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あの日の「夢のちまた」(エレカシ2012年日比谷野音)

2012年12月19日に発売されるエレカシのベスト盤「THE BEST 2007-2012 俺たちの明日」の初回限定盤Aには、DVDの特典が付いて、10月14日の野音がノーカットで収録されるのですが、そこから”「序曲」夢のちまた”の映像がおととい公開されました。



※「夢のちまた」の動画が見れなくなっていたので、代わりに同じ日にやった「俺たちの明日」。

私は現場で見ており、当然すでに見ている光景であるにもかかわらず、
どこかはらはらしながら、Youtubeのちっちゃい画面にじーっと見入ってしまいました。

宮本さんの登場とともに長い長い拍手があって。
あの日は曲ごとにほんとに拍手が長く、
宮本さんがいつ曲に入ろうかってとまどってるなあ、と客席でも感じたくらいで、
インタビューでも、

宮本浩次:みんなから、盛大な拍手っていうんですか……1曲が終わる毎に、歓声とかじゃなくて、ウワァーーッっていう拍手が来たのが、すごく胸に来たんですよね。おいおい、俺はいつ次の歌を始めればいいんだよ、って思うくらい万雷の拍手
「音楽と人」(2012年12月号)

と言ってました。「おいおい」っていうのがいいですね。

ライブの最中は昂揚してて、細部はほとんど覚えられない私も、
映像を見ながら、そうだった、こんな感じだった、と記憶をたぐり寄せるに見まして。

こうして映像で見ると、男椅子のボロボロさ加減が、もう、それだけで泣けてきます。
長きにわたりエレカシのライブと共にいた、どんなステージでもそっと宮本さんの後ろで見守ってきた男椅子が、
あの日の野音でも宮本さんと一緒にいたんですねえ。
こういうところは、ライブの最中は気がつかないので(←私は)映像ならではだと思う。

“夢のちまた”を歌い終わり、ほぅーっと深い息をついたのはよく憶えてます。
宮本さん、いい顔してますなあ。

しかし、映像の威力というのはすごいもので、
1曲だけで10月14日の日比谷に舞い戻れたというか、
薄れかけていたあの日の記憶が鮮やかによみがえってくるようでした。

10月14日の野音は映像化すればいいのになあ、
ファンからしたら見たいけど、でも演者からしたら、やっぱり映像として残すとか
そういう感じでもないのかな、そのあたりはデリケートなのかね、
なんて友達と話してたので、
覚えられる限りを胸にきざんで思い出は引き出しの中へ、
野音祭りもさびしいけどおわり~、という感じでした。

それが今回ベスト盤のおまけに付けてくれると知って、ほんとに驚きました。
でも素直にうれしいです。やっぱり特別なライブでしたから。
外聴きで来てた人や日比谷に来れなかった人も見れる。
幸運にもチケットがとれて、私は中で観ることができましたが、
それをあらためて映像で見られるのは、ありがたいことです。
生で味わった昂揚感や感動はもちろんそれはそれであり、
映像で見ると、さっきの男椅子ではありませんが、
やっぱり違う良さがある気がします。

2009年の武道館のときが同じ感じで、実際のステージを見ていても、
DVDの「桜の花、舞い上がる武道館」は、映像で見ると、
リアルタイムでは気づかなかった曲順の妙に気がつかされたりしました。

“夢のちまた”1曲で、すっかり野音の記憶が解凍されてしまい、
これはこれでやっかいで(笑)、発売日の12月19日まで落ち着かない…

THE BEST 2007-2012 俺たちの明日

2012.10.14 エレカシ日比谷野音-活動休止前(ライブレポ)2012年10月14日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト 1. 「序曲」夢のちまた2. 悲しみの果て3. 約束4. リッス...

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