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bridge 2014年8月号(エレカシ”Destinyインタビュー”)

今朝、仕事の前に立ち寄ったローソン。
レジで精算が終わり画面を見たら、267円。
はい、267円ね、と財布から小銭を取り出そうとして、
アレ、と何か引っかかってもう一度レジの画面を見たら、なんとそこにはエレカシの写真。
オフィシャルのあの写真が。すぐに別の画面に切り替わりましたが。
エレカシ。267円。エレカシ。267円。



会社近くのローソンという、どっぷり日常の中での突然のエレカシは度肝抜かれます。
私にとってエレカシは究極の非日常なんだなあと思いました。
あれは何の告知? 宣伝?だったんでしょうか。
またローソンに行ったら、レジのモニター、まばたきしないでじっと見てみようと思います。

さて、bridgeを読みました。

写真+記事で18ページ、撮影は渋谷さん。
シングルを切り口に語るというインタビューで、
デビュー当時からずっと付き合いのある渋谷さんならではの味わい深い記事でした。

“Destiny”の詞について、結構文学的だよね、と渋谷さんに言われた宮本さんが、
もっと芸人っぽく(笑)行きたいけど、どうしてもそういうムードが漂ってしまう、と言って、
それに対して渋谷さんは、そういうのはあっていいと。
世の中にあふれかえっているJ-POPじゃなく、そうじゃないところでどう歌うかが重要だと。
なるほど。
こういう会話を読むと、やっぱり渋谷さんのインタビューだな、おもしろいなと思います。
びしっと言っちゃう感じというか(別に厳しい言葉じゃないけど)、
ちょっと照れてる感じの宮本さんに対して、核心を突いちゃう感じが、
この二人ならではの会話だなという気がします。

「今宵の月のように」の頃の話で、ドラマのプロデューサーに「赤い薔薇」とか
他の曲を持っていくんだけど、ボツになってしまって、
でも、そういうのは、薄々気がついてるものだ、という話も興味深かった。
ボツにされて癪にさわりながらも時間のない中で発奮し、とんでもない名曲を産み出してしまう。
このボツになる話は時々出てきて、プロデューサーがとても熱心で、確か、
「もっとコメディータッチでいきたいんで」と言ってボツにされた、みたいな話も
むかーしのインタビューで言っていました。
すごいプロデューサーさんですね。容赦なくダメだし。宮本浩次にコメディータッチを求める。
でも、この「今宵の月のように」が生まれるまでのエピソード、妙に好きなんですよね。

「ガストロンジャー」と「今宵の月のように」が共存できる頭と身体じゃなかった、の話がありました。
確かに、あの頃は、「今宵~」をあんまりやらなかった。
「悲しみの果て」はわりとやっていたような気がするけど、
「今宵~」はなんとなく封印してるのかな、という時期があって。EMIの頃ですけど。
ライブハウスで、総合司会のノリも影をひそめ、硬派なセットリストで、
EMI期の当時の曲がメインになるからおのずとそうなるんですけど、
ソリッドな感触のライブで、今ともまた違う独特な空気感があったような気がします。

確かに、エレカシの曲の振り幅はものすごいから、
やってる当人がそれにとまどう時期があったとしても不思議じゃないけど、
でももう、全然その振り切った曲たちを同じステージでやっても
全く自然だし、むしろその振り幅が感動的な感じさえする。
さいたまのライブだってあれだけいろんな曲をやっても混然一体となって迫ってきましたもんね。
直前にやった曲が、次にやる曲の前フリになってたりとか。
ある曲がある曲の説得力をものすごく高めたりとか。
振り幅がある分、ライブでの化学変化がものすごいんですね。

シングル出してフェスで身を晒して生きていくのがかっこいい、という言葉もありました。
売上とか動員とか、時に残酷にもなりうる数字に恐れず堂々と向き合っていくこと。
曲を出し表に出て世間というまな板に乗っかり続けること。
単純な野心だけではないところの、覚悟のようなものを感じて、
「晒す」という言葉を選んだところにぐっときてしまいました。

それから、「歌を中心に」という思いがより強力になってきたと宮本さんは語っていて、
自分の武器は歌で、という感じの話は、ずっと言ってきているけれど、
ここにきて、さいたまスーパーアリーナも経て、さらにさらに、歌うということに自覚的になってきて、
“Destiny”はあえてハンドマイクにしていると。
いつまでこの歌い方ができるのかと自問するぐらい、自分はとても熱唱型の歌い方をする、
と言っていたくだりで、思い出したんですけど、

宮本浩次:自負してるんだけど、あんな唄い方を1曲目から最後までする人って、世界で俺しかいないんですよ。全力全身全霊のスタイルの唄い方は、私しかいないんです。

(「音楽と人」2012年12月号)

野音の直後で、ステージのあと、さらに病状が悪化してしまったさなかでのインタビューで、
そんな時にこんな話をする心中いかばかりかと、
読みながら本当にたまらない気持ちになったんだけど、
同時に「世界に俺しかいない」と言い切るそのゆるぎなさに、
自分の音楽生活、歌をおびやかされている時であっても
(複雑な思いがあったとは思うけれど)きっぱり言いきるそのさまに、
深く感動させられもしました。
なんというのかな、宮本さんの歌がすごいのは、客観的に見たってほんとにとんでもないものだけど、
正しく言うと全然客観的には見られてはいませんが(笑)、
テクニックや歌心と同じくらい、いやそれ以上か、己を信じる強さが、
歌をあんなに輝かせているような気もするのです。

悪魔ツアー最終日の「待つ男」。
http://youtu.be/KYDhfFuP4qo ※リンク切れ。

かつて悪魔ツアー最終日のTokyo Dome City Hallのライブ終演直後の映像がアップされていたのですが、エレベーターの中、宮本さんがうなだれてゼイゼイ息を切らし、壁に寄りかかり立っているのもかろうじて、という感じの壮絶なものでした。
初めてこの映像を見た時、びっくりして呆然としました。
「全力全身全霊のスタイルの唄い方は、私しかいない」の言葉から、
必ずこの映像を思い出してしまいます。

今回のbridgeはシングルに沿って振り返りながらの記事だったので、
私もいろいろ思い出しながら、記憶を寄り道しながらしみじみと読みました。

bridgeとバンドの話bridge4月号を読みました。 いい記事でした。 歌わせてくれ野音のことから休養中のこと、復活の野音、たまアリまで振り返り...

POSTED COMMENT

  1. みさ より:

    侘助さんこんばんは。時々覗きにきております。読みましてたまらずコメントを書き込んでしまいました。素敵なブログですね、大好きです。読みながら、ウンウンと頷くことしきり。
    また寄らせていただきます。

  2. 侘助 より:

    みささん、はじめまして。
    どうもありがとうございます!
    かなりスロー&マイペースでやっておりますが、
    時々のぞきにきていただければうれしいです^^
    ではでは今後ともどうぞよろしくおねがいします。

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