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バンドとソロ(MUSICA2012年12月号)

遅ればせながら11月15日発売の「MUSICA」を読みました。

(以下、ネタばれあります)

俺、絶対にソロをやる
(MUSICA2012年12月号)



ここ読んだ時、びっくりしちゃって、「あぁ~?」と誌面に向かって思わず声をあげてしまいました。
驚きました。
先生、また物議をかもすことを……と思いながら読み進めていくと、なるほどというか、いろいろ考えさせられました。
このソロというのは、いつやるとか決まっているわけではなく、いつかはやりたいという、宮本さんの今の気持ちらしいのですが。

「絶対にソロをやる」に続く「バンドで復活することが自分の責任」という「責任」という言葉。

バンドを続ける、転がし続けるというのは、大変なことなんだなあと、あらためて感じました。
バンドの多くは長く続かない。ユニコーンもイエローモンキーもウルフルズもあれだけ人気がありながら解散・活動休止してしまいました(いろいろいますけど、個人的趣向のチョイス。ユニコーンは再結成しましたが)。
トータス松本は、先日「ゲストとゲスト」に出た時に、「メシで言うたら、冷蔵庫であるもんでしか作られへんけど、うまいものは作れる。スーパー行けば、ふんだんに食材があるから、それ買ってきてもうまいもん作れる。これは両方ともうまい。両方いいぞ、ってなればいいねんけど、20年もやったら疲れのせいか、目新しい方の良さをとってしまった」と語っていました。
吉井和哉も、ゲストとゲストの中で、「不安よりも疲れちゃったっていうのがまず先にきちゃいましたね。メンバーは大好きだったですから、自分が単に弱かったと思いますし、思いあがってたような気がしますし、一人でやってみたいって思っちゃったんですよね」と言っていた。
奥田民生は、ユニコーンが再結成するずっと前のインタビューで、「だから解散する時に一番悲しかったことはやっぱそこですよね。そりゃ続けたかったわけですよ、その、バンドというものは。要するにストーンズみたいになれなかったと、そういう挫折感みたいなものはありましたね。『失敗したぁ!』みたいな」と言ってて、
あまり本心を言わずはぐらかすタイプの民生がこういうことを言ってたので、やっぱりバンドに対する思いというのはかなり大きいんだな、と思いました。

MUSICAのインタビューの中で宮本さんは、バンドは表に見えてる部分だけじゃない、と言っていました。

リハーサルの鬼コーチからどうクールダウンして詞を作るっていう作業をやるかっていうさ
入院した時、助かったと思って嬉しかった、俺は少なくともここにいる間は安全だと思った、別に誰からも攻撃なんか受けてないけど――
(MUSICA2012年12月号)

とも語っていて、それもかなり驚きました。入院して助かったと思う心境って……想像を絶し過ぎてもう言葉がないです。

さかのぼってみると、昔のMUSICAの記事ではエピックの最後の頃、

セカンド以降、結果的には実験みたいなことをずっと重ねてきた末に、はっきりしたんです。アレンジもちゃんと僕が考えたほうがいい、みんなに委ねると、かえってみんなにとって負担になるんだって。だったら細かいことまで全部考えて、自分がやりたいことはこういうことなんだよってことをちゃんとみんなに説明して、やってもらったほうがいいんじゃないかって
(MUSICA vol.12 2008.4)

と、宮本さんがバンドの舵を握るのだと決意したというし、
エピックとの契約切れの頃には、宮本さんが一人でデモテープを持って奔走し、

「今の事務所の人が『給料、○△円出すよ』って言ってくれたのね。実はそれが一番嬉しかった(笑)」「とにかく僕は『これでみんなに対して顔は立った』と思ったのは凄く覚えてるんだけど」
(MUSICA vol.12 2008.4)

成ちゃんの奥さんにも顔が立った、とも言ってましたから。
そこまで考えてるんだと思ってこれも少し驚かされました。

こうやって考えてみると、ソロもありなのかなあと思いました。
正直「絶対ソロをやる」という発言は、本当に衝撃だったんです。
最近のインタビューでは、宮本さん自身、長年メンバーが変わらず続けているのがエレカシの良さ、みたいなことを繰り返し言ってたし、
ソロは体質的に肌に合わないのかと私が勝手に思い込んでたのもあったし。

本当にびっくりしたけど、だけど、冷静にいろいろ考えてみると、
ある程度そのへんは自由にやってみたらいいと思いました。
鬼コーチはたまには休んで、背負うものを取っ払って、純粋に表現という作業に没頭する時期が、長いキャリアの中であっていいと思うし、
他の三人にいい刺激になるんじゃないかとも思います。
別に急にいきなり石くんが鬼コーチになるとかそういうことではなくて……(石くんの鬼コーチ、ちょっと想像すると笑けてしまいますが。笑うところじゃないけど)
仮にソロが決まったとしても、他の三人は黙って受け入れるだろうし、
ソロが結果的に4人のためになるんじゃないのかなあ、という気もします。

やっぱり24年もの間、メンバーが誰も変わらず、ひとつのバンドでやり続けているっていうことはデカいと思う。同じ4人が相も変わらず、また”俺たちの明日”から挑戦している姿……そういう感じは、僕がリスナーだったら好きだなって思うしね。だからエレファントカシマシが持ってる安心感はデカいと思うなあ
(MUSICA2012年12月号)

こうも宮本さんは言っており。
もう、スタッフよりファンより、誰よりも冷静にエレカシのことを見てるんですよね。
ほんとにいつもすごいと思うのですが、
この冷静さが時に宮本さん自身を、かくあらねば、と縛ってきついこともあるのかもしれない。
だったら、一度解き放たれるのもいいんじゃないかと思ったのです。

いろいろえらそうに書き連ねましたが、エレカシはやっぱりバンドだと思うし、
4人が出す音、4人がステージに並んだ時のあのたたずまいを好きなことに変わりはないです。
宮本さん自身もそう思ってるだろうし、バンドを続けたいからこそのソロ発言なのかなあという気がします。
活動していく手法、手段として、いろいろ模索してるんだと思う。長いスパンで考えてるんだろうなと思います。

他のバンドで、誰かがソロをやるというと、ああ解散かなと思わせるバンドも時々いるけど、エレカシはそうじゃないし、バンドのかっこよさ、誰もまねできない武器を、自分たちでよくわかってると思うので。
「ROCK STORIES」でストーンズを「バンドなんだよね」と語っていた時の宮本さんのキラキラした目。あの目を信じていいような気がします。

いや~、ソロ発言、びっくりしました。思いもよらなかった。それもデビュー当時からソロやるソロやるって言ってたとは……
だけど、自分の中でいったん納得できると、少し興味もわいてきました。
どんな人と一緒にやるんだろうとか。描きたい景色も変わるんだろうかとか。
いつもと違う才能の扉が開いてしまうんだろうかとか。

友達とも、今日いろいろ話したけれど、「驚いたけど、納得できた」ということに落ち着きました。
ライブ休止中もいろいろ話題を提供してくださるエレカシのみなさん。
次は一体何で驚かせてくれるのでしょう。

鬼コーチぶりが炸裂しているDVD「扉の向こう」。

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