今日は、1998年1月3日にやった武道館”風に吹かれて”の映像をうちで観ました。
15年前の今日のライブです。
開演前のステージ袖の映像から始まります。
暗闇の中の緊迫感がすごい。宮本さん以外のメンバーは先にステージへ。
客電が落ち、大歓声の中、始まった曲は”奴隷天国”で、
袖での緊張の面持ちから一転、
宮本さんははじけ飛び出すようにステージへ登場、両手を広げて「イエー」を連呼し満杯の客席にごあいさつ。
宮本さん、白シャツに黒パンツという、
今と変わらない出で立ちだけど、
中にTシャツを着てたりするし、パンツのシルエット感も微妙に違う。
髪の毛のわしゃわしゃ感は相変わらず。
3曲目の”明日に向かって走れ”、これがいいのです。
突っ走るぜ明日も たぶんあさっても
男はいつだって 突っ走るだけさ
エレファントカシマシ ”明日に向かって走れ”
まさに詞の通りの時期だったんだろうなというか……
武道館の満杯の客を前に、
4人で堂々とバンドの音を鳴らしてる。
アウトロのリフレインのところなんてほんとにいいグルーヴで、
バンド感が出てて最高にかっこいい。
”四月の風”、”孤独な旅人”から、
エピック初期の”デーデ”、”星の砂”、”珍奇男”もいい流れ。
”デーデ”と”星の砂”は、ある時期は必ずと言っていいほど2曲1セットでやっていました。
最近はめっきりこの曲順でやらないんですけど。
”かけだす男”は、原曲とは違うアレンジが施された出だし。
延々コードを繰り返すだけですが、これがほんとにかっこいい。
次も男シリーズの”戦う男”。手かずの多いトミのドラムが炸裂してます。
本編の最後は”今宵の月のように”で、
くだらねえとつぶやいて
醒めたつらして歩く
いつの日か輝くだろう
あふれる熱い涙
エレファントカシマシ ”今宵の月のように”
この部分が終わるやいなや、
ステージバックに一斉に星のようにきらきらと電飾が点灯して、これがすばらしい。
こういう演出もやってたんですね。
エレカシのステージはいつもは極めてシンプルなので、この映像はめずらしいかも。
アンコールはフルオーケストラで”昔の侍”。この1曲のみフルオーケストラ!なんというぜいたくな使い方。
”風に吹かれて”から”ふたりの冬”、”月夜の散歩”でしっとり聴衆を酔わせてから、
怒涛の”ファイティングマン”へ。宮本さん、右へ左へ走り回り客席をあおりまくる。
ダブルアンコールは”悲しみの果て”、そして”さらば青春”、”赤い薔薇”で締め。
”さらば青春”がいいんですよね。
この武道館は、なぜだかこの”さらば青春”の印象が強いです。
青い照明がステージを包む中、
あぁ 俺は 何度も 何度も叫んだけど
あぁ もはや 君は 遠い遠い思い出の中
エレファントカシマシ ”さらば青春”
低めのマイクスタンドに、顎を少し突き出すようにし
声をふりしぼり歌う男、この時31歳。
単行本「東京の空」には、宮本さんが執筆した随筆以外に、
「武道館」というタイトルのインタビュー(独白の形ですが、渋谷さんと町をぶらぶら歩きながら話した、とあとがきに書いてありました)も収録されています。
ここで宮本さんは98年の武道館を振り返って、
客もたくさん入って嬉しかったが、同時にすごく怖くて、
急に売れてテンションを高くせざるを得なくて苦しかった。
と語っていました。
そうか……苦しかったのか。
その怖い、という感覚の、ある意味その通りに、
このあと山あり谷ありいろいろあるけど、
”ガストロンジャー”が生まれ、”友達がいるのさ”が生まれ、
”俺たちの明日”、”笑顔の未来へ”が生まれて、
名曲が2倍に、いやそれ以上になって、
2009年と2011年にはまた武道館をいっぱいにするという未来があるんです。
病気でお休みもするけど、
野音のときはあふれかえるぐらい外聴きの人が会場に集まるんですよ。
さっき画面の中で首に筋立てながら歌っている姿を浮かべながら
そんなことをふと思ったりするのでした。
[…] 【LIVE】1998.01.03,04 日本武道館[19] 侘助記事 […]