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エレカシがカバーした荒井由実の“翳りゆく部屋”は

窓辺に置いた椅子にもたれ
荒井由実 “翳りゆく部屋” 詞/荒井由実

という描写から始まります。

もたれた椅子というのはどんな椅子なんだろう。
きっと聴いている人の頭の中にそれぞれの部屋、椅子の絵があるんでしょうね。
ソファという気もするし、
天然木のシンプルな椅子という気もします。


“ロック屋(五月雨東京)”の椅子は、

布張りの椅子にもたれつつ うかれ気分で考えた
エレファントカシマシ “ロック屋(五月雨東京)” 詞/宮本浩次

≪椅子にもたれ≫というアンニュイな雰囲気と、≪うかれ気分≫というギャップが、
私にはなんともツボで大好きなフレーズ。
曲そのものは物憂げななさみしい感じがするけど、
逆に詞の方は、ある着想を得て、ポジティブな感じがします。
≪ロック屋≫と≪五月雨≫のブレンド加減が絶妙な1曲。

『ライフ』に入っている“部屋”の椅子は、

そこの椅子に掛けなよ
今すぐに コーヒーでも淹れるとしよう
エレファントカシマシ “部屋” 詞/宮本浩次

と穏やかな雰囲気。
“部屋”の歌詞はわりと淡々としてて、極端な喜怒哀楽は描かれていないんですけど、
サビで≪僕は生きている≫と繰り返し繰り返し歌われるのが
かえってぐっとくるというか。
『good morning』というアドレナリン出まくりの喧騒の時を終えて、
次の作品の1曲目が“部屋”というのが対照的だなあと思います。

エレカシと椅子と言えば、ル・コルビュジェのソファ、LC2。

黒くて真四角で、銀色の枠で囲ってあるソファです。
宮本さんは椅子の生活をはじめようとソファを買い、それがきっかけでコルビュジェにはまり、
ついにはコルビュジェ建築を見るためにフランス旅行にまで出かけたそうです。
『明日に向かって歩け!』の表紙をめくると、
このLC2に座って煙草をくゆらせながら本を読んでいる宮本先生の写真が載っていました。

最近だと、『THE BEST 2007-2012 俺たちの明日(初回限定盤B)の特典映像』の

ジョージさんとのインタビューで、
スタジオのソファに(LC2じゃないですが)メンバーが並んで座っていたのも印象的でした。

これはbridge(1997年11月号 「エレファントカシマシの10曲」)の表紙。
3731ed4c.jpg

渋谷さん撮影だそうです。
緑のバックに白い椅子、先生の腕の形が妙に印象的で覚えてたんですが、
一通り撮影が終わったあと渋谷さんが、表紙写真、撮り切れてない気がするから、もう一度撮りたい、
ということで、照明とか全部片付け終わっていたのにわざわざ撮り直しした、ということが編集後記に書いてありました。
渋谷さんがこだわって撮った渾身の1枚だったんですね。

……とここで終わろうとしていたけれど、大事なものを忘れていました。
男椅子。
今さらながら男椅子について説明しますと(説明というのもおこがましいですが)、
ライブのときに宮本さんが使うパイプ椅子のことで、座面の裏側に「男」と印刷された紙が貼りつけてあるので男椅子と呼ばれているようです。

追記:
2013年7月、渋谷で開催された「戦う男の25周年展」で
男椅子を間近で見てきました。

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男椅子じゃない椅子に座って歌ってたこともありましたが、
でもほぼ男椅子だったような気がします。
男椅子、いつからあるんでしょう。
気が付いたらパイプ椅子はあったし、
気が付いたらもう「男」と貼っつけてありました。
もうぼろぼろなわけです。

パイプ部分は錆び、あちこち破れてめくれあがってます。
きっと補強しながらネジも締め直しながら、ずっと使ってきたんでしょうね。
エレカシ史上、天然記念物的存在のシロモノであるこの男椅子。
ずっとエレカシのステージで4人を見守ってきたんだろうなあと思うと感慨深いものがあります。
25周年記念のドキュメンタリー映画で、この男椅子、取り上げてくれたらいいのになと思います。

よかったら(^^)
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