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25thドキュメンタリー反芻してます

映画上映も終わって、ひとつお祭りが終わったような気のする今日この頃。
「めんどくせえ(仮)」聴いて盛り上がったり、野音チケットのことであわあわしながらも、
映画のシーンをときどき思い出し反芻しては、じわじわと映画の余韻にひたっています。

25 years of the fighting men’s chronicle 劇場版 エレファントカシマシ ディレクターズカット

インタビュー
横山健(Ken Band/Hi-STANDARD)
マキタスポーツ
新井英樹
大根仁
綾部和夫(エレファントカシマシ初代マネージャー/双啓舎代表)
TOSHI-LOW(BRAHMAN)
草野マサムネ(Spitz)
山田将司、菅波栄純(THE BACK BORN)
岩尾知明(FM802)

スタジオシーンを除いては、エピック時代の映像が中心だったような印象で、
エレカシファンの著名人の面々が語るのも、エピックのエピソードが多かったですね。
出会った時の衝撃。
ブルーハーツに希望を持たされ、エレカシに絞め殺された、と言っていたのは横山健氏。
当時メジャーのバンドはなんとなくダサくて、インディーズの方がかっこいいと思っていた草野マサムネ氏は、
その意に反して、エレカシの音を実際聴いてすごい!と思ったそうだし、
TOSHI-LOW氏は“おはようこんにちは”を聴いて度肝を抜かれるも、
そこで歌われている怒りには共感できるものがあったと。
舞台での奇行ばかりが注目されがちなエピック期だけど、音のことについて触れられていたのも興味深くて、
健さんは、サウンドチェックの定番はある時期“優しい川”だった。音源聴いてて、ギターをどうやって弾いてるのか聴いてもよくわからないところがあった。音の部分でもエレカシは独特なものがあった。と言ってたし、
草野氏は、シンプルだけどぶっとくて、チャラくない。と言ってました。チャラくない(笑)

中でもライブでのエレカシのやんちゃぶりを語るときの表情が、皆さんほんとにすてきで、
NHKホールのライブ、あれは宮本さんが悪態ついちゃってひどかったとか、
最後新曲の“奴隷天国”やってシーンとなっちゃったとか、
しょうがないなあ、という感じなんだけれども、
でも、そういう逸話がひどければひどいほど、皆さんにこにこ、
ぶっ飛んでた頃のエレカシを語るのがうれしくてたまらない、愛すべきエレカシという感じ。



私はエピック期は後追いなので、過去の映像や雑誌の記事で目にするしかなくて(最近では赤箱も)、
こんなにまとめてエピック時代の映像や、当時を知るエレカシファンの方々の話を聞くのは、
もう純粋に興味深くて本当に印象的でした。
RCと対バンした汐留PITの映像なんて初めて見たし。伝説の「帰れ」コール。いやーすごかった。
仕事何やってんの?とかにじり寄って、からんで、もう怒りの純度100%、挙句「RCサクセションで踊ってろ!」。
いやー濃い。いまさらですが。
NHKホールの“奴隷天国”、映像を介して見てもこわかった。新井さんは、ほんとにうれしそうに語ってましたけど。
座席に座ったままの客席が、微動だにせず凍りついて、シーン。
さすがにこの頃になると、デビュー時代のわけのわからない勢いで走ってた頃と違って、
ちょっと重い空気も漂っているような……これは、この後ほどなくして契約が切れてしまうという前知識があるからかもしれないですけど、
露悪的なMCも、なんだかやんちゃというだけでは見てられないようなシリアス感があるような気もして。

こんなエピックのくだりのあとに、シェルターの映像が流れるんですね。
“ライブにせかされて”のあと“悲しみの果て”。
これ、渋谷タワレコの25周年展ですでに映像見てたんですけど、
この映画の中で、エピック期の一連のシーンのあとに見るとまた違って……よかったです。

“悲しみの果て”は余技だ、なんて宮本さんが言っていたこともありました。
当時私はこの発言を目にして、すごくがっかりした、というわけでもなかったけど、
この曲はとても好きだったので、こんなふうに言うのは、ちょっとなんだかなあ、という気もしたし、
まあでも、こう言わざるを得ない何かがあったんだろうな、まだまだこんなもんじゃないっていう思いが強いんだろうなあという感じでした。
それから10年以上経って、
「この“四月の風”、“悲しみの果て”っていうのが……もう、泣きながら作ってますよ。自分が敗北したっていうことを承知してるっていうか。何を敗北とするかって、たとえば単純に契約が切れて、自分の気宇壮大の勝負が……(中略)認めるっていうか、自分の小ささ認めの第一歩っていうか。気宇壮大から悲しいのをなんでもダァーン!でやろう。まあ泣いてんだけどさ。負けてるのわかってるからね、負け戦だって」(ROCKIN’ON JAPAN 2009年9月号)
……というふうに「泣いてた」と言っていたのを思い出したりもして、
このシェルターの映像見ながら、ちょっと泣けてしまいました。
宮本さんはすでに総合司会になりかけているけど、まだ板についてない感じで、
イエー!というコールアンドレスポンスも、饒舌なMCも、
ぜんぜん慣れてなく、こなれてなく、
時折見せるおどけたような笑いを誘う立ち振る舞いも、
エピックの映像のあとに見るせいか、それはほんとにぐっとくるものがありました。

怖い主人のいる蕎麦屋に言って怒られながら食べるのが好きだったのに、
急に店を広げちゃったな、と思ったかもしれないけど、
でも、味は全然落ちてなかった、と草野氏は言い、
エピック期のエレカシに心酔してきた健さんは“悲しみの果て”を聴いて驚いたけど、
何が自然だったかというと、曲がすばらしかったですよね、と言っていました。
この健さんの表情もほんとによくて胸に残りました。

世間の音楽シーンと一線を画して、独自の進化を遂げたエピック時代。
契約が切れ、ぽーんと世の中に放り出され、
はかりしれない葛藤と痛みを伴って生まれた“悲しみの果て”。
今回のドキュメンタリー映画、いろんなシーンがあってよかったけど、
まずひとつ、エピック→“悲しみの果て”の流れは映画の中でとても印象的でした。
奇行を繰り広げても悪態ついても、やがてそのスタイルが変わっても、
何よりど真ん中にいい曲がありいい歌がある。全身全霊のライブがある。
長い歴史の中で、作風やライブの空気や露出の仕方が変わっても、
エレカシというバンドはだから愛されるんだろうなあ、と、
いまさら何を言うかって感じですけど、
エピックを語る人々のほんとにいい表情を見ながら、ちょっとそんなことを思ったりしました。

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