ひょんなことからこの告知ムービーを思い出しました。
DVD「ROCK’N ROLL BAND FES&EVENT LIVE HISTORY 1988-2011」(以下「LIVE HISTORY」)の告知ムービーなのですが、大好きな映像です。ボリュームも3分以上あって見応えがあります。
エレカシは、野音や武道館などの単独コンサートを収録した映像が多い中で、「LIVE HISTORY」のようにフェス映像をまとめたDVDは珍しい作品だと思います。
久しぶりにこのDVDを観たので、今日は記事にしてみることにしました。
DVD「ROCK’N ROLL BAND FES&EVENT LIVE HISTORY 1988-2011」について
基本情報
ROCK’N ROLL BAND FES&EVENT LIVE HISTORY 1988-2011[DVD]
2011年11月16日発売
全72曲 約245分
このDVDが発売されたのは2011年。シングル「ワインディングロード/東京からまんまで宇宙」と同日の発売でした。
全72曲、245分という、ものすごいボリュームです。Disc2の一部ではダイジェスト編集もあり、全部が全部フル尺で入っているわけではありませんが、それでもすごい曲数です。
昔は映像作品がそれほどなく、エレカシと言えば1998年の武道館、2002年の渋公、2004年の「扉の向こう」くらいでした。
それがユニバーサルになってから、映像作品のリリースも少しずつ増え、2011年はこの「LIVE HISTORY」の他にも、エレカシ初期の映像を集めた「エレファントカシマシ EPIC映像作品集 1988-1994」も発売されています。
また「LIVE HISTORY」はロッキング・オン社のフェスも多く収録されており、リリースにあたっては同社の全面協力がありました。
rockin’on.comの記事
2011.10.20/エレファントカシマシ、ニューシングルの初回盤特典DVDの内容や、同日リリースのライヴDVDの全貌などを公開
2011.11.09/エレファントカシマシ、11月16日リリースのライヴDVDのダイジェスト映像をアップ
2011.11.15/エレカシのすごいDVD
2011.12.01/エレファントカシマシ・宮本浩次、アマチュアから現在までのライヴの変遷を語る
収録曲 Disc 1:2000~2011年(ロッキング・オン社主催フェス)(約119分)
- ガストロンジャー (歴戦のガストロンジャー)
- Soul rescue (ROCK IN JAPAN FES. 2000)
- so many people (ROCK IN JAPAN FES. 2000)
- 悲しみの果て (ROCK IN JAPAN FES. 2001)
- 四月の風 (ROCK IN JAPAN FES. 2002)
- 歴史(前夜) (ROCK IN JAPAN FES. 2003)
- 生きている証 (COUNTDOWN JAPAN 03/04)
- 友達がいるのさ (ROCK IN JAPAN FES. 2004)
- 化ケモノ青年 (COUNTDOWN JAPAN 04/05)
- デーデ (ROCK IN JAPAN FES. 2005)
- やさしさ (COUNTDOWN JAPAN 05/06)
- シグナル (ROCK IN JAPAN FES. 2006)
- 花男 (COUNTDOWN JAPAN 06/07)
- 俺たちの明日 (ROCK IN JAPAN FES. 2007)
- 桜の花、舞い上がる道を (COUNTDOWN JAPAN 07/08)
- 笑顔の未来へ (ROCK IN JAPAN FES. 2008)
- 絆(きづな) (COUNTDOWN JAPAN 08/09)
- ハロー人生!! (ROCK IN JAPAN FES. 2009)
- ハナウタ~遠い昔からの物語~ (COUNTDOWN JAPAN 09/10)
- 風に吹かれて w/Chara (JAPAN JAM 2010)
- リッスントゥザミュージック (ROCK IN JAPAN FES. 2010)
- COUNTDOWN~今宵の月のように (COUNTDOWN JAPAN 10/11)
- 雨あがりの夜空に w/CHABO、泉谷しげる (JAPAN JAM 2011)
- ファイティングマン (ROCK IN JAPAN FES. 2011)
収録曲 Disc 2:1988~2011年(約125分)
- リハーサル~ファイティングマン (1988.4.10 MUSIC WAVE SPECIAL/汐留PIT)
- デーデ (1988.8.7. Rock’n Roll Olympic ’88 仙台 /スポーツランドSUGO)
- 奴隷天国 (1992.12.30 PatiPati TOMATO SPECIAL/渋谷公会堂)
- 孤独な旅人*~悲しみの果て* (1996.8.25 GOOD STOCK ’96/札幌芸術の森野外ステージ)
- good-bye-mama*~真夜中のヒーロー*~土手*~旅の途中*~ビリージャー(1999.7.24 LUST FOR LIVE act.2/赤坂BLITZ)
- 四月の風* (1999.7.25 MEET THE WORLD BEAT 1999/大阪万博記念公園もみじ川芝生広場)
- 何度でも立ち上がれ*~ロック屋(五月雨東京)*~生命賛歌*(2003.8.02 SUMMER SONIC 2003 大阪/WTCオープンエアスタジアム)
- 一万回目の旅のはじまり*~友達がいるのさ*~歴史*~どこへ?*~パワー・イン・ザ・ワールド*(2004.8.11 GG04/SHIBUYA-AX)
- さよならパーティー*~悲しみの果て*~男餓鬼道空っ風*~風に吹かれて~俺たちの明日(2007.8.18 RISING SUN ROCK FES. 2007/石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ)
- 笑顔の未来へ*~新しい季節へキミと*(2008.8.31 SWEET LOVE SHOWER 2008/山中湖交流プラザきらら)
- 新しい季節へキミと* (2008.8.23 SOCIETY OF THE CITIZENS 2008/JCBホール)
- チャンスは今夜 (2008.10.12 野郎共の競宴/SHIBUYA-AX)
- 絆(きづな) (2009.4.25 ARABAKI ROCK FEST. 2009/エコキャンプみちのく)
- 今はここが真ん中さ!* (2009.7.26 STILL20 MEET THE WORLD BEAT 2009)
- おかみさん* (2009.8.7 SUMMER SONIC 2009 大阪/大阪舞州サマーソニック特設会場)
- おはよう こんにちは (2009.8.9 SUMMER SONIC 2009 東京/千葉マリンスタジアム)
- ジョニーの彷徨*~BLUE DAYS* (2009.8.14 RISING SUN ROCK FES. 2009)
- 今宵の月のように (2009.8.30 SWEET LOVE SHOWER 2009)
- 幸せよ、この指にとまれ (2010.5.01 ARABAKI ROCK FEST. 2010)
- 俺の道~今をかきならせ*~FLYER* (2010.5.30 ROCKS TOKYO 2010/若洲公園)
- 女神になって*~はじまりは今 (2010.7.19 ap bank fes ’10/つま恋)
- ファイティングマン*~so many people*~太陽の季節* (2010.7.23 GG10/SHIBUYA-AX)
- リッスントゥザミュージック*~明日への記憶* (2010.8.14 RISING SUN ROCK FES. 2010)
- 明日への記憶*~待つ男 (2010.8.29 SWEET LOVE SHOWER 2010)
メンバー座談会 司会:山崎洋一郎(ロッキング・オン)
※タイトル*表記のある曲は、ダイジェストで収録
20代から40代のエレカシが時系列で見られる
このDVDの特徴は、1988年のデビュー当時から2011年までのエレカシが時系列で見られること。20代から40代までのエレカシが1つのDVDの中で楽しめるというなんともお得な1枚です。
おすすめはDisc 1のロッキング・オン社のフェス。
ROCK IN JAPANは、エレカシが第1回からずっと出演してきたイベントですが、一番大きかったGRASSステージから、小さいキャパのステージになってしまう時期もありました。長くやり続けることがどれだけ大変なことか。時系列でつなぐことで、バンドの歴史も自ずと浮かび上がります。
特典映像付き:山崎さんとメンバーの座談会
ライブを振り返る座談会の映像が特典として付いています。
司会は山崎洋一郎氏。エレカシのメンバーは4人揃っていますが、基本は宮本さんと山崎さんのトーク。あの時のライブはああだったこうだった、と思い出しながら語る宮本さん。
DVDにはロッキング・オン社のフェスのセットリストも付録でついています。座談会はこのセットリストを中心に進行しています。
関連情報
2012年のJAPANでは、このDVDの副読テキストとしてのインタビューを掲載。記事後半は、時期として震災後の悪魔ツアーに関する発言もあり貴重な内容になっています。
ROCKIN’ON JAPAN 2012年1月号
「エレファントカシマシ 30年のライヴの変遷をたどる」
DVD「ROCK’N ROLL BAND FES&EVENT LIVE HISTORY 1988-2011」の見どころ9選
それではわたしが独断と偏見で選んだDVDの見どころをピックアップしてみたいと思います。
Soul rescue ~ so many people (ROCK IN JAPAN FES. 2000/Disc1)
第1回目のROCK IN JAPAN FES.の映像です。
まさに宮本さんがTBSの「フレンズ」というドラマに出ていた頃で、髪型が「本城直哉」なところにもご注目。「本城直哉」を演じながら「Soul rescue」を絶叫するミュージシャン。すごいふり幅!
アルバム「good morning」をリリース後、勢いをそのままぶつけたようなステージです。今も皆さん素敵ですけど、30代半ばの危うい狂気をはらんだたたずまいは、今映像を見ても溜息が出るほどのかっこよさです。
good-bye-mama~真夜中のヒーロー~土手~旅の途中~ビリージャー(1999.7.24 LUST FOR LIVE act.2/Disc2)
これは、なにしろトミですね。「good-bye-mama」のイントロのドラムのまあかっこいいことといったら。
加えて、このダイジェストには「真夜中のヒーロー」や「土手」や「旅の途中」といったレア曲がてんこ盛りになっております。未発表曲の「ビリージャー」まで!
ハロー人生!! (ROCK IN JAPAN FES. 2009/Disc1)
この2009年のRIJF、私行きました。エレカシとユニコーンが同じ日に出たので(それまではエレカシと民生がなかなか同日にならなかった)。
「ハロー人生」は意外な選曲だったけどめっちゃかっこよかった。
見どころとしては、素朴な石くんの髪型と、ヘッドロックされる石くんです。石くんから目が離せない映像になっております。
風に吹かれて w/Chara (JAPAN JAM 2010/Disc1)
Japan Jamは、当初はその名の通りコラボがテーマの音楽フェスでした。
第1回目の年にエレカシが共演したのはCharaでした。今とは違い、エレカシが他アーティストとからまない(ほぼ)鎖国状態だった頃です。「あのCharaと共演するの?!」と私たちファンは騒然となったものです。
宮本さんとCharaの、目を合わせるか合わせないかすれすれの絶妙な距離感をお楽しみください。
COUNTDOWN~今宵の月のように (COUNTDOWN JAPAN 10/11/Disc1)
鑑賞ポイントは、足元の時計を見ながら段取りを気にして落ち着かない宮本さんとそれを見守るトミ。30秒前から張り切ってカウントダウンをはじめるものの、後半はすっかりお客さんに任せてしまう総合司会をお楽しみください。
女神になって~はじまりは今 (2010.7.19 ap bank fes ’10/Disc2)
「女神になって」、レアな選曲! ap bankで小林さんがいるから「ライフ」の曲選んだのかな。「はじまりは今」がまためちゃめちゃ良いです。いい曲ですね。
太陽の季節 (2010.7.23 GG10/Disc2)
「太陽の季節」、これもかっこいいです。激渋。宮本さんが男椅子に足をかけて前傾姿勢で弾き語る姿がステキです。
チャンスは今夜 (2008.10.12 野郎共の競宴/Disc2)
エレカシの4人に多大な影響を与えたRCサクセション。CHABOのバースデーライブにお呼ばれしたエレカシが演奏したのがこの「チャンスは今夜」でした。
エレカシがRCを好きで「BLUE」を丸ごとコピーしたのは有名な話。
見どころとしては、宮本さんがアコギをかき鳴らし、歌に入ったところで「おおおーーー」と会場がどよめくシーン。
そして、石くんの渾身のコーラス。RCをカバーしていた若き日のエレカシが目に浮かびます。
Disc1には、CHABOさん、泉谷さんとやった「雨上がりの夜空に」も入っているし、Disc2の座談会では、「スローバラード」もほんのちょっと入っています。貴重!
宮本浩次、バケツの水かぶり(2008.8.31 SWEET LOVE SHOWER 2008,2009.4.25 ARABAKI ROCK FEST. 2009/Disc2)
ライブやイベントで、雨が降ったら宮本さんがバケツの水を頭からかぶる、という儀式がありまして。野音でもよくやっていました。
お客さんが雨に濡れてるから、自分も濡れておあいこだーみたいな感じのようです。
このDVDにはそんなバケツシーンが2つも収録されております。すばらしい。2つのバケツを袖からえっさほいさ運んできて1こずつ水をかぶる宮本さん、最高です。
DVD「ROCK’N ROLL BAND FES&EVENT LIVE HISTORY 1988-2011」のはずせない4曲
歴史(前夜) (ROCK IN JAPAN FES. 2003/Disc1)
Amazonのレビューコメントを読むと、この「歴史前夜」を求めてご購入された方もいらっしゃるようす。伝説の「歴史前夜」です。
「歴史」は15枚目のアルバム「扉」の1曲目ですが、そのリリースの約半年前、ロックインジャパンフェスで歌詞のない状態で初披露されました。
宮本さんはデタラメ英語で歌っているわけですが、これがかっこいい。
おすすめポイントとしては、即興の歌のあとぼそっと言う「楽しもうぜ」。そして宮本さんのギターリフに成ちゃんのベースラインが入る。かっこいい!
「歴史」に歌詞を付ける様子はドキュメンタリー映像「扉の向こう」で見ることができます。
俺たちの明日 (ROCK IN JAPAN FES. 2007/Disc1)
ロックインジャパンフェスで、この前年から2番目のキャパのレイクステージになってしまったエレカシですが、「俺たちの明日」、めちゃくちゃいいライブアクトです。できたての自信作「俺たちの明日」を届けようとする熱量がものすごい。再スタートを切ろうとしているバンドのいい空気感が伝わってきます。
風に吹かれて (2007.8.18 RISING SUN ROCK FES. 2007/Disc2)
これも伝説の「風に吹かれて」。
エレカシにとって初めてのRISING SUN ROCK FES.だったのですが、このフェス終了後、ファンの間で話題になりました。ライジングサンのエレカシがとにかくすごかったようだと。
映像見てみてください。もう泣いちゃいます。お客さんの熱くてあったかい感じもよく伝わってくるし、それにこたえるように宮本さんの歌もどんどんすごくなっていくのです。
宮本さん、最後に「史上最高の風に吹かれてだったぜ! みんなありがとう!」と叫んでいます。
友達がいるのさ (ROCK IN JAPAN FES. 2004/Disc1)
このDVDと言えば「友達がいるのさ」。これも絶対はずすことはできません。このためにこのDVDを買っても損はしないと思う。
座談会で宮本さん自身も言っていますが、歌がほんとにいい。
途中で入る、ステージ裏からのショット。空が青くて、お客さんがたくさんいて。もうその景色だけでも泣けてきます。
<ゆっくり行こうよ>のあと<いやいや走れーーーーー!>と叫ぶところでいつもぎゅっと胸をつかまれます。
ROCK’N ROLL BAND FES&EVENT LIVE HISTORY 1988-2011[DVD]
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今は宮本ソロの新曲とか、6月のバースデーライブが話題だというのに、今日はなぜか10年前に発売されたDVDのお話でした。
フェスの映像を見返してみて・・・なんだか、遠い国のことみたいです、コロナ禍の今みると。
何万もの人が汗かいてひしめき合って、声援を送って、空の下で一緒に歌を歌って。
もうあんなふうには戻らないという人もいますけど。どうなんでしょうか。戻らないのかな。うーん。戻ってほしいものです。その素晴らしさを知る者としては切に願うばかりです。
宮本さんのお誕生日ライブ、ファンクラブ先行、一般優先ははずれてしまいました。一般二次先行もエントリーしたけど、なかなかむずかしそう。
なかなかライブに行けず、干からびそうです(笑)