ダイノジの大谷さんがオールナイトニッポンを水曜日の深夜にやっていて、
http://www.allnightnippon.com/program/netsu/
いつかエレカシの話をしてくれないかなーと思い、
起きていられないので毎週録音していたんですけど、
ついに先日6月6日の深夜にエレカシの話題が出ました。
この日の番組のテーマというのが、ダイノジが若手の頃、
90年代に出ていた「銀座七丁目劇場」の思い出を語るというもので、
その流れでエレカシの話になりました。
・「銀座七丁目劇場」で衝撃を受けたのは極楽トンボ。1時間アドリブコントをやっていて、その無茶苦茶さがカルチャーショックでかっこよかった。
・大谷さんは芸人になりたての頃、とにかくかましてやれと思い、全然挨拶をしない作戦に出て、先輩芸人に叱られた。
・品川庄司とはバチバチだった。
・田中さん(ココリコ?)に食事に連れて行ってもらった時に、田中さんが極楽の加藤さんのことを嬉しそうに話していて、その話を聞いてるうちに自分も加藤さんのことを大好きになった。加藤さんが楽屋で相方の山本さんに「メシ食え」とよく言っており、その言い方があまりにかっこよかったので、自分もマネして相方の大地に「メシ食え」と言い続けた。すると大地は30キロ太ってしまった。
・「銀座七丁目劇場」であんまり出番がなかったので、他事務所のライブにも出ていた。でもやっぱり挨拶はせず、楽屋で芸人同士がゲラゲラ笑って盛り上がっていても、「その話、笑った方がいいのか」とケンカを売って、その場を凍りつかせたりした。「銀座七丁目劇場」でも似たような感じで、まったく居場所がなかった。そういう時に、唯一、相方の大地だけが、「いいよいいよ、そのとがった感じ」とほめてくれた。
……という感じの前フリのあと、エレカシの話に。
・エレカシは高校の時から好きだった。
・エレカシは当時まったく売れていなかった。なんならお客を怒鳴りつけて、座らせて、アンコールはやらない、最後はマイクを叩きつけて怒って頭かきむしって出ていくという、ものすごくアングラなバンドだった。
・高校時代ライブを見たかったが、エレカシは九州にはほとんど来てくれなかった。(ダイノジは大分県出身)
・メジャーの契約が切れたエレカシが下北沢シェルターでライブをやるというのを知った。そんな狭いところでやるバンドではなかった。まだエレカシ辞めてなかったんだ、契約が切れて、もう解散していたかと思っていた。
・ダイノジは劇場でも全然ウケず、そろそろクビになるんじゃないかという感じの頃だった。でもお金をかき集めチケットを買ってシェルターに行った。
・それまではMCもアンコールもしないエレファントカシマシだったが、シェルターでのライブではボーカルの宮本さんが煽っていた。もう「ベイビーベイビー」「オーイエーオーイエー」って言ってるんだけど、当時の宮本さんは全然上手くない。初めてサルが石器時代に道具使ったみたいなアワアワした感じでやっているのを見て、大谷さんはなぜだか涙が止まらなくなった。
・新曲、のちにメジャーの再デビュー曲となる「悲しみの果て」を聴いて、めちゃめちゃ前向きな曲だと思った。自分は今まで愚痴ばっかりだったけど、芸人なんかもう駄目かと思ってたけど、エレカシがこうやってもう1回やろうとしてるんだったら、俺だってやんなきゃだめだって思った。
・最後、アンコールをやって、びっくりした。エレカシってアンコールするんだ、と思った。アンコールでやったのが「花男」っていう(松本大洋さんのマンガ「花男」の元にもなった)、≪ニタリ ニタリと策士ども≫で始まって最後に≪やつらを笑って ワハハのハ≫っていうのを聴いてるうちにすっきりしちゃった。「銀座七丁目劇場」でいつか単独ライブをやって、エンディングで流してやると思った。
・「銀座七丁目劇場」でそのうち少しずつウケるようになって、当時はエレカシの「この世は最高!」を出囃子で使っていた。
……というような話のあと、「銀座七丁目劇場」の頃はこの曲が一番思い出深いかな、と言いながら、
「花男」がかかりました。
曲終わりで「今、エレカシ活動休止という形になってますけど、絶対戻ってくると信じております。宮本さんが何度も何度もそういうところから這い上がってきている、エレファントカシマシというバンドが立ち上がってきているのはずっと見ているので信じております」と大谷さんはおっしゃってました。
このラジオを聴いたあとで、あらためてブートレグのDisc1の「花男」を聴いてみました。この曲をライブで聴いて「すっきりしちゃった」っていうのがいいなあ。この話を聞いてると、芸人さんにエレカシ好きな人が多いのがちょっとだけわかるような気がしました。
エレカシの話じゃないところも面白くて、
加藤浩次をマネして大地に「メシ食え」と言い続けて太らせた話とか、
とがって孤立していた大谷さんのことを「いいよいいよ」と唯一ほめていた大地さんとか、
いい話だなあと思いました。
エレカシのライブを観ていると、ステージ上と自分と一対一になっちゃうような時があります。自分のためにメッセージを送ってくれているんじゃないかというような。
こう書くとなんだか痛い人みたいですけど、そういう要素もなくはないですけど、おおありか(笑)、
でも、なんていうんだろう、ライブで盛り上がってワイワイ楽しい、というのがありつつ、それとは別に、
その時その時に思い悩んでたり悲しかったり、本当に個人的な事柄に、それはささいなことであっても、
ステージからの歌や演奏が、ばしーっと、驚くぐらいストレートに響いて揺り動かされることがあるのです。
無理して虚勢を張っていたけど、ライブの1曲にズシンときて打たれて、
例えばもう少し素直になろうとか人にやさしくしようとか、そういうふうに思い至ったりして。
その1曲、その一瞬が、ライブでワーッと盛り上がってるさなか、不意に訪れるのです。
大谷さんの今回のラジオを聴いていて、なんとなくこんなことを思い出しました。
いろんな人のいろんな事柄、感情、喜び悲しみ憂い怒り、ひとつひとつに反射して、
やさしかったり、引き上げてくれたり、
さも、自分のために届けてくれているような一対一の感覚になるというか。
そういう感覚を万人に与えるから普遍的でいい曲ということなんだろうな。
CDを聴いていても、同じように感じるけれど、
ライブだとやっぱり刺さり方が違うんだよなーなんて思います。
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PAOの情報がでて、そわそわしています。
