テレビ・ラジオ・映像関連

「Like A Rolling Stone」と「友達がいるのさ」

話題がいまさらな感じですが、「ROCK STORIES」の全3回ともようやく見ました。
http://www.fujitv.co.jp/otogumi/THEROCKSTORIES/
エレカシや民生やトータスやいろんな人が出るというので
それ目的で録画していましたが、いやはや、いい番組でした。



昔のかっこいい音楽が少しずついい編集で惜しみなく流れ、
合間に日本のアーチストたちの愛情たっぷりのコメントが挿入され、
見終わった後は、久々にいい音楽番組を見たなあ、としみじみ余韻にひたることができました。

エレカシの宮本さんは、
1日目→ローリング・ストーンズ
2日目→ボブ・ディラン、ドアーズ、レッド・ツェッペリン
3日目→レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
でコメントしてました。

ドアーズについての宮本さんコメント。

ジム・モリソンという人はですね、高二ぐらいから突如として好きになりまして、
ジム・モリソンばっかり聴いてたの。
(歌いながら)≪Hello, I love you Won’t you tell me your name? Hello, I love you Let me jump in your game≫(”Hello, I love you”)
っていう曲があるんですよ。その曲とかすげえかっこよくて(前のめり)。
西海岸の、ああいうアメリカの暗さっていうのかなあ。西海岸の暗さって言わないのか、
よくわかんないけど、そういう……
ジム・モリソンかっこよかったですねえ。
今あんまり聴かなくなっちゃったけど、でもすっっごい好き。

「ROCK STORIES」

このあとドアーズ「Light My Fire」の映像が流れました。
ジム・モリソンと言えば、なにかのインタビューで宮本さん、
ジム・モリソンの歌は怒ってるって思ってたけど、今聴くと、怒ってないんだよね、
みたいなことを言ってました。

ボブ・ディランは、弾き語りスタイルでやっていたのを、
ある時期からバンド活動を始めたとき、かなり批判を浴びたらしいです。
DVD「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」の映像が流れたんですが、
ステージに現れたボブ・ディランに
「裏切りものユダ!」と一人の客が叫び、客席がそれに沸く。
「でたらめだ」、と返すボブ・ディラン。
一人でギターをかきならし、徐々にそれにノリながら、バンドに「でっかい音でやろう!」と言ったあとすぐさま
「Like A Rolling Stone」の前奏に入る。
あのかっこよさったらなかったです。
年末は「ノー・ディレクション・ホーム」を見ることにしよう。

「Like A Rolling Stone」の映像のあとに宮本さんのコメントでした。

ボブ・ディラン……ZEPP TOKYOでやったの。
アンコールでさ……「Like A Rolling Stone」やるんですよ。ね。
(まゆをひそめて、ため息)
それがまたいい加減な「Like A Rolling Stone」、
(そっけなく曲名を言う、渋い表情のボブ・ディランのマネでボソっと)「ライカローリンストンッ」。
(再びモノマネ)「×××(英語?ぼそぼそ何やら言い、ギター弾くしぐさ)、ライクアローリンストン」みたいなこと言うんだけど、
それでもさ、(目を見開き、恍惚)
アンコールんとき、おい「Like A Rolling Stone」てボブ・ディランが言ってるぜみたいな、
もう号泣(あおぎ見るように、両手を顔にあてて泣くしぐさ)。
(同上)

そこまでさ、かっこいいな、やっぱすげぇなあ、(感心しながら)ZEPPで計算して、すっげぇなあ、ボブ・ディランやっぱすっげえかっこいいと思って。
(再び渋い表情のボブ・ディランのマネ)「×××、ライカローリンストン」、
(笑ってしまう)よくわかんなじゃないじゃないですか。
「(歌いながら)ライカロ~リンストーーン」って言わないんだよ、
「(しかめツラで)×××、ライカローリンストン」、でも号泣。
(笑顔で)すっごいかっこよかったんで。

ボブ・ディランのアンコールの「Like A Rolling Stone」で号泣した、という宮本さんのエピソードです。
アンコールでその曲名を告げるモノマネを、先生3回繰り返してます。

文字起こしするとかえって伝わらない感じの、
先生のくるくる変わる表情とゼスチャーがあいまっての、熱いすばらしいコメントでした。

ボブ・ディランのコンサートに行った話は、
過去にも雑誌かテレビで言ってて、
その時は、そんなにボブ・ディランが好きだったり聴き込んだりしてたわけじゃないんだけど、
とも言ってたような気がします。

そんなボブ・ディランのライブで宮本さんが号泣した理由。
アンコールで「Like A Rolling Stone」という曲名を告げた時
宮本さん自身も含めて、客席がわっと沸いた。
「Like A Rolling Stone」を待ちわびていた聴衆の熱を肌で感じ、
こう、音楽の力を目の当たりにして、それにぐっときたみたいな感じなのかな~と。
曲の強さというのか…
こう言うとなんか身も蓋もないですが、そんな気がしました。
それを、ボブ・ディランが先生曰く「いい加減な『Like A Rolling Stone』」。
そっけなく曲名を言うもんだから(さあ、名曲を歌います!と朗々とやるのではなくて)、
余計、先生のツボを刺激しちゃったのかなあ。

ボブ・ディランの「Like A Rolling Stone」、エレカシだとなんだろうなあ、と思って、
人によってそれぞれだろうなあとは思うのですが、
あえて一曲選ぶとやっぱり「友達がいるのさ」かなあ、と思いました。

いつかの野音で、宮本さんが「友達がいるのさ」の前に、曲について「俗受けする」みたいなことを言って、
慌ててごめんなさい、とか謝ってて笑ってしまったことがあったけど、
今回のボブ・ディランのエピソードと、あの時の「友達がいるのさ」が少し重なりました。

MCの雰囲気から、あるいはMCなしの場合は、最初の「おい」で「友達がいるのさ」だとわかった瞬間の
客席が静かに沸き立つ感じ、きた~、という興奮を押えられない感じ、
あの時ばかりは、客席の一体感も含めて、本当に毎回感激してしまいます。
自分もそうだし、みんなエレカシが好きなんだなあ、と思ってしみじみしてしまうのです。

他の人の、いろんなウンチクや思い出話を交えてのコメントもそれぞれよかったけれど、
今回「ROCK STORIES」のコメント大賞は、
ボブ・ディランのモノマネと「号泣!」をひたすら繰り返すのみの
宮本さんのこのコメントだったと思います。

https://wabisuke-zakki.com/archives/15323674.html

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