エレカシに限らず、音楽を聴くとき、私はあんまり歌詞カードをじっくり読みません。
気になったときに見るぐらいで……例えば、「ハロー人生!!」の「へいげいって何?」みたいな時に。
エレカシについて言えば、歌詞カード見なくてもよく聴き取れるから、というのもあるし、
詞と音が一体化した音楽をまずたのしみたい、というのがあったりして……なんか言えば言うほど言い訳がましいですが……
エレカシファンの風上にも置けない感じですね。
でも最近反省しております。
CDを引っ張り出して歌詞カードをぱらぱらと見てみたら、当たり前ですけど、ほんとにいろんな歌詞カードがあって、右綴じになったり左綴じになったり、「DEAD OR ALIVE」は上綴じだったりします。
ファースト、セカンドはごくごくシンプル、白地に歌詞がどーん。
「浮世の夢」から「奴隷天国」までは、歌詞が縦書き、これは、なんとなくわかる。詞の空気が縦書きっぽい。
「俺の道」からまた縦書きになって、黒地に明朝体の歌詞があふれるように印刷されていて、「俺の道」の世界観そのものというような。
「扉」の歌詞カードが、いいんです。
「歴史」がこんなことになっているとは……なんて言ったらいいのか、「一、 歴史…」「二、歴史…」「三、歴史…」と三段落のみ、改行が3回しかない。かっこいい。
「町を見下ろす丘」も縦書き。旧かな遣いがたくさん使われているから、やっぱり独特で。
友達は、歌詞カードをじっくり読んでから曲を聴くらしく、
「昇れる太陽」の「ネヴァーエンディングストーリー」の歌詞がいいなあ、と思って曲を聴いたら、
曲が意外な感じでびっくりした、と言っていました。
確かに。「ネヴァーエンディングストーリー」は、詞だけ読むと、
≪ふたりいろに染める旅へ≫とか≪今日はきっと昨日より素敵になりそうさ≫とか、わりと愛に満ちた幸せな雰囲気なのですが、
一方曲はマイナーコードで切ないのです。
でも、この曲はこのギャップがいいのかなあと思います。
こういう詞をあのはかなげなメロディにのせるから、幸せの中のひりひり感も浮かび上がるというか、情緒が出てる気がします。
詞の中にも「鳥が舞うように 俺も生きられりゃあ いくつも追い越してきた希望 再び目醒めるかな?」とあるから、実はけっこう切ない詞なんですね。
それぞれのアルバムの歌詞カードから、匂い立つ空気がありました。
今となっては詞を見ただけで音楽が鳴ってしまうから、言葉だけの感情ではないけれど、
音源聴いてるときとはまた違った、エレカシワールドが漂ってきました。はい。ほんとうにいまさらですが。
私は持っていませんが、エピックの頃にエレカシの詩集が出たこともあったようです。
ここはひとつ、24年間のエレカシの詞をまとめた詩集を、誰か出してくれないでしょうか。
いい感じの装丁に、いい感じの写真もあわせて。
写真は岡田貴之さんか、佐内正史さんで。
http://www.sanaimasafumi.jp/
なるべくたくさんの詞を載せてほしいです。
ふと手元に置いて、それだけでいい感じになるようなたたずまいのエレカシの詩集があったら、多少高くても買っちゃうんだけどなあ。