単語が羅列されている詞が好きです。
例えば、「明日への記憶」の、
時計の針が俺をひきずる チクタク 思い出 後悔 欲望 チクタク
エレファントカシマシ ”明日への記憶” 詞/宮本浩次
の≪思い出 後悔 欲望≫の部分。
「友達がいるのさ」には、
乱立する文明のはざまを一笑、一蹴、偏執、哀愁
エレファントカシマシ ”友達がいるのさ” 詞/宮本浩次
韻を踏んだこんな羅列の名フレーズ。
「我が祈り」のサビは、≪我が祈り≫に続けて、
我が恋、明日、命と並ぶ。2番は我が道、夢、恋人。
「悪魔メフィスト」だと、
光 闇 縦横上下 空 大地 表裏 陰陽
月 太陽 俺 お前 イエー
エレファントカシマシ ”悪魔メフィスト” 詞/宮本浩次
さらにこの曲は、
本屋 公園 友達 労働 休息 携帯 テレビ パソコン
ギター 車 タバコ 恋人
メシ 水 風 空 木々 街 人 俺
(同上)
と続き、羅列の嵐です。
こういう詞になぜこうも惹かれるのでしょう。
たたみかける感じがたまりません。
気持ちの高ぶりがはみ出してるというか。
ぶつ切りで配置された言葉と言葉の応酬。
文章になっていない分、ぶっきらぼうだけど、歌にのるとかえって想像をかきたてるのです。
こんな羅列好きの私が選ぶ、エレカシの羅列No.1ソングは、
とどまらないオレのこの生命力 言い訳・弱体・卑屈・妄想・祈り・怠惰・退屈・無知・・・
おのれと勝負するのさ 勉強だ 勉強 勉強しろ 勉強オレ
エレファントカシマシ ”勉強オレ” 詞/宮本浩次
はい、そうです。「勉強オレ」です。
この曲はもう全体的に言葉の羅列感がすごくて、タイトルからしてもろにそうです。
たまりません。
音もすごくかっこよくて、先生の歌いっぷりもハンパない。
この曲は、ぐいぐい迫るメロディと機関銃のような詞でほんとイケイケなんだけど、
≪観察しろ≫とか≪ちょっと待て≫とか≪距離を置いて≫とか、
合間に冷静さを取り戻そうとする部分もあって、
そのギャップというか、興奮と理性の部分が交互に出てくるところが、
うっすらおかしみと切なさも感じさせて、なんとも言えずいいのです。
ほんとに大好きな一曲。
「勉強オレ」が入っているアルバム「俺の道」。2003年。
どの曲もかっこよすぎて泣けてくる名盤。