと気になる)みたいな感じの方が多かったような気がするんですけど
そんな人々にもおおむね好評だったのではないかと
私の隣は一人で来たらしい30代くらいの男性(たぶんミスチルとスピッツが好き)は
《あくびして死ね!》がツボにはまったらしく、口角を上げ嬉しそうにされていました

両バンドとも男気のあるステージを見せてくれたと
宮本さんとても感激したらしく
「いいでしょ、たまには喜んでも」と本当に嬉しそうでした

僕が好きなのを知ってて「涙がキラリ☆」をやってくれたんだろう、なんて言ってたし
「太陽ギラギラ」は大学の授業中に歌詞書いたことを思い出したとか

スピッツやミスチルがエレカシの曲をカバーするのを、裏で聴いて感極まったようで
ミヤジがよくやる、落涙のポーズ(指でUの字作って頰をなぞる)が何度も登場

しかし
そうやって仲間のバンドがお祝いしてくれているというのに
「集まりの趣旨がわからない」とのたまう総合司会(笑)

歌ってるときもおならぶーを何度もやってたし(なぜか前日のワンマンよりも頻出)

照れくさいんでしょうか
くすぐったいんでしょうか

「0歳から30歳まで」云々というMC
ジョークのつもりで言っているのに、伝わらず観客がみな真顔で聞いてるのを
石くんのせいにする宮本浩次(笑)
「スフィンクスじゃないんだから」などとブツブツ
スフィンクス? ポカーンとする私たち客席2万人は置き去りに
しかし石くんは下を向いて「うぐぐ…」と笑いを噛み殺していました
さすが相棒(笑)

最後は「シングルにしたかった曲」と言って「FLYER」
ワンマンだと、後半の盛り上がりの1曲になることはあっても
ラストには持ってこない曲
今日はこの曲で締める
《いつの日にか落ち合おう》と歌う
しぶい
照れてもはぐらかしても
最後はきちっと締めました

「RAINBOW」
「奴隷天国」
「悲しみの果て」
「星の砂」
「風に吹かれて」
「笑顔の未来へ」
「桜の花、舞い上がる道を」
「風と共に」
「ガストロンジャー」
「今宵の月のように」
「Easy Go」
「FLYER」

アンコール「ファイティングマン」(3バンド総出)

エレカシが終わってから
おびただしい数のスタッフがセッティングを開始
なんと、ドラムやアンプが追加で搬入されていて
何かやってくれるんだ~とわくわくしながら待っていると
再び登場してくるメンバーのみなさん

宮本さんがスピッツ、ミスチルを呼び込み
「ファイティングマン」をみんなでやるという
歌は草野、桜井、宮本の三人で
演奏はエレカシに加えてスピッツが
ミスチルのみなさんはタンバリンを手に踊りを(!)

何かしゃべらないと……何か言って場を盛り上げないと……
と思ったのかどうか
つつつ、と桜井さんに近づき
「僕の歌どうでしたか?」とマイクを向ける総合司会
2万人を笑いの渦に放り込む
「最高です!」と満面の笑顔で即答する桜井さん
「言わせちゃった!」と若干はにかむ総合司会
おもしろいにもほどがあるんですけど

後になって考えると
「僕の歌の”太陽ギラギラ”は歌ってみてどうでしたか?」とも取れるけど
結果、よく練られたネタのようでした
音楽だけでなく笑いの女神も微笑みがちな最近のエレカシ

「ファイティングマン」
ツインドラムのファイティングマン!
かっこよかったな~トミも楽しかっただろうなあ~
なにより
三人の稀代のボーカリストの並びがハンパなかったです
まさに夢のような
桜井さん、草野さんがソロで入った時のミヤジの恐縮加減がすごくて
ゲストが歌い終わると、気を付け!みたいな背を正した姿勢で
そのまま敬礼!しそうな勢いのかしこまり方

草野、桜井の両氏も同じく
それぞれ、歌ってるときは王様なんだけど、
他が歌ってるときのひかえめな感じ
あれは一体
同世代の近しい関係のバンド同士であれば
もっとくだけた慣れた感じになるんだろうけど
そのへんは三者の今までの距離感そのものなのかもしれません
近すぎず
ある距離感を保ちつつ
その姿を目の端に感じながら
互いに刺激を受けながら
同じ時代を生きてきた3つのバンド

恐縮し合うステージ
今まで見たことない感じのコラボでした
愛だなあ(笑)

作風は別として
恥じらい?含羞?の感性がより近いのは
エレカシとスピッツなのかな
ひいては、笑いのツボも近いのかも
その恥じらいの隠し方が、スピッツはわびさび、味わいになるのに対し
エレカシの大将は
アグレッシブというか、謎の攻撃性が出てしまうところが違うんですね

もろもろ楽しいイベントでした!

—–
WOWOWで5月に放送されるそうですが、エレカシパートだけらしい残念

ナタリー/「最高に幸せです!」エレカシ×ミスチル×スピッツ、たまアリで夢の競演果たした一夜
https://natalie.mu/music/news/274670
ローチケ/【ライブレポ】エレファントカシマシ×スピッツ×Mr.Children さいたまスーパーアリーナで夢の競演http://www.hmv.co.jp/newsdetail/article/1712291004/
ORICON/エレカシ×スピッツ×ミスチルが夢の競演 宮本「感激しちゃった」
https://www.oricon.co.jp/news/2108037/full/

2017.03.20 エレカシ 大阪城ホール「さらにドーンと行くぜ!」(ライブレポ)日は経ってしまったのですが、大阪城ホールのことを少し書き留めておこうと思います。 2017.03.20 エレカシ 大阪城ホール セット...

 

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