ライブ関連

2014.10.30 エレカシ Zepp Namba(10.13台風延期→振替公演)(ライブレポ)

結局(というかやっぱり)、大阪の振替公演に行ってきました。

2014.10.30 エレカシ Zepp Namba セトリ

1. 奴隷天国
2. この世は最高!
3. 地元のダンナ
4. 悲しみの果て
5. 甘い夢さえ
6. デーデ
7. コール アンド レスポンス
8. 化ケモノ青年
9. シャララ
10. 星の砂
11. 珍奇男
12. 赤い薔薇
13. 飛べない俺
14. あなたへ
15. sweet memory
16. 桜の花、舞い上がる道を
17. 俺たちの明日
18. ズレてる方がいい
19. ガストロンジャー
20. 明日を行け
21. Destiny
(en1)
22. 今宵の月のように
23. 遁生
24. てって
25. 達者であれよ
26. 友達がいるのさ
27. 四月の風
28. ファイティングマン
(en2)
29. 俺の道
(en3)
30. 花男
(EKDBさんより)

10分押しの19時10分スタートで、1曲目は「奴隷天国」。
このツアーの「ギターリフかっこよくてバンド然とした冒頭にふさわしい曲シリーズ」(←勝手に名付けた)の
最後を飾ったのは「奴隷天国」でした! エレカシ史上に残る風船演出(@さいたま)も記憶に新しいこの曲ですが、
ライブハウスという狭い空間で放たれる「あくびして死ね!」は、
聴衆一人一人の心臓を射抜くほど強烈だった。
「涙」と同じくらい(曲調は違うけど)、エレカシのここが好き!と思わせるエッセンスがギュッと詰まった1曲なので、この選曲は本当にうれしかったし盛り上がりました!

この日は、演奏も安定していて、おふざけも少なく(それはそれで好きなんだけど)、
バンドのいいノリとうねりと、切れ味の良さが光ってて、
エンディングのキメとか、決めるところはビシッと決めてきて、ため息が出るほどかっこよかった。
お客さんもさすが大阪、反応早くてダイレクトで熱くて、
それに応えるようにステージ上もどんどんテンションが上がっていって。

会場の温度がぐんぐん上がっていくそのさなかに、
ミヤジの超かっこいいギターリフでどーんと投下されたのは「コールアンドレスポンス」!
え? この位置に? ってうろたえるくらいの早い時期だった。
こんな早くから死刑宣告!? 心の準備が……!とあわあわしつつ、
今日のライブは一体どうなるんだって思いました。セトリ、攻めてるなあって思った。

このツアー、「珍奇男」のあとの曲を注目して見てたんですけど、
(それまでのイケイケな感じとガラッと変わる空気が絶妙だったので)
この日は「赤い薔薇」。
曲前に「全ての男女に贈ります。俺にも」みたいな感じで言ってたかな。
何度もライブで聴いた曲だけど、今回は、宮本さんの歌がいいなーとあらためて思って、
サビとかはじまりあたりの、少し高めの音域のあの透明感!
48歳であの透明感が出せるのか! と今更ながら驚きつつ感激しておりました。
「sweet memory」も、個人的には、久々に聴けてうれしかった。

ここのところ、「俺たちの明日」のあとにやっても全然負けてないどころか
凌駕しつつある(比べるもんじゃないけど)「ズレてる方がいい」が、
今回もほんっとにすばらしく。
最後、宮本さんが歌いきったあとの歓声。
感嘆のかたまりが間髪入れず一斉にワーッ(キャーッ)となった。
あの「ワーッ」はちょっとすごかった。なぜかほろっときてしまいました。

本編ラストの「Destiny」、入る前に「どんどんばらまいていこうぜ!」と宮本さん言ってました。
歌の中では否定的な文脈で使われる「ばらまく」なんだけど、
宮本さんのこのMCはとっても前向きな感じで。
ああもう、ツボです。一つの言葉に逆から光の当たる感じ。「ばらまいていこう」と筆で色紙に書きたい。

アンコールで、「今宵の月のように」のあと、男椅子に座りながら
「まさか(ライブを)野音のあとにやるとは思わなかった」
「今やるとまた説得力があると思って」
と言って始まったのは「遁生」でした。まさかの「遁生」!
…………………。
泣きます。ここにきてこれやられたら泣く。
旋律の美しさ。歌声の切なさ。さけび。小さき花。
大阪の「遁生」。忘れられない「遁生」になりました。

「遁生」「てって」「達者であれよ」「友達がいるのさ」…アンコールのあの選曲。
ここらへんのスペシャル感というか、とっておき出しました感、ほんとハンパなかったです。

特に「遁生」をもってくるあたり。
「友達がいるのさ」をもってくるあたり。
野音にいるんじゃないかと錯覚するほどだった。
ハコの中なんだけど、野音のにおいがすごくした。

そこにはきっと、今年大阪野音がなかったことへの配慮があったのではないかと、
少しでもあの空気が出れば…という演者の気遣いもあったのではないかと (想像だけど)。
日比谷野音を終えたあと、という流れを考えたものかもしれないし。

大阪でやる「友達がいるのさ」が大好きです。
1番は「東京中の電気を消して」とうたって、2番は「大阪中の電気を消して」ってうたうんですよね。
去年の大阪城野音のときもそうだった。去年は宮本さんが石くんをヘッドロックして、なぜか私は泣けてきたんだった。
今回はこの曲の前に「達者であれよ」をもってきて、その流れもたまらんものがありました。

2回目のアンコールは「俺の道」。
ツアー初日の1曲目だったこの曲。
「俺の道」で始まり、「俺の道」で終わるんだ、やるなー、かっこいいなー、
とほれぼれと、下手にはけていくメンバーを感涙にむせびながら見送ったのですが、
わりとすぐに出てきて、「花男」をやって、トリプルアンコール。全30曲、2時間50分。

「MCは少なめにして、しゃべっちゃうと、ほら、すぐ緊張感なくなっちゃうから。でも大阪の人はフレンドリーだから言っちゃうけど」という前置きで、何を話すんだろうと思ったら、
ツアーのはじめの頃は体調が良くなくて、どうなることだろうと思った、
みたいなことを言ってました。

え? 今なんて言いました? と聞き返したくなるほど、驚いたあまりに
そのあとなにしゃべってたか忘れたけど(ツアー無事終ってよかった、みたいな感じだったと思います)、
でも、今は十分回復して元気だからこそ、実はこうだったんだよ、って言えたんだろう、とは思いました。
それと多分、こういうことは、なんとなく、エレカシ的にというか流儀としては言わない気がするんだけど、
無事ツアーを完遂できた安堵感と、大阪の場の「フレンドリーさ」にふと気持ちを許して
素が出てしまった、というような感じだったんでしょうね。

体調だけは、ほんとにほんとにお願いですから気を付けてください
と一ファンとしては思うばかりなんだけれども、でも、
ライブをやること、ツアーをやり切ること、
「あんな唄い方を1曲目から最後までする人って、世界で俺しかいない」
と自負し言い切る宮本さんにとって、それは、命がけの所業なのだと思う。
またそんなミヤジとステージを共にする石くん、成ちゃん、トミにしても命がけで。
エレカシのライブはエレカシの命そのものを見る場所なのだと思う。
命そのもの、なんて抽象的だし大げさかもしれないけど、
やっぱり、エレカシのステージを生で見てると 誇張でなくそう思ってしまうのです。《体の全て使い尽くして死にたい》(「地元の朝」)の詞が具現化されたさまを目の当たりにしてしまうというか。
だからこそ一つ一つのステージが夢のようではかなくて、うつくしいものなのだと思う。

「四月の風」で宮本さんは泣いてるように見えました。
活動休止をはさんで2年半ぶりのツアーで、
毎回セトリを変えて、たくさん曲をやって、エレカシの歴史をライブのなかで曲を通じて、
演者と観客と一緒に振り返る形になった2時間半×11公演。
無事、というか、最後は延期になったりしたけど、全公演を終えられてほんとうによかった。

今回の公演延期については、特に触れなくて、唯一「平日なのにきてくれてありがとう」と言ったことくらい。
何も言わないのがやっぱり、らしい。
でも、そこがいいなと思う。
直接何も言わなくても全部曲に詰まっていたし、「ありがとう―」としきりに言っていた総合司会の表情がすべてを語ってました。
きっと、大阪の初日に比べると、客席の人数が少ないことも、舞台上からは歴然だったかもしれない。
でも、その空白にも向けて、ありったけの思いを込めて、
全身全霊で歌を演奏を届けていたに違いないのだろう、と思う。

この日は、ファイナルということもあるんだろうけど、
全編を通じてなんとなくあったかい空気が流れてて、
あったかい、なんて言葉にしちゃうと薄っぺらいけど、
音楽を介してライブという場を共有できる舞台と観客の間には、
ほんとにいい空気が流れて、もう袋に入れてパッケージしてお持ち帰りしたいくらいで、
みんなエレカシというバンドが大好きなんだなあと、しみじみ思って泣けてきました。

最後、「花男」をうたいおわり、客席を見渡すように見得を切る、いつもの締めの表情をしたあと。
宮本さんはふっと表情を弛緩させ、口角をきゅっと、一瞬だけ上げて、
泣いたような笑ったような、それでいておだやかな、優しい目で客席をしばらく見ていました。
ほんの数秒のことだったけど、いい顔してたなあ。
野音を終え、ツアーを終え、どんなことに思いを馳せていたんでしょうね。

あんなに楽しみにしていたツアーも終わってしまい抜け殻状態ですが、
でも、今回もたくさんたくさんおみやげをもらいました。
ここのところ凝り固まっていた感受性が攪拌されて、
気付かされたり、反省したり、涙が出たり、いっぱい気持ちをゆさぶられました。

今回のツアーは今後の創作にどう影響するんだろうな。
新しいアルバムのリリースも楽しみ。
新春の武道館2daysも楽しみだし。
抜け殻なりに、書きながらもりあがってきました。

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POSTED COMMENT

  1. suisui より:

    こんにちは!
    大阪のお話、ありがとうございます。
    心があったかくなりました^^
    最後の宮本さんの表情が何とも言えません。。。
    会場もとっても良い雰囲気だったんですね。東京以外行ったことがなく、
    いつかいつか遠征したいです。
    めちゃくちゃ練習したであろう今回のツアーを終えて、メンバーの皆さん、ゆっくり休めているとよいのですが。

  2. なかねこひろみ より:

    私も大阪最終日に行っていたのですが、2階席だったので宮本さんの表情とかまったく見えなくて、四月の風で泣いてたとか、後で聞いてびっくりして・・・。
    最後の「いい顔」のこと、こちらで読ませてもらって、すごく嬉しかったです。
    ありがとうございました。
    新しいアルバム、いつでしょうね。待ち遠しいです。

  3. 侘助 より:

    suisuiさん、こんにちは♪
    大阪行ってきましたー
    舞台の上も客席もいい空気感でほんとにすばらしいライブでした。
    延期になったりしてどうなることかと思いましたが……
    個人的にも忘れがたいツアーになりました。
    最後のあの表情は、なんといったらいいのか、
    ほんとにいい顔してました!
    私も、最初の頃は遠征してなかったんですけど…
    遠征、楽しいです^^ その土地を歩いて、街の空気もライブと一緒にいい思い出になります。
    今回はセトリの変え率がすごかったので、
    ほんとにたくさん練習したんでしょうねえ。野音もあったし。
    メンバーのみなさん、ゆっくり休んでリフレッシュしているといいですねえ

  4. 侘助 より:

    なかねこひろみさん、こんにちは♪
    大阪いらしてたんですね! ほんとにいいライブでしたねぇ
    「四月の風」はたぶん泣いてたと思うんです。わんわん泣くっていうより
    こうしみじみとぐっときているというか…
    最後の「いい顔」、一言でいいづらいんですけど、
    でも、今まであんまりみたことないようなほんとにいい表情してました。
    いろんなものがあふれにじみ出たいい顔だったです。
    新しいアルバム! どんな感じになるんでしょうねぇ。私も本当に楽しみです^^

  5. みさ より:

    こんばんは。
    大阪ラストは延期で行けなくなった組でした(泣)台風のバカー!これからも出来るだけ沢山、彼らの命をかけたパフォーマンスを見届けたい。下北、侘助さんもエントリーされました?私もエントリー中です。当たるといいな。

  6. 侘助 より:

    みささん、こんばんは!
    大阪ラスト、ほんとにもう、台風が…こんなことってあるのかって
    発表の日は呆然としました
    ぎりぎりまで悩んで私は結局行くことにしたのですが…ほんとに今年は台風多すぎでした
    でもほんと命がけのライブ、私もできる限り見届けたいです!
    Queは、粛々と申込みしましたーほんとにもう、どうなることやら
    みささん、当たるといいですね!^^

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