7月14日、渋谷タワーレコードで開かれた山下監督とジョージさんのトークイベントに行ってきました。

時間が経ってしまいましたが、ちょっと書きます。
ほんとに一部で、言葉の言い回しが違ったり、順番もばらばらですが……こんな感じだったということで。記憶違いもあるかと思いますがご了承ください。
・山下監督のエレカシとの出会いは大学のとき。監督のデビュー作『どんてん生活』の“生活”は、エレカシのアルバム『生活』からいただいた。
・ジョージさんのエレカシとの出会いは、『東京の空』の頃、友達にいいバンドがいるよーという感じで強力にプッシュされた。『ガストロンジャー』にかなり衝撃を受けた。自分のラジオ番組でこの曲をかけながら、当時の怒りをワーーッと叫んだりしていた。
・今回のエレカシ映画の話がきた時、監督は今までドキュメンタリーをやったことがなかったが、エレカシだったから、もうやります!という感じだった。
・監督は、宮本さんに初めて会った時は緊張してしゃべれなかった。でも、会ってファンになってしまった。話しているうちに、宮本さんがやっぱり売れたいよねみたいな話になり、自分も実はそうで…という感じになり、すっかり人生相談みたいになってしまった。宮本さんはああいう感じでいつもテンションが高いけど、時折不安なようなさみしげな表情をふと見せる。そういうのを見られたのはよかったと思う。
・映画のお気に入りのシーン。ジョージさんは、メンバーが野音に行くくだり。いつもステージに立っている4人が、後ろからステージを見てる雰囲気が良い。
・監督がチョイスしたシーンは、宮本さんが元気そうだから、という理由で、宮本さんが暴君っぷりを繰り広げるスタジオシーン。(「トミ、スネア変えた? 音、嫌い」のあたり。石くんが股広げさせられたり腕立てさせられたり)
・監督曰く、宮本さんはメンバーに対してすごく厳しい。でも自分にはすごく気をつかってくれてその落差に面食らった。でも、宮本さんの厳しさの中にはユーモアがある。「納豆売り」とか。メンバーへの厳しさも、3人で微妙に違う。石くんに一番きつくあたる。
・メンバーがほんとに魅力的だったと監督。成ちゃんはとても客観的に見ているようなところがある。石くんはなんでも「はい、はい」と言っている。トミはとにかくしゃべらない。1時間半ぐらいインタビューしたが、実際にしゃべってくれたのは5分ぐらいだったんじゃないか。
・4人の関係は本当に独特で、言葉にすると安っぽいけど、絆や信頼で結ばれている感じ。
・映画に出てくるエレカシ以外のインタビュー相手の人選について。女の人も検討したけど、やっぱり男性で揃えることにした。
・インタビューの話の流れから、昔の映像をピックアップした。
・今回の映画の中で、山下敦弘らしさが出ているとすれば何か? という質問に対して、特にないが、あえて挙げるとすれば、エレカシ好きの自分がインタビュアーとしていろいろ話をきいたのはよかったんじゃないか。話を聞きながら、みんなエレカシのこと語りたいんじゃん!と思った。
・学生時代に自主製作の映画を撮っている時、エレカシの≪こんなもんかよこんなもんじゃねえだろ≫の曲にすごく背中を押されて元気づけられた。
・95年のシェルターの映像がよかった。映画は、この映像を軸にしていこうと思った。だから少し長めに使っている。
・自分の作品ではあまりないことだが、この映画は繰り返し見ることになると思う。
・ホテル(山梨?)で向井(構成をやった方)と一緒に酒を飲みながらエレカシ映画を見て泣けてしかたなかった。
・今回の映画について、「物語」を作ることも考えたが、やめて、とにかくそのままのエレカシを見せようという方針にした。まだ続いているバンドということもあり。
・エレカシ、絶賛準備中、みたいな映画にしたかった。ちょっと気持ち悪い言い方かもしれないけど、この映画のエンディング、クライマックスは9月の野音だと思っている。
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最初はジョージさんが一人で、スポーツ新聞(7月12日のエレカシ記事が出ていたニッカンスポーツ?)を読みながら登場、
記事を読みながら「エレカシ復活~?」と驚嘆の声を上げるジョージさんの小芝居(笑)に、
怒涛の拍手で会場が沸きに沸きまして、それはほんとにうれしかったです。
会場のみんなでワーッと拍手しながら、ジョージさんのアオりに「イエー!」なんて返しながら、
ちょっとしたライブ会場みたいな熱い空気でトークイベントは始まったのでした。
ジョージさんは、テレビで見る通り、熱くて、あたたかくて、ほんとにナイスガイで、ビビッドなオレンジ色のパンツが本当によく似合っていました。
山下監督は、おだやかな感じで、ジョージさんや客席からの質問にひとつひとつ、言葉を選びながらていねいに答えていらっしゃいました。
この映画の本当のエンディングは野音だと言うときに、「ちょっと気持ち悪い言い方かもしれないけど」と監督が言ってたんですけど(言葉は違うかもですが、こんな感じの言い方で)、そう言い添える監督のセンスがほんとに大好きで。
物語を作ろうとも思ったけど、そうはしなかったという話も、すごくいいなあと思いました。
物語を作りこんで、泣ける話にする選択肢もあったけど、それは選ばなかった。
映画は、そのままのエレカシを映し出していて。でも、結果的にそれは物語になってて。25年にわたりつむがれた物語。これからも続く物語。
監督の話を聞きながら、監督は、熱い人なんだなと思いました。
監督は一見、そうは見えないんですけど(ひょうひょうとしている感じで。監督の作品もどこかそういうテイストがあり)、
今回の監督のお話に少し「男・山下」が垣間見えたのがよかった。よかったというか、すごくいいなあと思った。
学生時代にエレカシの曲に勇気づけられたとか、向井さんと今回の映画見て泣いたとか。
監督がぽつんと、「今の時期にこの映画を撮れてよかった」とおっしゃっていて、
その「今の時期」の確かな意味ははっきりはわかりませんでしたが、
今の山下監督の精神的な部分に食い込んだ仕事だったんじゃないかと、
エレカシをカメラで追うことで、ご自身もかなりエレカシから影響されたものがあったんじゃないかと。
監督の、一言一言ていねいにエレカシを語る姿を見ていて、なんとなくそんな気がしました。
「この映画は繰り返し見ることになると思う」と言ってたのも印象的でした。
私もリピートしたいので、早くDVDか何かで売り出してほしいものです。気が早いけど。
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「めんどくせえ(仮)」の映像が、あまりにもかっこよすぎて何度も見てしまった。
この曲、かなり好きです。
