昨日、綾部さん(エレカシエピック時代のマネージャー)の企画展を見ようと、骨董ジャンボリーへ行ってきました。
骨董ジャンボリーの存在自体、今回初めて知って、初めて行ってきました。
結構大きなイベントだったです。東京ビッグサイトの大きな会場に、和から洋からいろんなジャンルの骨董屋さんが全国から大集結といった感じでした。
到着して早々、綾部さんの特別展「ぼっこやの美」を訪れました。
会場の入口のところに、山下久美子さんと宮本さんのコメント文が大きく出ていました。
すでに読んだ文章だったけど、もう一度読んで、何度読んでもいいコメントだなーとしみじみしてから、
中へ入りました。
広すぎず狭すぎず、ほどよいスペースに、ぎっしりといろんなモノが並んでいました。
古い動かない時計。使い込まれた黒い足踏みミシン。
小学校で使われていたと思しき木製の棚。
陶器の壺のかけら。
うず高く積まれたミニカーの山。
コンセントの差込み口。あめ色のガラス玉を敷き詰めた一角。
錆びた針金をぐるぐる巻きにしたオブジェ。
ひっかき傷をつけ、絵具を重ねたでこぼこの板。
布きれを縫い足し縫い足し使い込まれてぼろぼろの藍色の布団。
その世界観に圧倒されながら見ていると、綾部さんらしき人の存在に気付きました。
知り合いの方が訪ねてくると、説明しながら中を一緒に歩いたり、
エレカシファンらしき人とお話しされたりしていました。
綾部さん、間近で見るとシュッと背が高く、洗いざらしの白シャツとキャメル色のコットンパンツが大変似合ってて、同行した友人曰く、「シャツについてるシワまでおしゃれだった」。
綾部さんと言えば、この間のドキュメンタリー映画で、
エピックの頃の悪態つき放題のステージ(汐留PITだったかな)の映像のあと、
「そりゃ大変だったですよ」
の綾部さんの一言が大変ツボでして、
その半笑いのような、とほほ、といったような感じの表情がほんとに
当時の大変さを物語っていて、編集の妙も相まってとても印象的なシーンだったです。
話がそれてしまったけど、
で、かわいいコップだなあと思って見ていると、それは100年ぐらい前のフランスのもので、
ろうそくを立てるための入れ物(?)だと教えてくれて、そうか、コップじゃないのかと思って(笑)、
でも、そういう話を聞くと、ますますそれがいい感じに見えるというか、ロマンチックというか、
私は骨董の趣味はまったくないんですけど、
骨董にはまる楽しみというのはもしかしたらこういうことなのか、
とちょっとだけですがわかったような気がしました。
錆びた鉄やきれぎれの布、朽ちた木片、ガラス……いろんな素材の、かつては現役だった生活の道具たちが、
綾部さんの手によって息を吹き返しているようでした。
懐かしくて新しくて洗練されていて、ひとつひとつに存在感があって。
その場にいるだけでほっこりするような、とてもあたたかな空間でした。
いろんなモノたちからにじみ出ている綾部さんの愛情のようなもの、
それはかつてエレカシに注いでいたそれと、根っこの部分では近しいものなのかなあとちょっと思ったりしました。
宮本さんが寄せたコメント。
信念の人
綾部さんはいわば信念の人だと思います。もう20年以上も前の話になりますが、コンサートツアーで名古屋大阪方面に出向くと、綾部さんはその度に必ず各地の窯跡や骨董店などを嬉々として訪ねては、私の目から見るとガラクタとしか思えない陶片やら様々な品物やらを、大事そうに抱えて自慢そうに我々にしめしたものでした。
また羽田空港そばの海岸で、綾部さんが夕陽を浴びながら錆びついた缶からを楽しそうによりわけて拾っていた姿が鮮烈に印象に残っています。
いつかそれらの”ガラクタ”は、綾部さんの独特のセンスによって花活けや絵画やオブジェに生まれ変わっていました。まさかあの錆びついた缶からが花活けになると思っていなかった私は本当に驚きました。
そして綾部さんの頭の中にはあの缶からを拾っていた20年前から、いやおそらくはもっと以前から、いつもこうした”ガラクタ”を再生させ人々をびっくりさせて楽しませてやろうという思いがあったに違いありません。
綾部さんは信念の人だと思います。宮本浩次
(骨董ジャンボリー2013 SUMMER 特別展示「ぼっこやの美 綾部和夫の世界」リーフレットより)
会場を出て、また宮本さんのコメントを読んで、あらためてじーんとしていると、
なんとそこに宮本氏、石くんのサインがあるのを発見。最初見たときは、背景の色が濃すぎてわかりませんでした……日曜日の日付になってました。きてたんですねえ。
そのあと、お店を見てまわり、ヴィンテージのはぎれを買いました。
骨董ジャンボリー、思った以上に楽しめて大満足でした。
骨董ジャンボリー2013summer 特別展示・ぼっこやの美 綾部和夫の世界
最後の方に映っている白シャツにキャメル色のハットをかぶった
ダンディなおじさまが綾部さんです。