2021.06.12「宮本浩次縦横無尽」@東京ガーデンシアター(ライブレポ)

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「宮本浩次縦横無尽」に行ってきました。
あの日から何日も経ってしまって。今日は「sha・la・la・la」発売日だというのに。
遅ればせながらライブレポをお届けします。

宮本さんのバースデーライブも3回目。
太陽もお祝いするようにとても良いお天気でした。

会場は有明の東京ガーデンシアター(↓右側)。

電光掲示板にも「宮本浩次縦横無尽」。メインビジュアルのイラストは佐貫絢郁さん。

目次

サポートメンバー

サポートメンバーについては、事前に公式HPで発表がありました。

この4人が宮本の歌を強力な演奏とハートで全力で支えます

いま宮本浩次が最も信頼を寄せる男
このコンサートの司令塔 キーボードは
小林武史
多彩なギターの音色を操る魔術師 ギター名人
名越由貴夫
クールにベースを決めるロックベーシスト
キタダ マキ
宮本とのバトルが見もの 最高のビート 最強のドラマー
玉田豊夢

彼らの素晴らしい演奏にもご注目ください!
https://miyamotohiroji.com/juuoumujin/

SNS、公式レポなど

◆宮本浩次インスタグラム(ライブ当日)
コンサート演出は児玉裕一氏。

◆キタダマキ氏ツイッター

宮本さんのMC「上から読んでも下から読んでもキタダマキ!」への回答(笑)
宮本さんの「キタダキタダキタダキタダ!」というキタダコールに笑いをかみ殺していたキタダさんでした。先生曰く、お茶目な一面もあるそうです。

◆玉田豊夢氏ツイッター


メンバー紹介の時に宮本さんが「日本代表!」と言っていたのがツボでした。ドラムほんとかっこよかった!

◆SPICE/宮本浩次、自身のバースデーライブを文字通り”縦横無尽”な歌とステージングで完遂

◆ぴあ/宮本浩次、溢れる衝動で希望の歌を轟かす 有観客&配信で実現したバースデー公演『宮本浩次縦横無尽』レポート

◆音楽ナタリー/「音楽って素晴らしい!」宮本浩次がバンド編成で繰り広げた55歳のバースデーコンサート

◆rockin’on.com/渋谷陽一の「社長はつらいよ」/宮本浩次、ソロ・ライブ。「縦横無尽」をガーデン・シアターで見た。まるでデビュー・コンサートみたいだった。

◆rockin’on.com/山崎洋一郎の「総編集長日記」/宮本浩次の「バースデーライブ宮本浩次縦横無尽」、大成功に終わった

ライブレポ(感想)

私は注釈付きバルコニー席。コロナ対策のため分散入場だったため、いつもよりかなり早めに座席に着きました。
ワンツー、ワンツーというマイクチェック。
キーボード、ベース、ギターのサウンドチェック。
公演の注意事項を伝えるアナウンス。
場内に漂う白い煙。
少しずつ埋まっていくアリーナ席。
ライブが久しぶりな私は、そういった開演前のなじみの光景ひとつひとつに
じーんときておりました。

定刻17:30。ステージが暗転。
モノクロのイメージ映像(1966.06.12から現在までのカウントアップ。宇宙とか高速道路とか合間に宮本浩次のカットバック)。紗幕がつるされ、ステージが透けて見える。
沸き起こる拍手の中、紗幕の向こうに宮本浩次が登場。暗転したまま「夜明けのうた」が始まる。
闇の中をランプを持ち歩きながら宮本浩次は《あたらしい明日》へ導くように歌う。
震災後、「旅の途中」を仙台で繰り返し歌ったように、この曲にも「今」の思いを託しているのかもしれない。

紗幕が上がり、照明が明るくなる。地平線から濃紺の夜空へのグラデーション。
映しだされるメンバーのシルエットが本当に美しかった。すばらしいオープニング。
(※これは配信で確認。かなり鋭角から見る席だったので)

冒頭、驚いたのは「異邦人」のあと。
ステージ中央に、出っ張った四角いエリアがあり、そこに宮本さんが乗った瞬間、シュポッと柵が四隅から飛び出し(シュポッとほんとに音がした笑)、柵ごとせり上がるミヤジ!
これには私も含め客席周辺が「おおお~~」となりました(声出せないけど)。
歌うは「解き放て、我らが新時代」。
《しばられるな!》という演出だったのかな? 柵にぶら下がったり抱き着いたりゴンドラでノリノリで歌う宮本さん。あれはどうやら嫌いじゃないな。。

きみに会いたい -Dance with you-」は小林さんvsミヤジでアドリブのやりとりからの本編。スリリングな前奏でした。
キラキラディスコなLED。
今の宮本浩次は何だって歌えちゃうんだなあ、とほうっとなる。まさか宮本浩次がキラキラディスコで歌うようになるなんて!

カバーは、全部で6曲披露。
アルバム「ROMANCE」のジャケ写そのままの机と花瓶も舞台下手にセッティングされ。
特に「化粧」「ジョニィへの伝言」「あなた」のあたりは、中盤のクライマックスだったと思う。この流れは圧巻。
客席が聴き入って、圧倒されているのがよくわかった。
「化粧」の《愛してほしいと思ってたなんて》の後、腕を振りながら笑ったところ!
この曲は原曲がすごすぎて、もうカバーはやらないなんて宮本さんは言っていたけど。。いやーこの日一番の宮本劇場でした。
宮本浩次の表現力のすごさは十分わかっていたつもりだったけど、改めて感心してしまった。記録更新。本当にすごかった。曲に引き出されたものも大きかったんだろうな。

新曲「shining」は宮本さんのツェッペリン好きにちなんでか、名越さんが弓でボウイング奏法! かっこよかった~

「shining」のアウトロで宮本さんがステージからはけていなくなり、いないまま結構長く演奏が続くので、
もしや? この間あいはお着換え?。。と思っていたら、ホントに白スーツのミヤジが出てきて度肝を抜かれたのでした。
これは25周年の風船奴隷天国に続くサプライズ。
ライブ直前に公開された「sha・la・la・la」のMVが前フリだったとは手が込んでいる!(笑)

白スーツ1曲目「獣ゆく細道」は一人でやってもめっちゃかっこよかった。床ゴロゴロもやってくれて大サービス。

「宮本、独歩。」の中で一番楽しみにしていたのが「Do you remember?」だったので、宮本さんが曲前に「Do you remember!」と叫んだ時にはバルコニー席で小躍りしました。
音源を聴きながら、終盤の《Do you!》《Do you!》のかけあいの横山健パートを一人勝手に練習していたので(笑)、ほんと、個人的には悲願の「Do you remember?」でした。
靴を脱いだのはなんだったんでしょうか。時々脱いでるけど。そしてズボンの裾をまくり上げる。曲が終わるときちんと元に戻す(笑)。
しかし、だいぶ曲数こなした中盤、「獣ゆく細道」「ロマンス」の次という位置にこの曲を持ってくるか?と思いました。すごいなあ。さすがにキツそうだったけど、そのきわどさにぐっときたりもして。

バックスクリーンにはらはらと雪が舞い散り「冬の花」。
「Do you remember?」から「冬の花」の流れ! このふり幅はいつものことながら反則技です(笑) 頭ぐらぐらになります。

P.S. I love you」で第1部終了。
第2部は「Passion」で始まり、スカパラとのコラボ曲「明日以外すべて燃やせ」も1人でやって、エレカシ曲3曲やってから怒涛のソロシングル3連発(「昇る太陽」「ハレルヤ」「sha・la・la・la」)で締め。
一番新しい曲で締めるなんて。今絶好調なんだろうな。

アンコールは、宮本さんが紙切れを手に出てきて、紙切れは一体何??と思っていたら、できたての曲を小林さんのピアノでやると。歌詞を書いた紙だったようです。この新曲は配信されてなかったんですね。
サビで「光の世界」と歌われていました。スローなテンポの美しいバラードでした。ちょっと神々しい感じ。歌詞、もっと覚えてくればよかった。配信があると思って油断。。

歌に入る前に、宮本さんと小林さんが少しトーク。
小林さんがエレカシのアルバム「ライフ」をプロデュースしたことについて、あれはおとなしめのアルバムで・・などと言っていたのが意外でした。
たしかに、その直前がイケイケな「good morning」だったので、小林さんとしてはバンドの方向性とかいろいろ気になっていたのかな。
一方宮本さんは、「ちょっと告白していいですか」と前置きして、その「ライフ」の頃、夢に定期的に小林さんが出てきたんです、と言っていました。告白(笑)。月に1回くらい出てきたんだそうです。いい意味で夢に出てくるというニュアンスだったと思います。
宮本さんは当時も音楽の面だけじゃなく精神的にも頼ってたんでしょうねえ。
歌の前のこのしばしの会話、20年前のことを今さらのようにお互い打ち明け合っているのが、なんかいいですよね。時間が経つといろんなことが言えるようになるものなんですね。

ちょっと前の記事ですが、宮本さんと小林さんのトーク

ap bank fes’10 Special Talk 2010.07.16
小林武史×宮本浩次(エレファントカシマシ)
http://archive.eco-reso.jp/talk/miyamoto/

宮本君!歌って!のところが何度読んでも私は笑えて仕方ないのですが、でもいいトークです。メンバーの話や浮世絵の話も出てきます。

おっと。話が逸れました。

楽しみにしていた演出については、注釈付きの席だったので、その場ではあんまり享受できず、家に帰って配信で「そういうことだったのか~」ということが多かったです。。

  • バックスクリーン(LED)で曲に合わせていろんな映像
  • 古代ギリシャかローマみたいな柱
  • 夜明けのうた→透ける幕、ランタン
  • 解き放て、我らが新時代→お立ち台(ゴンドラ)
  • shining後→お着替え(白スーツ)
  • 冬の花→赤いハートの花びら

他にもいろいろありましたけど、ほんとにいろいろやってくれました。面白かったです。楽しませて頂きました。稀代のエンターテナーですね。
しかしお立ち台とお着替えはびっくりした!
「夜明けのうた」は、本当に美しかった。お見事。

宮本さんはほとんどギターを持たず、持ったのは「今宵の月のように」だけでしたか。ずっとハンドマイクで、100%歌係り。
歌のすごみを見せつけられた2時間20分でした。
「化粧」も「Do you remember?」も、「冬の花」も「ガストロンジャー」も。
本当にいろんな曲を歌うもんだなあ。エレカシの時も思うけれども、それよりも多彩な気がしました。
歌手・宮本浩次の前では、フォークとか歌謡曲とかパンクとか、そんな枠組は関係ないのでしょうね。ソロでは特に。

2部の終わり、ストーンズ風のあいさつ(メンバーで肩を組んでおじぎ)をして、ちょっとハラハラしました。それはエレカシ恒例のもので・・・ミヤジはトミと石くんにはさまれて、ミヤジは足ぶらぶらして・・・などと過去の記憶が頭をよぎりまして。
宮本さんにとっては他愛のないことなんだろうけれど。

ソロライブでエレカシの曲をやるということについて、あとになっていろんな意見があることを知りました。ライブに行けたこと、いい歌が聴けたことが自分にはうれしくて、なかなかそういうギロンにまで気持ちがいかない。
そういう意見もあるんだな、なるほどなあと思うし、違うなあとも思ったり。。。

実際ライブでの感想は、ソロでやるエレカシの曲は別物だという感じです。当たり前ですけど。エレカシの曲はエレカシでやるのが一番だけど、ソロのバンド編成でやるのはそれはそれ、と言う感じ。
悲しみの果て」はエンディングのアレンジがちょっと大御所感増で、私はエレカシ本家の方がシンプルで好き。
ガストロンジャー」と「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」は各楽器をフィーチャーしやすいから選曲されたというのもあるんでしょうね。「あなたの・・」は「ライフ」で小林さんがからんでるし。これは大好きな曲なので単純にうれしかった。
「ガストロンジャー」の名越さんのギターはかっこよかった。「ガストロンジャー」はギタリストの色が出るから面白いです。チャボさんがやった時もめっちゃかっこよかったし。石くんがどうという話じゃなくて、興味深いという意味で。

でも、そんなギロンが熱く巻き起こるなんて、エレカシはなんて愛されているバンドなのか、とも思います。
ちょっとソロ活動が長くなって、エレカシが足りない状況なのでなおのこと。

私だってエレカシのライブに行きたい。長く思い入れがあるのはエレカシの方なので。ソロを見るとよりその思いが強くなります。
今年こそ野音の中に入りたいと思うし。無理だろうけど!(いじけ気味)

宮本浩次はライブ中「音楽ってすばらしい!」と言った。2回くらい言ったと思う。
音とリズムを全身で浴び、大好きな歌を歌う。音楽という海で楽しそうに泳いでいるように見えました。
30年以上、透徹した美学でエレカシという屋号を守り引っ張ってきた男。
ストイックにそれを背負う姿はほんとにかっこよかったけど、しばしの間、自由に音楽を追求し表現に徹するというのもいい時間なのだと思う。なんかえらそうですけど(汗) このソロ活動で得たものは本家の活動にきっといい影響を与えるはずだし。
50代で新しいことにチャレンジしているのがまずすごい話だなと思う。今さらですけど。
エレカシでの活動が期待されていることを本人は重々承知の上で、かなりの覚悟と緻密な計算の上でソロをやっているのだろうとも思う。ファンの間に漂っている空気感を、かなりのたしかさで宮本さんは把握しているのでは、とここ数年は思うようになりました。

とはいえバンドとソロの比率はどうなっていくのかなあ、というのは気になっております。
勝手にソロとエレカシの活動計画を立てて勝手に盛り上がっている私です。

久しぶりのライブは注釈席でかなりの鋭角から臨むかたちだったけれど、バルコニーの一番前で視界は良好でした。時々端っこまできていろいろやってくれたりして大満足。

・・・というわけで、デリケートなギロンも起きた今回の「宮本浩次縦横無尽」。
私は本当にライブに行けてうれしかったです。って小学生の作文みたいですけど(笑)
エレカシほど楽しめないんじゃないかと思ったけど、宮本浩次ソロライブ、よかった。しっかりちゃんと楽しかった。
声援禁止だったけど、やっぱり声、出ちゃいます。私はそんなに出してない方だと思っていたけど、やっぱり出してたんだなあ。
好きな曲のイントロとか流れるともう、もれ出るというか・・・
それに、演者の人も声援を待ってる感じがして。思い違いかもしれないけど。
あーじれたかった。
キャーとかワーとか言って伝えたいってしみじみ思ったなあ。
ひたすら拍手するしかないというのがもどかしかった。
宮本さんは伝わってるって言ってくれたけど。
ライブはコミュニケーションなんだなあと改めて思いました。

2021.06.12「宮本浩次縦横無尽」セットリスト

【第1部】
01.夜明けのうた
02.異邦人
03.解き放て、我らが新時代
04.Going my way
05.きみに会いたい -Dance with you-
06.二人でお酒を
07.化粧
08.ジョニィへの伝言
09.あなた
10.Shining
11.獣ゆく細道
12.ロマンス
13.Do you remember?
14.冬の花
15.悲しみの果て
16.P.S. I love you
【第2部】
17.Passion
18.明日以外すべて燃やせ
19.ガストロンジャー
20.今宵の月のように
21.あなたのやさしさをオレは何に例えよう
22.昇る太陽
23.ハレルヤ
24.sha・la・la・la
【アンコール】
25.新曲

よかったら(^^)
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