テレビ・ラジオ・映像関連

the Covers 2018.05.25(さよならの向こう側、いとしのエリ―)

(新譜「Wake Up」祭りの真っ只中ですが、私もいまぐるぐる聴いておりますが、今さらながら振り返りCovers記事にて失礼いたします)
昨年の3月に番組としては三度目の登場で
「赤いスイートピー」「喝采」のカバーを披露し
最後に司会のリリー・フランキーに「頻繁にいらしてください」と言われたエレカシが
その通り間をあけず
また新たなカバー曲をひっさげてリリーさんの前に現れました

◆さよならの向こう側(山口百恵)カバー by エレファントカシマシ

トミも「テンポが難しい」と言っていたように
たしかにこういうミドルテンポのしっとりした、緩急がありドラマチックに展開する曲というのは
エレカシには今までありそうでなかったのかもしれません
この曲はハンドマイクで
宮本さんが度胆を抜かれたという歌詞《あなたの呼びかけ あなたの喝采》のところで
ガッとギアが入る
胸に手を当て、目を見開き、ある時はかたくつぶり、
情感あふれ不随意に上がる左足
体躯を畳み、入れ込み過ぎて
バストショットで固定した画面からその姿が消えるほど

後ろ姿 みないでください

後ろ姿 みないでゆきます

山口百恵「さよならの向こう側」詞/阿木燿子

こういう詞もあらためて聴くとすごくよくて
ばぁっと景色が広がるというか
いい歌というのは視覚に訴えるなあとしみじみと感動したのでした

リリー・フランキー「『さよならの向こう側』を聴かせていただいて”エレカシ”を感じたというか。別れとか悲しみが、エレカシのサウンドには勇壮なものを感じるんです」

◆いとしのエリー(サザンオールスターズ)カバー by エレファントカシマシ

去年のフェス(オハラブレイク)で弾き語りで歌った「いとしのエリー」を
この番組でバンドであらためてカバー
宮本さん曰く「非常にお若い時の歌だが、視点が大人なんです」と
エレカシの演奏を聴いたリリーさんが「またサザンと違った風合い」と言っていたけど
そうなんですよ
本家とは本当に肌触りが違う
淫靡で艶っぽいオリジナル
エレカシバージョンはもっと乾いた硬質な感じ
それなのにぐっときちゃうという
名曲は懐が深い
オハラブレイクでの「いとしのエリー」に思いをはせ
歌詞も飛んで相当なグダグダだったのにもかかわらず
不思議な感動があったものだなあと思い返しておりました

◆悲しみの果て by manaka (Little Green Monster)

Little Green Monsterのmanakaによる「悲しみの果て」の前
一番泣きのツボと笑いのツボを押されてしまったトークコーナー
manakaがどんな状況でこの曲に救われたかを切々と語るシーンが感動的で

しかもエピソードのまとめ方がミヤジの15倍くらい上手い(笑)

そしてその話を感極まりながら聞いてる宮本さんは
挙句「かみしめ方がすごいです」とリリーさんに言われつつ
(なんかしゃべって)となぜか石くんに無茶ぶり(笑)
「悲しみの果て」にまつわる9mm菅原の話にじっと耳を傾けながら
ミヤジは眉間にしわを寄せ、なぜかジャケットのボタンを留めようとしたり(結果留めない)
かがみこんで額に指をあてたり
(やばい。ほめられ過ぎて困り切っている……どうするミヤジ)と
全国のエレカシファンはどんなにソワソワしたことでしょう
すると、辛抱たまらんといった池田エライザが「宮本さんがゆっくりゆっくり動くから気になっちゃって(笑)」と吹き出す
で、このあと「『減点パパ』思い出して」と宮本さん
減点パパ、そのココロは!! 2回くらい言ってましたが。よくわからないけど笑ってしまいました
manakaはエレカシのCoversを見て、原曲キーでカバーしているのを知り、
この「悲しみの果て」も原曲キーで歌ったそうです
manakaの「悲しみの果て」はすごかった!
あのきっぷのよさというか男前さというか
宮本さんも言ってたけど、最後のフェイクのところがすばらしい
生田斗真が堂本兄弟で歌ったときも思ったけど、
この曲はただ歌が上手いだけじゃ歌えない
ただ音程をなぞって歌うには難しすぎる歌だと思う
manakaは「あんなこともあったこんなこともあった」と思いながら歌ったと言っていたけど
本当にこの曲を大好きで、何百回も聴いてきた人の歌だなあと思いました

◆風に吹かれて by 菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)

リリーさんに「エレカシというバンドについてどう思うか」ときかれた菅原さん、

菅原「すごく日本のバンドだと思う。僕が周りが田んぼだらけの風景で聴いてた『風に吹かれて』も中央線で聴いてる『風に吹かれて』も同じように……
土地みたいな、日本ていう地形とか地理そのもので感じる、影響されてるものが、メロディの中にあるような気がしてそれをロックバンドが鳴らすのがすごく画期的なことだったんじゃないかなと」
リリー「音から地形を感じるっていうのは宮本さんが古地図を集めてた影響ですかね」
the Covers 2018.05.25

ここで「一同(笑)」になってたんですけど
このムードに一切飲まれず、一人菅原氏の言葉を静かにかみしめていた宮本浩次

宮本「……(うなずきながら)面白いもんですね。ありがとう。ほんとに」
the Covers 2018.05.25

菅原卓郎の言葉に、宮本さんはかなりぐっときてて(manakaのコメントを聞く姿はもう照れて仕方ないという感じだったけど、この時はぴりっと、侍のような、姿勢を正して聞いてる感じだった)、どう「面白い」と思ったのかはわからないけれど、何か琴線に触れたのでしょうねぇ

菅原版「風に吹かれて」、よかったなー

声色がすごくきめ細やかで
乾きと湿り気を同時に持つ歌声というか

ミヤジも「透明感があるのにちゃんとロックの歌になってる。しかもさわやか。でもかっこいい」と大絶賛

トミの感想が「たくさん歌ってくれたんだなあ、っていうふうに思ってうれしかったです」と
短かったけど、もうなんだか、すごくぐっとくるコメントで
「たくさん歌ってくれた」というその一言がものすごくもう

◆Easy Go

そして最後は「Easy Go」をテレビ初披露
テンポがヨタったり、ミヤジ、ギターを置いたりまたかついだり
老年期の青春を迎えたおじさんたちのパンクはそのへんの若者のそれより生々しい

リリー「すばらしいですね、この曲。デビュー30周年の初期衝動がこんなにみずみずしく。31年目の初期衝動を目の当たりにした感じでしたね。今日トリビュートできていただいたみなさんの歌もすばらしかったです。でもあのまま終わってしまったら仏壇に供えられたままになるところを、最後の曲でブチ壊してくれましたね(笑) ”さあついてこい”ってまだ言ってる感じが」
宮本「(まばたきを短くパチパチと)…………………………………(長い間)疲れてんのんかな?俺ちょっと…感動しちゃってすいません! ありがとう。ほんとに(おじぎ)」
the Covers 2018.05.25

エレカシはもちろんすばらしかったけど
リリーさんの司会ぶりもやっぱり最高だったな
リリーさんも「こっち側」の人なんだなーという気がしますねぇ
漠然とした言い方ですみません
エレカシが「仏壇に供えられたまま」なのを一番嫌がる、恥ずかしがる、というのをさりげなく、当然のように理解して
最後のコメントで締めくくるという
最後の宮本さんの「ありがとう」は心の底から漏れた言葉だったというか、本当にうれしかったんだろうなーという気がします

 

The Covers 2017.03.06(赤いスイートピー、喝采)リアルタイムで、握りこぶしをぎゅうとしながら見て(エレカシのテレビはいつも緊張)、見終わって、しばし呆然となり、なんだなんだなんだったん...

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA