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2020.09.19インタビュー達人達(たち) 宮本浩次x挟土秀平(感想)

2020年9月19日の宮本浩次NHK祭りの1つめ、Eテレ「インタビュー 達人達(たち) 」(Vol.245)。左官職人の挟土秀平さんとの対談。サブタイトルは「解き放て、我ら」。
今日は振り返って感想を少し書き残してみようと思います。

宮本浩次パート

東京北区赤羽(2020年1月)での収録。
黒ジャケ+細ネクタイの宮本さんが現れ、この辺にはスタジオがあり「エレファントカシマシで借りてよく練習して」、ビルを指さし「1階が中華屋さんでみんなバイトしてました。厨房のお皿洗いのバイト」などと赤羽について語りながら歩くというオープニング。

カメラに映る東京の下町の風景。自転車に乗った地元住人がそのまま映ったりして、なんだかEpic期の「見果てぬ夢」のPVを彷彿とさせる。
坂西伊作オマージュかしら。考えすぎか。丸大貸衣装店の前で、宮本さんが「空気がなじみますよね」と言っていたシーン。かなり引きのショットで、宮本さんが饒舌にしゃべっている。どんどんカメラは引いていく。ちょっとシュールささえにじみ出ててよかった(笑) このへんかなり映像にこだわり(エレカシ愛)を感じました。

宮本パートの舞台は赤羽の喫茶店「コーヒーハウス まつした」。宮本さんが赤羽時代にメンバーとよく通っていた喫茶店で、20年前位まで通っていたそう。今は閉店しているが特別に開けてもらったとのこと。

挟土さんは、自分のあり方として「どこまでむき出しでいられるか、恥ずかしいこともさらけ出せるか」、またもう一方で「夢中になりながらもどっかで右往左往している変な俺を俯瞰してる自分がどっかにいなきゃいけない」というお話をされていて、宮本さんがより深く共感していたのは後者であるように見えました。

宮本浩次「レコーディングもそうなんですけど、こんななって(頭振って)やっていい試しが大人になればなるほどないですね。若い頃はそれがかわいく見てもらえたりもするんですけど。(中略)淡々とやるものは淡々とやったほうがパワーみたいなものは届いてるのかな、とは思うようにはなりました」
2020.09.19インタビュー 達人達(たち) 宮本浩次x挟土秀平

ライブなどでは意外と冷静だというのは、昔から言っているけれど、でも実際あんなすごいパフォーマンスを見ちゃうと、その冷静さはすごいなと思ってしまう。100%やるということと、聴き手に届く届かないというのはまた別ということなんですね。

で、さらに挟土さんの、エレカシというバンドがあり返る場所がある、「拠点があるから何でも、枝分かれしても何でも戻ればいいからね、幹に」という言葉に対して、宮本さんは「拠点っていう意味では宮本浩次自身」ときっぱり答えます。エレカシのことは大事だと言いながら、そのあと放送事故かと思うほど長い長い間のあと、目をつむったまま、

宮本「どんなことあってもバンドより売りたいですね」
(同上)

挟土さん、驚いて思い切り「えっ?!」と聞き返してましたからね。
宮本さんは妙に小声で、かえってそれが真実味を帯びてたりして。

思えば、対談の半ばから、緊張も解けたのか、だんだん本心が出始めたなと思ってたんです。カバーの話から挟土さんの「今、本当に自分の声で自分の歌を届けたいんだね。直接的に」という言葉を受けて、宮本さん言葉切れ切れに「絶対勝たなきゃいけない」と言っていたりとか。


挟土秀平パート

岐阜県高山市(2020年7月)収録。
挟土秀平、1962年生まれ。左官。宮本さんより4こ上ですね。
挟土さんは、以前同じSWITCHインタビューに田中泯さんと出たのを見ました。挟土さんの手掛けた壁の前で田中泯さんが即興のダンスをしていたのを覚えています。
NHK大河ドラマの「真田丸」のタイトルも手掛けた方ですね。

高山にある挟土さんの会社「秀平社」を訪れた宮本さん、今までの挟土さんの作品を集めた部屋に通されます。
自然の土の色にこだわり続ける挟土さん。
壁いっぱいにかけられた作品サンプルの数々は圧巻の一言。画面通して見てもそのすごさは伝わってきました。「ぴしっとする空気が感じられます」と宮本さんも感激しているようす。

うるしを塗った釘と銀の釘で表現した「桶狭間の戦い」の壁もすごかった! もう壁の域を超えてアートですね。
挟土さんは、今回宮本さんをイメージして作った壁があるのだと言って宮本さんを誘導します。
濃淡ある黒の2トーンの壁にバラと蝶。挟土さんはステージ上の宮本さんが黒い蝶に見えたそうです。宮本さん、その壁をじっと見ながら感激しすぎて頭かきむしる(笑)

挟土さんの秘密の館? 大切な人だけをもてなすという部屋に通された宮本さん。挟土さんにすすめられて窓際で花火。宮本さんと花火なんて超レア映像(笑)。

宮本「挟土さんのやさしさと心意気っちゃあれですけど、一人の人間のそういうもの、心開いて、心地のいい体験でした」
(同上)

これは対談最後の宮本さんの言葉。
宮本さんは挟土さんに対してを何度も「やさしい」という言葉を使っていました。世の中消毒的になっちゃって、作る壁くらいは鳥肌立つみたいなことやりたい、という挟土さんにも「やさしい」と言ってたと思う。楽しませたいとか元気さとかサービス精神とかそういうニュアンスでしたね。

挟土さんが残りの人生について「歳をとるごとにあせってる」と話していた時、神妙な顔つきでしみじみ聞いている宮本さんの姿が印象的でした。

最近はようやく人と話す時も前よりは自然体になった、と宮本さんが話すと、それが逆に強い個性になるかもしれないと言う挟土さん。

最後に挟土さんの作った赤土の壁にたたずむ宮本氏。絵になる男。しかしすぐに頭ぐしゃぐしゃ(笑)。挟土さんも「かっこいいよ」と声をかける。置いてあった椅子がまるで男椅子のようでした。

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雑感

宮本さんの、独特な間合いの話ぶりを、面白い!と言いながら聞いていた挟土さん。そのお人柄に懐をあずけ宮本さんも自然に「心開」けたんでしょうか。
心開かないと「バンドより売れたい」とかそんな生々しいこと言わないですね(笑)
評価とかじゃなくて、自分を知りたいなと思う」という挟土さんとは、また今は微妙に違うスタンスなんでしょうけど、それでも4つ上の表現者の言葉ひとつひとつに響くものは確かにあったんだろうと思います。

ソロ活動を1年以上続けてきてシングル数枚とアルバムが出せた。コロナ禍で考える時間もあった。若くはない。何をやるべきか。今後の展開について、掲げる目標に向かって戦略もより一層考え抜いたに違いない。

宮本浩次はとにかく勝ちたい。バンドより売りたい。しかしこの言葉の真意をはかるには私は人生修行が薄すぎて言葉を継ぐことができません(笑) 真意もなにも、そのままなんでしょうけど。
やはりバンドの方が託すもの重ね合わせるものが大きいですからね。ファンからの声を百も承知の上で、あえて言葉にしたんでしょうか。それを言う一瞬はほんとにギラっとしてた。垣間見えた野心。自分で自分を鼓舞させてたんですかね。

宮本さんが語る「バンドとソロ」という点については、ずっと気になるトピックで、折に触れ雑誌も注目して読んだりしていたけど、デリケートというかむずかしいというか、時々、びっくりする発言が出てきますね。

こういう発言含めておもしろいし目が離せないと思うけれど、勝負とか売り上げ、ということがからんでくると、ますます考えの及ばないむずかしい(立ち入れない)テーマになってくるので、はぁ、どんどんいい曲書いていい歌うたってください、ソロだけじゃなくエレカシもやってください、というごくごくふつうの思いに着地するのでした。

宮本パートのBGMの選曲がツウすぎてしびれました。

月と歩いた
上野の山
If I Fell(ビートルズカバー)
俺の道
翳りゆく部屋
オレを生きる
解き放て、我らが新時代

「月と歩いた」「上野の山」、すばらしい! 「オレを生きる」がかかるタイミングも絶妙でした!

挟土さんのツイッター

挟土さん、あんなにどーんとしてらっしゃるのに、自分を見るのは苦手とか・・・でも熱い方ですね。TVに慣れない挟土さんがかっこいいと思います。

公式Twitter。赤羽パートの写真です。

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