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リリース
MV
ライブ
ライブ映像
ライブDVD「桜の花舞い上がる武道館」
新しい季節へキミと
(2009年日本武道館”桜の花、舞い上がる武道館”2009.04.11:「All Time Best Album THE FIGHTING MAN」【初回限定盤】映像特典)
ライブ音源
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ナタリー/エレカシ、廃盤だった「奴隷天国」復刻&諸作品再発
https://natalie.mu/music/news/18816
http://tower.jp/article/series/2010/01/15/1928
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2009年のトピック
私の10のルール
前年にも増してテレビ・ラジオ・雑誌など精力的に露出していた2009年。
中でも記憶に残っているのが「私の10のルール」というTBSの深夜番組です。
今はもうないドキュメンタリーなのですが、各界の著名人に密着しながら「10のルール」を引き出すという主旨の番組で。
てれびのスキマ/全身全霊で伝えるということ 〜宮本浩次のルール〜
http://littleboy.hatenablog.com/entry/20090523/p1
『1989年のテレビっ子』や『笑福亭鶴瓶論』などの著書を持つてれびのスキマさん。
私はテレビやお笑いも好きなので、そういう入口でスキマさんのブログを愛読していたのですが
スキマさん、エレカシについてはこの「私の10のルール」を切り口に記事を書かれています。
宮本浩次という人物像に焦点を当て、爆笑問題の太田さんを引き合いに出し、スキマさんらしい視点の愛あるとてもすてきな記事でした。
私がこの番組で印象的に覚えているのは
宮本さんがエレベーターの中でうつむいて「売れろ売れろ」と念じるようにつぶやいていたシーン。ちょうどこの番組の取材時期が「昇れる太陽」の発売前後だったんですね。
スタッフに週間チャートの順位を知らされた宮本さんは
「週間で三位ってことですか? ああ嬉しいですね。一番最高で二位だったから、次こそ」
「私の10のルール」
「丁寧に作って丁寧にプロモーションして丁寧にコンサートやって。繰り返しだ」
「(スタッフに「嬉しいですね」と言われ)嬉しいですね~! だってあんなにいっぱいCD出す中の三番目ですよ。ま、上にもいるんだけど。でもこんなに嬉しいことはないなあ、俺」
宮本さんはセールスに敏感でかなり売れたがっている人だということは以前からインタビューでも言っていたので知ってはいたけど、実際売れて、嬉しそうにしている姿というのは、実はそれまで見たことがなかった。
こういう映像を見るというのは、なんと言うのでしょうか
こんな感じになるんだなーという感じでハッとさせられるというか、じーんとするというか、
非常に、この時の映像にはぐっとくるものがありました。
「繰り返しだ」という言葉の言いよう、あれは、喜びを抑制しているのもあるでしょうし、実際にそういう姿勢なのだろうなぁ、という感じがし、この言葉もとても印象的でした。
エレファントカシマシpresents「太陽と月の下の往来」@大阪城野外音楽堂
エレカシが主催するという意味ではたしか初のイベントだったかと思います。
<1日目>tacica、チャットモンチー、エレファントカシマシ
<2日目>GRAPEVINE、Base Ball Bear、エレファントカシマシ
私は大阪に遠征しまして、1日目のチケットを取って参戦、2日目は外聴きでいいかな~と思ってたんですけど、
2日目、外で聴いているうちにいてもたってもいられず、当日券を買って中に入って見た・・・というなかなかないことを経験しました笑(芝生の立ち見だったけど、当日券がありました)
どこかのアーティストがイベントをやる、というと、ホストとゲストがコラボして云々・・・というのが必ずあったりしますけど
このイベントは特にそういうのもなく。
ひとつとても記憶に残っているのは、チャットモンチーが練習してきました!と言って「悲しみの果て」を演奏したこと。
それがすごくよくてですね
私はそれまで、生で、他のバンドが「悲しみの果て」をカバーしているのを見たことがなかったというのもあったし、
チャットモンチーの、当時は3人でしたけど、力強い演奏と、えっちゃんのあのくもりのない歌声、非常にこのカバーには感銘を受けました。
なので、先だって発表されたチャットモンチーの活動休止のニュースはとっても残念で。
tacicaというバンドは初めてだったけど、音がすごく洗練されてて声もいいなあ、と思って聴いていたのですが、
そのtacicaさんは、そののち2013年に「リッスントゥザミュージック」をカバーをすることになります。(『エレファントカシマシ カヴァーアルバム2 ~A Tribute to The Elephant Kashimashi~』)
8年ぶりの武道館
この年は恒例の新春ライブがありませんでした。
武道館をやるから、(動員の面で)新春はないんだろうなあ、と漠然と思ってましたが
改めて当時の空気として、8年ぶりの武道館を成功させたい、
逆に言うと、果たして武道館が埋まるのか? 大丈夫なのか?
という心配も実際あったようにも思うのです。
2001年の武道館はあからさまに客が入りませんでした。
「東京の空」でも宮本さん語ってますけど、空席にビニールシートが張られて
私はそれを見ないように見ないようにしていました。
スカパーか何かのライブ映像を見直すと、悪いライブではないけど、
最後、鞭打ちショー(上半身裸になった石くんが総合司会にベルトでやられる。曲は「コールアンドレスポンス」)のようになっていて(笑)
どこか迷走している感も否めない。今でこそ「(笑)」なんて書けますが
2009年の武道館は、見る側としてあんなに緊張したライブもなかったです。
チケットも売り切れていたし、ユニバーサルに移籍してからの勢いを考えると
そんな心配、まったくする必要なかったんですけど
2001年のブルーシートが脳裏に焼きついて離れず
まあ、東芝の数年間、さめて見ていた自分もいるので、
懺悔の気持ちもありつつ、(お前が緊張してどーする)という感じでしたが
いろんな感情で開演までの時間を過ごしたのを思い出します。
宮本浩次「なにしろ前前前前日ぐらいから緊張してて。たぶん並々ならぬ気合が入ってるんですよ。普段は、変な話、僕がいちばん気合入ってる、ツアーでもなんでも。でも、こないだの武道館は、僕よりもたぶん観に来る人、観に来れなかった人も含めてかもしんないけど、エレファントカシマシっていうのを多かれ少なかれ応援してくれてる人たち全員のテンションが高かったと思う。(中略)それに精いっぱい応えなきゃいけない緊張感っていうか。そういう意味で、少なくともエレファントカシマシとその周辺にとってはもう一大イベントだったんですよね」
ROCKIN’ON JAPAN 2009年6月号 p.94
演る側もすごく緊張してたんですね。
山崎洋一郎の総編集長日記/エレカシ武道館!
https://rockinon.com/blog/yamazaki/19609
「選ばれたバンドにしか、こういうことは起きない」
そう書いた山崎さんの気持ちがすごーくよくわかる。
満員のお客さんも九段下の青空も全てが味方した奇跡の一夜でした。
剛柔あわせもったエレカシの良さをあますことなく出しきった、ある意味
今回の47都道府県ツアーにつながるエレカシのコンサートの原型があったと思う。
数々の停滞と紆余曲折を経てたどり着いた完成形がそこにはあったような気がするのです。
エレカシの歴史を思う時、この時期はとても華やいだ色をしています。
九段下の地下鉄の階段を上がり、武道館に続く坂道。
花びらがアスファルトを桜色に染めていました。