明日(3/18)は石くんの誕生日ということで、
少し早いのですが今日は石くん特集でおとどけしてみます。
石くんが作詞、作曲にクレジットされている曲は、
「夢の中で」 作詞:宮本浩次・石森敏行/作曲:石森敏行
「ゲンカクGet Up Baby」 作詞:石森敏行・宮本浩次/作曲:石森敏行
「too fine life」 作詞・作曲:石森敏行・宮本浩次
「おまえと突っ走る」 作詞・作曲:ガンダーラコンビネーション(石森敏行・宮本浩次)
「遠い浜辺」 作詞・作曲:ガンダーラコンビネーション(石森敏行・宮本浩次)
「ろくでなし」 作詞・作曲:ガンダーラコンビネーション(石森敏行・宮本浩次)
「ろくでなし」はすごい好きな曲なんですけど、
ガンダーラコンビネーションだったんですね。遅まきながら今知りました。
この激渋な音、世界観――2002年4月にエレカシが登場した「the roots」(Viewsic)で、
石くんについて語っていた宮本さんを思い出します。
石くんは、アパートで男が一人暮らしをしてて、風呂もなくて、汚いとかっていうのにものすごく憧れを持ってたんですよ。男はそういうもんだみたいな、そういうものにすごく憧れてたみたい。自分がそうじゃないからかもしれないんですけど、彼(石くん)がね。なんつうんだろうなあ……わざと自分で一人暮らしして、風呂のないところ選んで、風呂ない人ってみんなやるんですけど、台所で、拾ってきたバケツにこうやって入って行水? それを人に誇るみたいな(笑)。で、ピーマンしょうゆ炒めを作ってて、わびしい、みたいなのが好きだったみたいですよね
2002年4月「the roots」
この話に「ろくでなし」がぴったりハマってしまう。
「それを人に誇る」というオチが完璧すぎます。石くんの愛すべきエピソード。
テレビに4人で出ても、近年は宮本さん一人がしゃべり、
周りの3人は黙っているというのが常ですけれど、
結成当時は全然そんなことなくて、
それは『風に吹かれて―エレファントカシマシの軌跡―』の最初の方を読んでもわかるし、
私が一番びっくりというか新鮮だなあと思ったのが、
『EPIC映像集』に入っている「ファイティングマン」~「やさしさ」でした。
石くんと宮本さんが渋谷のスクランブル交差点でしゃべってるやつ。
デビュー当時の映像で、これはほんっとに、このDVDで1、2を争うぐらい好きな映像なんですけど、
この中で宮本さんと石くんがだらだらしゃべってる。
タバコ吸いながら、タメ口でしゃべってる。タメ口。おお。と思いました。
同級生なんだから当たり前なんですけど、
今見ると、やっぱりハッとするシーンなわけで。
今こういう感じではしゃべらないので。少なくとも露出してるときは。オフはまた別かな。
で、このあと「やさしさ」が絶妙なタイミングで入る。ほんとにすごい映像で。
この後、時を経て、メンバー内の関係性も少しずつ変わっていったんだろうと思います。
相棒・石くんと宮本さんの間柄は本当に興味深い。ドキュメンタリー『扉の向こう』で、ギターアンプの目盛を変えただけで
宮本さんにすっとこどっこいと罵倒される有名なシーンがあるけれど、
2人でギターの弦を張り替えるシーンでは、
仲良さげな、見てるだけでほほえましい空気が流れていたりする。
多分、女同志だと「すっとこどっこい」と「ほほえましい弦の張り替え」は両立しない気がする。男同士でも両立しない場合はしないか。
なんとも不思議な、でも同時にうらやましい2人の信頼関係というか。
アルバム『風』で久保田光太郎氏というギタリストがプロデューサーで入ったときのこと。
2004年のbridge(vol.42 Autumn)で、
渋谷さんが、ギタリストがプロデューサーとして入ったことについて、
石くんはどう思っているのかと宮本さんに訊いていたことがありました。
自分(石くん)というギタリストがいるのに、第三者としてギタリストがアルバムに参加するというのは、
石くんはヤな感じなんじゃないかと。
まあイシくんはメンバーの中では思ってることを一番率直に僕に話す方で、それを自分の役割って思ってくれてるみたいで。それで、まあ僕も含めてイシくんも他のメンバーもやっぱり恥ずかしそうな感じはしましたね。彼は技術的には全く基本的には問題のない男なんですけどね、精神的な部分で自分の果たすことがあるんじゃないかっていうような悩み方をしてた気がします。ミヤジに遠慮してる気持ちがギターに全部乗り移ってしまってるから。まあ、光太郎は僕らをちゃんと年季の入ったバンドとして尊敬しながらも、音楽的には自分はこうしたいって割とはっきり――当然、それが仕事ですから――言いますから、そうすると自分も自分なりの基準を持ってミヤジと接した方がいいんじゃないかっていうように思ったんじゃないかな。ミヤジに支配されてそれを再現しようと務めるんじゃなくて、まあ、イシくんの基準でギターを弾くのがいいのかなあ、みたいにちょっと言ってたような気がしますねえ
2004年bridge(vol.42 Autumn)
石くんがこう思ってる、というのを宮本さんがインタビューで話すのは珍しいかもしれません。
「精神的な部分で自分の果たすことがあるんじゃないかっていうような悩み方をしてた」という石くん。
そしてそれを語る宮本さん。
いろいろありながら、ここまできてるんだなと思って、
またここで2009年の武道館の「男は行く」での2人の渾身のギターバトルを思い出して、ちょっとぐっときました。
俺はお前に負けないが
お前も俺に負けるなよ
エレファントカシマシ ”男は行く”
ステージ上で、宮本さんと石くんが並んでギターを弾く2ショットが心待ちでなりません。
おそらくは、石くん自身が一番待ち望んでいることなんでしょうね。
