エレカシの新春武道館に行ってきました。
サポートメンバー
ヒラマミキオ(G)
細海魚(Key)
金原千恵子ストリングスチーム
SNSなど
◆rockin’on.com/渋谷陽一の「社長はつらいよ」
驚くほどパワーアップしたエレカシ、武道館を揺らす。ますます怪物化する宮本浩次は止まらない。
https://rockinon.com/blog/shibuya/201310
◆rockin’on.com/山崎洋一郎の「総編集長日記」
今回のエレファントカシマシの新春ライブは神セトリだった。過去も今も、エレカシの宮本もソロ宮本も、全てが繋がったと思った、そういうライブだった
https://rockinon.com/blog/yamazaki/201296
(↑ライブ後、宮本さんにインタビューしたそうです!)
◆鹿野淳氏ツイッター
エレファントカシマシ 新春ライブ2022。
実に磨きに磨きまくって臨んだバンドの姿が観れたライヴだった。
阿吽や手癖がありながらも、それらに一切甘えずにライヴに臨む。その様が見える、聴こえてくるだけで堪らないものがあった。ハラハラしたり至福を感じたりを含め、異常なボリュームの一夜だった pic.twitter.com/84TIomY43a— 鹿野 淳 (@sikappe) January 12, 2022
◆兵庫慎司氏ツイッター
1/12(水)日本武道館エレファントカシマシ新春ライブ。いやあ、ほんと、エレファントカシマシだった。最高のバンドですね。今さら思うことじゃないが。前半は初期の曲多め。サポートは細海魚と金原千恵子チームと久々のヒラマミキオ。宮本、ミッキーを「帰って来てくれました!」と紹介。 pic.twitter.com/mKjkGWalmg
— 兵庫慎司 (@shinjihyogo) January 12, 2022
◆金原千恵子氏ツイッター
#エレファントカシマシ新春ライブ2022@武道館 終了‼️
2年振りのエレカシ?新春ライブ、そしてGr ミッキーが帰ってきた✨
武道館360度お客さまで、皆真剣に聴き入り楽しんでいる姿に?でした。
すんごいパワーを貰いました✊ pic.twitter.com/OmJ9ensBwh— 金原千恵子 (@chiekokinbara) January 12, 2022
WOWOWで放送されることも決定しております。
◆音楽ナタリー/エレファントカシマシの武道館ワンマン「新春ライブ 2022」WOWOWでオンエア決定
https://natalie.mu/music/news/461401
オンエア日が3/20。なんと。デビュー日3/21の前日ですね。どきどき。何か告知、大発表があったらどうしよう~(妄想さきばしり笑)
◆丹修一氏ツイッター
凄まじいエネルギーの塊、でした!!ね。https://t.co/afJsVOcu5C
— Shuichi Tan (@shuichi_tan) January 12, 2022
感想(ライブレポ)
1月に入りコロナ感染者数も急激に増え、ぎりぎりまで少し心配でしたけど、無事開催されてまずはよかったです。
私はPAOで撃沈、しかし友達が一般で取ってくれ、2階のステージサイド/バック席でしたが、真横の角度ながらステージが至近でよく見える、おまけに舞台袖の丹下さんもよく見える思いのほかステキな席で久しぶりの生エレカシを楽しむことができました。
全方位座席を開放
今更ながら、武道館は八角形をした武道場で、真ん中に競技場となる平場があり、その周りをぐるりと座席(1階、2階)が囲む形をしています。
座席(スタンド席)は南、南東、東・・と8面あるのですが、コンサートをやる際は平場の北側にステージを設置し、残りの平場にパイプ椅子を敷き詰めてアリーナ席、スタンドは東、南、西のみ客席とし、北側にはお客を入れないのが通例です。
今回のエレカシは北側も含め、360度全方位にお客さんを入れていました。これはエレカシ史上初めてのことです。
武道館が埋まらなくてスタンド席にブルーシートが覆われたことも遠い昔。20年後にそのブルーシートあたりに座っている自分。なかなかに感慨深いものがある。
開演前
私は17:10頃着席。
少しずつ埋まっていく座席。2階のてっぺんまで人がいます。
環境音楽のような音数の少ないSE。
ステージは後ろにも客席があるのでスケルトン構造。太い柱がステージ四隅に立ち、その囲いの天井に照明がセットされています。
ステージ下手にはキーボード。
キーボードの後ろにアクリル板で囲まれたストリングス隊のエリアあり。
宮本さんの立ち位置にエフェクター数個。しかしマイクスタンドはなし。ハンドマイクの歌で始まる模様。
オープニング
18:35。5分押しで客電消灯。盛大な拍手。コロナなので歓声禁止。私もだけどみんな声出したくてうずうずしてただろうな。
下手からメンバーの皆さんがしずしずと登場。宮本さんは黒ジャケットに黒細タイにスキニー。石くんはなでつけヘアにグラサン、ベルボトム。成ちゃんは黒ハット。トミはTシャツ。
鍵盤は細海さんとわかるが、サポートギターは遠くてよくわからず。
1曲目。始まる前の数秒間。トミをあおる(指示を出す?)宮本浩次。大指揮者のようなたたずまい。気合い注入合戦みたいだった。見ている側にも緊張を強いるこの感じ。あーもうほんと待ってましたよ。
トミが入り、石くんのギターイントロ。1曲目は「うつらうつら」。おおお。そして「奴隷天国」。しょっぱなから揺さぶってくれます。《あくびして死ね》を浴びる新年。なんとめでたい(笑)
第1部はエピック多め
新春ライブと言えばショーアップ感があって、例えば2,3曲目に「今はここが真ん中さ」とか「新しい季節へキミと」のような華やかな曲で一気に場の温度を上げる、というのが新春あるあるだったのですが、今回は違いました。
第1部の選曲は、「うつらうつら」から始まり「奴隷天国」「この世は最高」「月の夜」「風」「シグナル」「RAINBOW」・・エピックメイン、というよりは宮本浩次魂の歴史、といった印象。
「いつものとおり」「浮雲男」はなかなかレアでした。
「いつものとおり」は2016年の野音が印象的で。台風一過の、蒸し暑い東京の空気も一緒に思い出しました。
「浮雲男」は、すごく好きな曲なのでうれしかった。2018年にミスチル、スピッツと対バンした時に、スピッツがこの曲をカバーして、宮本さんがすごくうれしそうにしていたのがついこの間のことのようですが、もう4年前のことなんですね。
「珍奇男」もかっこよかった。丹下さんのギター取替えプレイののち、怒涛の盛り上がりを見せるわけですけど、メンバーが向かい合い、ザクッ、ザクッとキメを合わせる瞬間はしびれ上がったし、宮本さん気合い注入の「ハイ!」という掛け声が、マイクオフで地声で聴こえてくるのが、めちゃくちゃかっこよかった。
第1部は見ている側が心配になるほどほとんどMCがなく。ぼそっと「25歳の頃の曲」とかちょっとは言っていたけど。そんなに続けて歌ってしんどくないか?メンバーも大丈夫か? と思ったけど、そんなこと板の上の人に言わせると戯言なんでしょうね。
宮本さんはその昔、
宮本浩次「自負してるんだけど……あんな唄い方を1曲目から最後までする人って、世界で俺しかいないんですよ。全力全身全霊の唄い方は、私しかいないんです」
「音楽と人」2012年12月号
この発言が10年前。
世界で自分しかいない、と言い切る。
10年後、変わらず”全力全身全霊”で歌う姿を目のあたりにするとですね・・・本当に感動します。変わらず、どころか。すごみを増している。
一音一音、ていねいに思いを乗せながら歌う。マイクを固くにぎりしめ時に体躯を折り。その姿は祈っているようにも見える。
「月の夜」は「シグナル」に並んでここのところ野音などでよく歌われている曲。マストな曲のひとつなのだと思う。恐ろしいほど美しい旋律は宮本浩次の声によりさらに増幅される。サビの《太陽照りし~》の目つぶしのような白いライティングはサイドから。
個人的に第1部でのハイライトはこの「月の夜」そして「風」からの「シグナル」です。これはやばかった。
「風」と言えば、個人的には2009年の武道館の「風」なのですが。。

アンコールで、最後から3曲目に歌われたのがこの「風」でした。
すでに30曲近く歌っているからもはやいろんな意味でギリギリなんでしょう、もう汗まみれで声もかすれているんです。
8年ぶりの武道館公演の終盤にこの曲をやる。(久しぶりの武道館を前に宮本さんは何日も前から眠れなかったらしい)。必死の形相で《あと五分しか生きられぬのなら》と歌う。
あの2009年の「風」を思い出し、また再び武道館で、節目となる武道館と言ってもいいと思うけれど、そんな公演で「風」をやったということに、私はしみじみと感銘を受けておりました。しかも「シグナル」へとつながる流れ。切実というか迫るものがさらにあったと思います。
第2部も名曲続々、そしてアンコール
第2部は「ズレてる方がいい」から始まり、「ファイティングマン」まで。エレカシのいわゆる”名曲”、ライブでも定番となる曲たちが次々と演奏されました。
第1部では、宮本さんは歌への入り込み方がすごかったので、MCもほぼなくじっと動かず歌に集中、という感じでしたが、第2部では総合司会ぶりが復活しました。
第1部の終盤だったかな、ハッと我に返り、ステージ後ろにかけて行って北側の席に向かってワーと手を振る、その我に返る感(「はっ。今日は後ろにも客席があるんだった!」と気づく感じ)がちょっとツボでした。それくらい歌に集中してたんでしょうね。
その分を取り戻すように、第2部での宮本さんは弦カルテットのブースに入ったり、成ちゃんにくっついていったり。
ステージのうしろ側、北側に何度もかけて行って大サービスだったし、ステージ前の両側の花道?にも、右へ左へゆっくり歩いて行ってお茶目を振りまきチャーミング満載の総合司会でした。
ステージングのことで言うと、石くんいじりはほとんどなし。ミヤジの「(前へ行け)」ゼスチャーで石くんステージ前に進み出る、というお約束のシーンは何度かありました。「珍奇男」ではがっつりミヤジと向き合ってギターをぐりぐり弾き合う姿はめちゃめちゃかっこよかった。
宮本さんは「じっと聴いてくれていいコンサートになりました」という旨の言葉を何度か言っていたと思います。「武道館ベイベー」も頂きました。
客電がつき観客がこぶしを振り上げているさまが壮観だった「俺たちの明日」のあとは「友達がいるのさ」。ああ。。これはもう理屈でなく体で反応しちゃうのです。冒頭のメロディで、涙腺に直接、じわっと。
今回は金原さんのストリング入りバージョン。弦が入ることで美しいメロディがさらに際立って。ほんとに素敵だった。思い出すだけで泣けてきます。
第2部あたりからステージ下手の袖に、岡田さんの後ろ姿が見えました(キャップを被ったあれは多分岡田さんかと)。最初カメラで撮影していたけど、途中から腕を組んでじっとステージを見てました。その後ろ姿にも何かじーんとするものがありました。
ヒラマミキオさん。久しぶりでした。うれしかったなあ。2019年の野音以来?
最初、遠くて誰だろうと思っていましたが、見ているうちにわかりました。動じないたたずまい、弾き方のクセ、ストローク時にくいっと肘を後ろに引く感じ。もうあれはミッキーに間違いないと(涙)。
ユニバーサル以降ずっとサポートとして帯同してきた人であり、エレカシファンにとって一番長くライブで目にしたギタリストだと思います。
宮本さん、2部の最後で肩トントンしてねぎらっていました。
ミッキーの安定したギタープレイが、久しぶりのエレカシライブという重圧や不安を大きく軽減させたのは間違いないと思います。
細海魚さん。野音で見たことはあっても、武道館では初めてです。席の関係で、今回は魚さんが間近に見えました。曲の隙間から立ち上がる魚さんの激渋オルガン、最高でした。曲に合わせてピョンピョン飛び跳ねる魚さんは今回も健在。
みんな大好き「so many people」が第2部終盤のとてもいい位置で演奏されまして。
「友達がいるのさ」の前に、ぴろぴろ弾いたミヤジのそれが「so many people」でしたので、狂喜乱舞で3cm床から浮きたった私でしたが、次の曲は「友達がいるのさ」だったという、なぞのじらしプレイがありました。「so many people」は、じらしプレイが時々ありますね(笑)
イントロが宮本さんの思うテンポより遅かったらしく、トミに向かって指揮者のように右手をばたばた上下に振りテンポアップをアピール。
そのテンポ調整タイムの影響で、歌の入りが歌とバンドでズレるも、そこは心配無用。いつの間にか歌にバンドが合わせてました。さすがの通常運転。
「四月の風」「ファイティングマン」で第2部終了。
久しぶりに何曲もエレカシの曲を浴びて、心もカラダもホカホカに。
ホカホカの会場はアンコールの手拍子で沸き立ちます。
アンコール何かな、やっぱりお正月だしあれかな、などと思いをめぐらしているとメンバーの皆さんが再び登場。宮本さんは黒シャツにお着替え。
成ちゃんのベースリフがうねり轟く。アンコール曲は「待つ男」だ。たぎるような赤い照明の中、宮本浩次が四股を踏むように腰を落とし絶叫する。
「待つ男」。ここぞ、というタイミングで何度も聴いた曲だけれども、すごいな。あらためて感服。絶望と希望。全てがこの曲に詰まってる。年はじめに聴けてよかった。
演奏が終わり、袖にはけながら宮本浩次がマイクを床に放り投げボコっとなる。
これは恒例の行事で、過去ボコッのレベルはいろいろあったのですが、今回はレベル6くらいでしょうか(Max10)(笑)
近年はそっと置いていたと思いますが、久しぶりになかなかな音量のボコッを聞きました。
昔はギターを放り投げたり(!)丹下さん泣かせの宮本さんでしたが、そういうこともなくなってきたなあ。。と思っていたところに久々のボコッ。さすが。いよっ、宮本屋!と歌舞伎よろしく声をかけたくなりました(笑)
アンコールの拍手がしばらく続きましたが客電がつき、21:15終演。
渋谷さんのブログでも書いてあったけれど、楽しみでもあり、不安もすごくあった今回の新春ライブ。客側がそうなのだから、演者はどれほどの圧があったのだろうと想像してしまう。だけど1曲目の「うつらうつら」が始まる前の空気感、あれはエレカシそのものだった。これからエレカシがどう進んでいくかはわからないし、きっと葛藤まみれで光も影もある道だろうけど、その進む道をずっと見続けていきたいなあ。。と思いました。はい。
第1部→第2部への変貌。ただ変わったわけじゃない。すべてを引き受けて、ひきずりながら今日も行く。
今回みたいな構成、最初に「うつらうつら」があって「この世は最高!」があって「珍奇男」があって、終盤に「俺たちの明日」や「四月の風」がくるというの、本当に好き。エレファントカシマシ、すなわちそれ”人生”。
毎回ふり幅がすごいなと思うけれど、今回もゆっさゆっさ揺さぶられた。私の細胞には、思った以上にすみずみまでエレカシがしみ込んでたんだな。
久しぶりのエレカシ、本当にたのしかった。全曲しみた。名曲だらけでびっくりした。
エレカシの未来
はてさて。エレカシの活動はどうなってゆくのでしょうか。
去年3月の雑誌「GOETHE」のインタビューでは
宮本浩次「エレファントカシマシも、セールスを意識しすぎず、力まず、全員が自然体で迷わず音を出せる領域に行きたい。その確信が持てるまで、歌を突き詰めようと思います。今は私、ソロ活動中です。でも次にメンバーが揃う時に、集まって演奏するだけでは意味がありません。さらにいい音楽をやらなくてはいけない。勝負の時だと思うんですよ。バンドの次のステージについては悩んでいます。簡単に答えは出せません。今は全力で歌うだけです」
GOETHE/ロックシンガー宮本浩次、インタビュー全公開「ドーンとゆけ!」
バンドの次のステージについては悩んでいると。
簡単に答えは出せないと。
ファンである私は、ただただエレカシの活動が待ち遠しいばかりだけれども。。はいソロ、はいバンド、とそう簡単に切り替えられるものでもないのでしょうね。
でも、新春ライブをやったということは、何か糸口が見つかったのだろうか。
まだ5月までソロツアーが続くし、エレカシについてあれこれ思うのは時期尚早なのでしょうか。
しかし困った妄想がとまらない(笑)。次の一手は何でしょうね。4人の男たちの壮大な一大絵巻を見ているようです。ことあるごとに必ず思うことですが、リアルタイムで経験できるって本当にすごいことだと思います。
久しぶりに武道館に行きましたが前はライトアップなんてされてなかったですよね? オリンピックで改修工事があってそれで変わったのかな。
お月様と武道館の屋根がとってもきれいでした。
新春の武道館は、以前はとても寒かったけれど、空調が整備されたのでしょうか今回はあんまり寒くなく、むしろうすいセーターでも暑いくらいでした。まあ自分が盛り上がりすぎているせいもあったのですが(^^;)
隣の席にはひとりでいらした50歳代くらいの男性。第1部は座っていたけれど、第2部では立ち上がり楽しんでいらっしゃった様子。「風に吹かれて」が始まった瞬間、ピクッと反応、嬉しそうに小さく拍手をしてたから「風に吹かれて」好きなのかな。好きな曲やってくれてよかったな。今回のほっこりエピソードでした。
***
長くなってしまいました。
いまさらながらあけましておめでとうございます。
エレカシ的にはどんな一年になるのでしょうか。
今年もよろしくお願いいたします。
2022.01.12 日本武道館 新春ライブ 2022 セットリスト
【第1部】
01.うつらうつら
02.奴隷天国
03.デーデ
04.星の砂
05.いつものとおり
06.浮雲男
07.昔の侍
08.この世は最高!
09.珍奇男
10.月の夜
11.風
12.シグナル
13.生命賛歌
14.悲しみの果て
15.旅立ちの朝
16.RAINBOW
【第2部】
17.ズレてる方がいい
18.風に吹かれて
19.ハナウタ~遠い昔からの物語~
20.笑顔の未来へ
21.桜の花、舞い上がる道を
22.ガストロンジャー
23.俺たちの明日
24.友達がいるのさ
25.so many people
26.四月の風
27.ファイティングマン
【アンコール】
28.待つ男
エレカシDBさんより