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エレカシとカタカナ

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昨日、“季節はずれの男”の詞、
≪努力を忘れた男のナミダは汚い≫をじっと見てて、
涙じゃなくてナミダなんだよなあ、となんとなく思っておりました。



エレカシの曲で≪ナミダ≫というのはときどき出てきて、
“風に吹かれて”の冒頭、

輝く太陽はオレのもので
きらめく月は そう おまえのナミダ
エレファントカシマシ “風に吹かれて” 詞/宮本浩次

“達者であれよ”の

ああ戦う君よ!
時にナミダ見せろよ!
走り出せよ!
エレファントカシマシ “達者であれよ” 詞/宮本浩次

もカタカナ。
“太陽ギラギラ”の

首をうなだれて ナミダ顔
エレファントカシマシ “太陽ギラギラ” 詞/宮本浩次

“優しい川”の

強がるうしろから ちらりのぞいたら
ナミダの顔が見える ナミダの顔が
エレファントカシマシ “優しい川” 詞/宮本浩次

もありますね。

ナミダ。いいです。この表記好きです。
ウェット感が少し減る感じ。いい意味で。ちょっと乾いた涙。

英語がとても少ないエレカシの歌詞だけど、
カタカナの使い方は少し独特で、
宮本節の特徴のひとつと言ってもいいのかもしれません。

セカンドの『THE ELEPHANT KASHIMASHI II』は、
カタカナモードが色濃い感じがします。
“太陽ギラギラ”、“サラリ サラ サラリ”、“ゲンカクGet Up Baby”と、
タイトルだけ見てもカタカナがずらりと並んでます。

『俺の道』は、アルバムタイトルは漢字なんですけど、
“勉強オレ”、“オレの中の宇宙”と2曲ほどカタカナの「オレ」SONGが入ってる。
“生命賛歌”では

「オマエ・デッケェナ。」
エレファントカシマシ “生命賛歌” 詞/宮本浩次

という名フレーズもカタカナでした。

≪ココロ≫というのは本当に頻出してて、
『ココロに花を』とアルバムタイトルにもなってたり。
心に花を、だと全然違うな、という感じだから、やっぱり「ココロ」の威力はすごい。
曲のタイトルでも“ココロのままに”や、
最近では“ココロをノックしてくれ”というのもありました。
中でも、

生きて生き抜くチカラ
自由を感ずる瞬間
今以上をめざすココロ
それが生きている証
エレファントカシマシ “生きている証”

“生きている証”の一節です。
この曲は≪ココロ≫のリフレインが印象的で、
歌詞カードを見るとページ一面、≪ココロ≫で埋め尽くされてます。
“生きている証”という直球の重いテーマだからこそ、≪ココロ≫が効いてます。
≪心≫より≪ココロ≫の方が乗りやすいというか、感情移入しやすい気がします、個人的に。

カタカナのフレーズで個人的に好きなのは、
“DJ in my life”の、

ア、ア、ア、サムライ

ア、ア、ア、サンライズ
エレファントカシマシ “DJ in my life” 詞/宮本浩次

というところ。韻を踏んでて耳にすっとなじみます。≪ア、ア、ア、≫も好き。
それから、“化ケモノ青年”の、

「アイスル人にのみ笑顔を捧げろ」つぶやいて泣いた 化ケモノ青年
エレファントカシマシ “化ケモノ青年” 詞/宮本浩次

いいフレーズだなぁ、といまさらながらシミジミ。
“雨の日に…”の、

道に迷ってさまよふ旅人
ココロの隙間に 雨がシトシト
エレファントカシマシ “雨の日に…” 詞/宮本浩次

のところも大好きです。

心や涙や愛するをカタカナにする感覚はおもしろいし、
ココロ、ナミダ、アイスル……
当たり前ですけど、漢字とカタカナでは明らかに違うニュアンスで。
“化ケモノ青年”の音源を聴くときに≪愛する≫じゃなくて
≪アイスル≫とカタカナをあてはめた方がしっくりくるし。
しっくりくるというか、
≪愛する≫が≪アイスル≫になると、実感がわかない感じが妙に出てて、
だから化ケモノ青年は≪つぶやいて泣く≫のかなという気がします。

“浮雲男”の、≪ぷかり ぷかり≫は≪プカリ プカリ≫だと思ってましたが、
ここはひらがなでした。でも、ひらがながいいですね、これは。

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