The Covers Fes. 2016.10.30

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「The Covers Fes.」、見ました。
久しぶりにテレビでエレカシ待機。
まだかまだかとそわそわして、またそれが楽しい日曜の夜。

「まつり」から始まり、ブラフマンx宮本浩次の「明日なき世界」まで名曲に次ぐ名曲、
最後はみんなで剣さんの「イーネ!」で締めるという、
あれやこれやてんこ盛りの1時間半でした。

剣さん、好きです。「まつり」も最高だったし、
「欧陽菲菲」がもう頭から離れない……(いつの間にあんな曲を作っていたのか)

ブラフマンは「満月の夕」をカバー。
ほんとにいい曲。これからも歌い継がれていく曲なのでしょう。
ようこちゃんの合いの手も最高だったな。

番組が始まってずいぶん経ってからエレカシの登場。
トークコーナーに呼び込まれます。

秦さんはエレカシを前にして、
「エレカシさんのコピーバンドをやってました。今、背中を見て震えてます。………………目を合わせてくれないんですけど怒らせてしまったんでしょうか」(笑)

でも宮本さん、とってもうれしそうで。
こういう時の切り返し方、宮本さん、異様に引き出しが少ない。今までこんな状況、結構あっただろうに、一切慣れてない(そこがいいんだけど笑)

ひな壇には田島さんと剣さんが
後列の端と端という位置に座ってて、
ニコニコと見守っている感じがほほえましかったです。
エレカシの時だけじゃなく、
とにかく二人のリアクションがマメでやさしかった!(相づちとか手拍子とか拍手とか)
2人のツーショットを見ると、
濃い…濃すぎるんだけど、
なんかおみくじで大吉引いたみたいな、福々しいといいますか(笑)

エレカシは「サムライ」をカバーしました。
よかったなぁーー。赤い羽根もきれいだった。
しかし、いい曲ですねえ。
冒頭のサビのところなんて、
昭和の歌謡史に残る名フレーズじゃないですか。
おそるべし阿久悠。

「サムライ」のカバーは、1999年のテレビ番組「LOVE LOVE あいしてる」でやったのが初披露(たぶん)。
2007年、大阪城野音でやったのは、
「THE ELEPHANT KASHIMASHI live BEST BOUT」
にライブ音源が収録されてました。

時々ハスキーになってて、乾きつつ色気があるというか、特にBメロのあたりがすごーくいい。

男はいつでも 悲しいサムライ
しあわせに照れてることもあるんだよ

「サムライ」

照れとか恥といった、この「和」の感じ。
エレカシの「サムライ」は、このあたりのニュアンスがぴたっとくる。そのまんまというか。

このあとは「夢を追う旅人」をやって
(TV収録だろうとおかまいなしのミヤジは通常運転、エブリバディ!と叫び、ライブ仕様100%)、
最後、ブラフマンがカバーした「明日なき世界」にサプライズで登場。

頭をかきながらうつむき、
袖からそろーっと出てくる登場シーンがツボすぎて、
何度も巻き戻して見てしまった(笑)
ステージ中央まで大股で歩いてきて、なぜか両手グーでトシロウの胸を突っつく(笑)

しかし、あの髪の毛の逆立ち加減は一体!
近年でも最高レベルに爆発してましたが(笑)
待機中にどれだけ頭をわしゃわしゃしていたというのか……
でも、歌い始めた時の、おらあ!どうだ!感がすごかった……さすがです。
サビはミヤジのハモりが聴けました。
なかなかこういうのきけないから新鮮でした。
歌は、清志郎が乗りうつったみたいだったなあ…

「明日なき世界」は、roots66のイベントで和義さんともコラボしていた曲で、
原曲はバリー・マクガイア(1965)、RCサクセションのカバーアルバム「COVERS」の1曲目(1988)。

トシロウ「今自分がそれを歌いたい理由は、何か感じるものがあるんだと思うんです。そういう世界にしてはいけないっていう、そういうことをちゃんと次の世代に伝えるような歌を歌いたいし、それを一緒に歌ってくれるような人がいたらバーンと飛び込んで一緒に歌ってもらってもいいかなみたいに考えてます。」

The Covers Fes. 2016.10.30

曲に入る前に、トシロウ氏がこんなこと言っていました。
「バーンと飛び込んで一緒に歌って」というのは、
今思うと宮本さんのことだったんですね。
舞台に迎え入れたときのトシロウ氏のあの笑顔。
最後、エンディングでハグし合う二人、本当にいい顔してました。

それから、忘れちゃいけなないリリーさんの司会ぶり。
仕事だからやってますって感じが全然しなかった。
ほんとに好きなんだろうな、って思わせるのが見てて楽しい。
随所にあったリリーコメント(田島&剣→オーロラソース、田島さんの足→膝に水たまる、やっと剣さんの「まつり」を忘れられる、ジョンレノンとオノヨーコの仲をとりもったエルトンジョン…等)がいちいちツボでした。

エレカシが初めて「Covers」に登場したのは去年の11月だったんだけど、
リリーさんが司会のせいか、
なんとなく安心して見れました。
宮本さんがどんなにとっちらかろうと暴走しようと
放送事故並みに沈黙しようと、
リリーさんならなんとかしてくれるだろうなあと。
エレカシのことはきっと憎からず思っているんだろうなあという感じもあって。

古い雑誌を見返していたら、
リリーさんがエレカシについて書いた記事が出てきました。

「他のメンバーあっての自分ということを知るがあまり、それに怯え、それをうとましく感じ、もがき、作り出す、鬼才である。これほど我の強い作風でありながら、常に自分は対象と環境の中に存在するということを認める繊細なる反逆者だ」

Men’s Walker 2000.6.20号「リリー・フランキーの混沌オンガク評」第5回エレファントカシマシ

アルバム「good morning」が出た頃の記事です。
いろんな意味で極端な時期だったので、
今のエレカシを見たらまた違った感想をお持ちかもしれませんが…

「彼がひとり歩きすればするほど、バンドとして成熟している。バンドとして実りながら常にあやうさを秘めた色気がある。」

(同上)

当時、エレカシというバンドの混沌と葛藤を見抜いたリリーさんは
それも込みでの彼らの魅力を感じ取っていたのだろうと思います。

実際の交流はなかった時期でしょうけど、
エレカシには興味津々、好意をもって見てたんだなあ(コラムにするくらい)。
文面からもその感じがにじみ出ていますよね。

まさかこの後ずいぶん経ってから、
ご自分の番組でエレカシにご対面することになろうとは、
そして野坂昭如の曲を紹介することになろうとは(←2015年のCovers)、
リリーさんも思ってなかっただろうなー

去年のCoversで宮本さんが、
「歌ってみるとそのすごさがわかる」と言っていたけど、
カバーというのは、聞く側の方にとっても、
あらためて曲の良さを知らされるものなんですね。
「The Covers Fes.」、エレカシはもちろん、
昭和の名曲の数々、リリーさんの司会も含め、
もろもろ楽しませていただきました。

番組全体を包む昭和の香りに鼻の奥がつーんとなりました(笑)
なんだろう、昭和はもはやファンタジーなんですね。
だから泣けるんだろうなあ…

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