エレカシ・宮本ソロもろもろ

鴎外記念館と山椒大夫

エレカシを好きになると、音楽はもとより、
そこから派生していろんなことに興味がわいてきてしまう。
日本の古き良きもの、例えば浮世絵や古墳、神社仏閣とか。

コルビュジェなんてのも、私の場合、エレカシを通じて知りました。

それから宮本さんの本好きに影響されて、いろいろ読んでみたり。
いろいろと言っても、そんなたくさんじゃないんですけど。
“歴史”では森鴎外が歌われているぐらい、
宮本さんの鴎外好きは知ってはいたものの、あんまり読んでなくて、
でも、このところ、“歴史”を聴き直したり、
『扉の向こう』を見たりしているうちに、
妙に森鴎外が気になって、
ついに森鴎外記念館まで足を運んでしまいました。

『明日に向かって歩け!』の【宮本をめぐる東京・武蔵野三十三景】には
森鴎外記念本郷図書館として登場しますが、
建て替えられて、今の森鴎外記念館になったようです。
記念館は鴎外の旧居「観潮楼」の跡地に建てられていて、最寄り駅は地下鉄千駄木駅。

常設のほかに企画展もやっているようで、
私が行ったときは「手紙で語る鴎外の交流」 というのをやっていました。
永井荷風や岡倉天心といった各界の著名人から鴎外先生あての手紙がずらりと展示してありました。
永井荷風の絵ハガキが、絵の面の隙間に小さい文字でみっちりと文章が書き込まれていたのが面白かった。
常設展では、鴎外の人生が丁寧に紹介されてて、
赤本に書いてあるとおり、鴎外先生のデスマスクや、普段づかいの小物も展示してありました。
当時の単行本が陳列してあって、装丁がとてもモダンでおしゃれでした。
あと『雁』の口絵が横山大観だったのは驚きました。すごいコラボだな。
地下にある映像ルームの映像が良くて、じっと見入ってしまいました。
加賀乙彦や平野啓一郎が鴎外について語っていたのが面白かった。

で、最近、“歴史”に≪名作『山椒大夫』≫って出てくるなあ、と思って、読んでみました。

昔読んだことがあると思うんだけど、すっかり忘れてて、
確か安寿と厨子王の話だったよなー、ぐらいのスタートだったんですけど、
いやー良かったです。
有名なお話ですが、かいつまんで言うと、
安寿と厨子王の姉弟が母と一緒に、父を探して旅に出て、その途中で人さらいにあう。
母とは離ればなれになって、山椒大夫という悪徳領主に売られてしまう。
過酷な仕事を強いられながら、安寿は厨子王を逃がし、自ら命を断つ。
偉くなった厨子王は、山椒大夫に奴隷解放をさせたのち、
母を探して佐渡へ渡り、盲人になった母と再会する。

まとめ方がヘタですけど、こんな感じ。
文体がなんというか、ハードボイルド、と言ったら変か、
きりっきりっと短い文章の積み重ねでリズムよく、
乾いててあんまり謳いあげる感じじゃなく、
でも、ここぞというところには、うっとりしてしまうような美しい一文を置くという。

安寿がかっこいいのです。
非情な運命に恨みつらみを吐くわけでなく、
ただ受け入れて黙々と働くだけだった安寿が、
ある日恐ろしい夢を見たことをきっかけに、豹変していくさまは、
すでに死を決意していたせいか、鬼気迫ると同時に凛としてうつくしい。

ラスト、厨子王と母との再会シーンは映像的でほんとに感動の名文なんですけど、
『そのうち臓腑が煮え返るようになって、獣めいた叫びが口から出ようとするのを、歯を食いしばってこらえた。』という厨子王の描写が印象的でした。不条理に対するやりきれなさが出てる気がして。

“歴史”の詞の通りの≪名作≫でした。
『渋江抽斎』はまだ読んでません。
ちょっとハードルが高そうだけど、
≪輝きは極限≫と歌ってるし……そのうちチャレンジしてみます。

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POSTED COMMENT

  1. e-ko より:

    おはようございます。東京の鴎外記念館いいですね。私も行ってみたいです。エレカシは確かに宮本さんが古いもの好き、読書家で博識なので、先生のお話聞いているとこちらも興味が湧いてきます。「かく語りき」で先生が上野の国立博物館を紹介されてたとおもうんですが(国立西洋美術館の方だったかな)以前地元紙に、鴎外が帝室博物館(現・東京国立博物館)の総長を務めていた時に書かれたという未完論文についての記事が載っていて、「おお~、宮本さんの好きな場所と鴎外が繋がった!」と思ってびっくりしました。「かく語りき」は先生の語り口、立て板に水の知識、好きな事を語る時の目のキラキラがたまりません。 こちらに知識がなくてもすごく興味をかきたてられます。「先生」という呼び名がまさにピッタリですよね^^*私も「歴史」を聴いて「山椒大夫」を読んだくちです。「阿部一族」も読みましたが、う~ん、私には難しかった。でも「昔の侍」の「昔の侍は 自ら 命を絶つことで 自らを 生かす道を 自ら 知ってたという」という一節が、これを読んで少し理解できた、気もします。 東京エレカシ所縁の地巡りがしたいです。ヨロレインさん羨ましいです~^^では、この辺で。失礼します。

  2. ヨロレイン より:

    e-koさん
    こんにちは♪
    森鴎外、今の国立博物館の総長を務めてたんですね~知りませんでした。
    すごい、つながってます!こういうの発見するとたまらなく嬉しいですねえ。
    >立て板に水の知識、好きな事を語る時の目のキラキラがたまりません。
    確かに!キラキラですよね。
    もう聞き手の人とかそっちのけぐらいのテンションですからね。ほんとにそそられます。
    やっぱり”歴史”きっかけで「山椒大夫」読まれましたか。
    私は「阿部一族」はまだなんです。
    そうかそうか「昔の侍」につながりますか。やっぱりこれは読まなきゃですね。
    森鴎外、これから読みたいのがたくさんあって楽しみ(遅いスタート…)。
    「かく語りき」もe-koさんのお話でまた見たくなってきてしまいました(^^)
    東京エレカシ所縁の地を巡る旅、いつかe-koさんもぜひ。
    でも私もそんなに詳しくなく、マニアックなところはわからないんです。
    (赤羽もデアに行って、あとはなんとなーくブラブラするぐらいで)
    またどこかエレカシ散策したらここでもレポートしたいと思います♪

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