エレカシ・宮本ソロ_曲タイトル

笑顔の未来へ

来月12月19日に発売されるエレカシのベスト盤「THE BEST 2007-2012 俺たちの明日」の
1曲ずつレビューをしたいと思います。

THE BEST 2007-2012 俺たちの明日

レビューというより、ただの感想と思い出話になりそうです(いつもか…)。

今日は「笑顔の未来へ」です。

「笑顔の未来へ」衝撃のMV

2008年1月発売のアルバム「starting over」の2曲目

シングルとしてもリリースされました。

「笑顔の未来へ」は、私には衝撃の一言でした。

2007年末。
原宿であったCSの番組収録にエレカシがゲストで出るというので、
友達に誘われて行ってきました。
確か、司会は鹿野さんだったと思います。
で、ファンのくせにこういうことにツメの甘い私たちは、
整理券が配布されるというのに、かなり遅い時間に現地に到着し、
会場に入ったら人が多すぎ、生のエレカシはまったく見られない状態だったので、
上の階に大きなテレビが置いてあったので、それを見ていました。
そこで「笑顔の未来へ」のMVが流れたんです。

驚きました。宮本さんが小さい女の子と何やらやっている……
私は、衝撃のあまり硬直して、テレビの前で立ち尽くしてしまいました。

衝撃だった訳

今、冷静に、あの時の驚きを自分なりに分析してみると……
男くさくて骨太でとか、エレカシというのはこんな感じ、というのが自分の中にあったんだと思います。
こうあってほしいというイメージ像があったんだと思う。

MVで言えば、エレカシっぽくて好きだったのは、

今宵の月のように
風に吹かれて
月夜の散歩

エレカシのMVというのは、なんとなく、
曲の良さに対して今一歩という感じがしていたのも正直なところで、
そんな中でも、

コールアンドレスポンス
so many people
武蔵野
DEAD OR ARIVE

このあたりは、映像作品としてもいいし、
エレカシのいい部分がよく出てるなと思って好きでした。
(so many peopleはいきなりブリッジですが)
あと、エピック時代の坂西伊作さんの映像が大好きだった。

そんな流れできてたので、「笑顔の未来へ」は本当にびっくりしたんです。
エレカシ史上の大事件だと思いました。
小さい女の子とはいえ、女子に宮本さんが翻弄されている!
手を上げ下げしている!

「エレカシ、売れるよ」

その時、同行していた友達は、正確に言うと、エレカシファンに「なりかけ」だったのですが、
映像を見て「エレカシ、売れるよ」と言いました。
妙に客観的な一言に、そうかあ、売れるんだったらいいよなあ、と思いつつ、
私はまだ冷静さを取り戻せず、何しろびっくりして、
テレビの前で、ア然としてしまったんですよね。

その後、落ち着いて音源を聴き、MVもあらためて見、
ライブで繰り返し聴いて、今では大好きな曲になっています。

あの日、あんなに驚いた映像も、じっくり見ると、いいじゃないですか。
シンプルなセットに、白と黒と赤、色彩のセンスがすばらしいし、
女の子がほんとにかわいくて泣けてくるし……
女の子の衣装、ほんとにいい。
赤いタイツに銀色の靴っていうのが……スタイリストは伊賀大介さんなんですね。
ポイント押えてる。

曲のことでいうと、≪かっこ良くいたいと思っているよ my little girl≫という詞があり、
「まいりるがー!?」とエレカシでは聴きなれないフレーズに驚きもしましたが、

表はいつしか真夏の光 あなたと一緒に今飛び出して行こう
(エレファントカシマシ「笑顔の未来へ」)詞/宮本浩次

の、「行こう」のところが、ほんとに行こう!っていう気になれるので大好きです。
ライブでも、自分の中ではここが一番盛り上がります。

アレンジは蔦谷好位置

しかしいいアレンジです。
イントロのシャープなギターリフや、Aメロの音数の少ない感じとか大好きです。
この曲といえば、蔦谷さん。
エレカシの曲を蔦谷さんがはじめて手がけたのが、この「笑顔の未来へ」だそうです。

アレンジされた「笑顔の未来へ」のデモを聴いて、宮本さんはうれしくて泣いてしまったそうです。

(宮本)僕が弾き語りで作ったデモは、一部の人にはいい曲だって分かるけど、普通の人には、いい曲かどうか分かりにくかったみたいなんですよ。でも、蔦谷さんが作ってくれた打ち込みのデモテープを聴いて、みんながカッコいいねって開眼したというか、良さをわかってくれた。それで、嬉しくなっちゃったんですね。
ナイポジ対談
http://www.oricon.co.jp/music/special/tsutaya_03_01.html

(蔦谷)『笑顔の未来へ』のデモを聴いたときに、“これは後世に残る名曲だ!”って思って。そういうときのアレンジは、がんばってやろうって思わなくても、既に頭のなかに流れていて、出来上がっているんですよね。脳みそで鳴っている音楽を形にするだけだから、一瞬でできちゃったんですけど
ナイポジ対談
http://www.oricon.co.jp/music/special/tsutaya_03_01.html

こういう話をきくと、この曲ってなんとなく、引きが強いというか、
めぐり合わせの運命みたいなものも含めて、果報者な曲だったんだなと思います。
この曲以来、蔦谷さんはコンスタントにエレカシと仕事をしているし。

いろんな驚きのあった「笑顔の未来へ」でしたが、
やっぱり、エレカシが新しいことをしようとしてるんだな、ということがわかって
それは本当に頼もしかった。
「俺たちの明日」でも、エレカシはとうとう行く道を定めたな、突き進むんだなと思いましたが、
「笑顔の未来へ」ではまた違ったベクトルで前に行こうとしていることを示してくれた。
表現者が常に模索し、新しいことをやり、形にし、それを聴き手が受けとめ、
ある種の裏切り(いい意味で)を持って驚きや新鮮味を感じられるというのは、
やっぱりすてきなことだなと思いました。

エレカシの長い歴史の中で、節目節目でそれを体感できるというのは、幸せというかラッキーというか、
「笑顔の未来へ」もまさにそんな感じだったような気がします。

—–
今日、「HEY!HEY!HEY!」でエレカシの初登場VTRが流れました。
先週からまだかまだかと録画スタンバイして待っていましたがようやくきました。

「水ポマードが、水ポマードが」と、成ちゃんの水ポマードの話を
一生懸命しようとするのですが、
ダウンタウンのつっこみに阻まれてしまった先生。

懐かしいです。1999年。
グレーの光沢のあるパンツに白シャツイン、のスタイリングも新鮮な。
このあとエレカシは「ガストロンジャー」を演奏します。
テレビでも容赦なく、宮本さんは不敵な笑みを浮かべ目をひんむいて、きれっきれのステージングでした。

https://wabisuke-zakki.com/archives/20200906-kanjam.html

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