エレカシに関わる人々

山下敦弘(エレカシデビュー25周年記念ドキュメンタリー映画監督)

昨日、ようやく公に発表されたエレカシ25周年企画第1弾。
やっぱり私はドキュメンタリー映画のことが気になってしかたがありません。
ドキュメンタリーの新作。これは予想していませんでした。



すでに『扉の向こう』があるし、
また新たに制作するとは思いもよらなかった。
でも、『扉の向こう』は2004年でもう10年近くも前だし、
アルバム『扉』に焦点を当てたものだったりするので、
エレカシのバンド史25年を総まくりする映画を新たに作るというのも、
別にちっとも不思議な話じゃないんですね、よく考えると。

それに山下敦弘監督が撮るというじゃありませんか。
私は山下さんの映画、大好きなので、
これもとってもうれしかったのでした。

特報!! デビュー25周年記念ドキュメンタリー映画 製作開始・今夏公開!!
山下敦弘監督のもと、バンドの25年、男たちの47年を振り返りながらも、バンドの未来を捉えた
音楽ドキュメンタリー映画の製作を開始しました。

オフィシャルから貼り付けさせていただきました。
「バンドの25年、男たちの47年」という文句がしびれます。

山下敦弘監督は、エレカシ界隈でもたまに話題に出てきた方で、
雑誌の企画でのエレカシしばりのカラオケ大会、スタイリストの伊賀大介さんたちと一緒に参加してました。
エレカシ好きみたいですね。
それから山下監督の最新作「苦役列車」がらみで、
この作品の主人公のイメージはエレカシの「珍奇男」だみたいなことも言っていたり。

ここからすこし、山下作品の紹介というか、
紹介とまでいかないですけど、今まで観た映画の感想というか。
エレカシの話題と離れます、すみません。

山下監督作品の「どんてん生活」「ばかのハコ船」「リアリズムの宿」は
“ダメ男三部作”と呼ばれているそうで、
たしかに、見事(?)なダメ男が出てきます。
卑屈で言い訳ばかりで器がちっさくて、絵に描いたような最低男なんだけれども、どこか憎めない。
独特な間合いで、ちょっとしたズレからくる笑い、ゲラゲラ・大爆笑という笑いではなくて、
ニヤニヤ笑いとか失笑とかそういうのが山下ワールドという感じ。この三部作は特に。
この中では「リアリズムの宿」が好きです。
つげ義春原作で、くるりが主題歌「家出娘」を提供してます。
出演は長塚圭史、山本浩司、あと、今をときめく尾野真千子も出てました。

リアリズムの宿(2003年)

「リアリズムの宿」も他のダメ男シリーズもすごく好きなんですけど、
(「どんてん生活」の山本浩司のリーゼントを思い出すだけでもりあがれる)
とは言え、かなりディープ目の話なので、次はわりとさわやか系のものを。

リンダ リンダ リンダ(2005年)

女子高生がブルーハーツをバンドでやるという青春もの。
この映画、大好きなあまりDVDを買ってしまいました。
ペ・ドゥナ、前田亜希、香椎由宇、関根史織の4人がバンド組んでブルーハーツをやる話。
関根さんはBase Ball Bearのベースの人です。映画の中でもベーシストの役。
ここはちょっとエレカシつながりで、
2009年の大阪でのエレカシ主催の野音イベントにBase Ball Bear出演してました。
ペ・ドゥナが韓国の留学生役で出てくるんですけど、ほんとにいい味出してます。
最後のバンドの演奏シーンがほんとによくてですね、何度観ても泣けてしまう。
「終わらない歌」「僕の右手」「リンダリンダ」というブルーハーツの曲の入り方もすばらしい。
松山ケンイチ、小出恵介がちらっと出てきます。

天然コケッコー(2007年)

主題歌はくるりで「言葉はさんかく こころは四角」。
島根が舞台。
中学生のそよ(夏帆)と東京から引っ越してきた大沢君(岡田将生)の淡い恋のお話です。
夏帆ちゃんが超絶にかわいい。ラストの長回しも名シーン。
美しい自然の風景にほっこり癒されます。
脚本は朝ドラ「カーネーション」の渡辺あやさん。原作の漫画の大ファンなんだそうです。

ほかにも、三浦友和の怪演に度肝を抜かれる「松ヶ根乱射事件」や、
西村賢太の小説が原作の「苦役列車」も山下敦弘監督。
学生運動とそれを追うジャーナリストを描いた「マイ・バック・ページ」もそうですね。
これは、私はとても好きでした。
山下作品の今までのとはまた違った空気、硬派というか、
男たちの哀感が前面に出ている感じがしました。
妻夫木聡が最後に男泣きするシーンは本当にぐっときたし、
松山ケンイチ扮する学生運動家も鬼気迫るオーラがありつつどこか切ない役どころで印象的でした。

根底に流れるものは一貫してあるんでしょうけど、
山下監督作品、バラエティに富んでます。「どんてん生活」と「天然コケッコー」、この振り幅。
このあたり、エレカシに通じるものがちょっとあるかもしれません。

どういう経緯で山下監督に白羽の矢が立ったんでしょう。
もちろん監督がエレカシ好きということもあると思うけど、
そのあたりの経緯も何かの機会に知りたいです。
エレカシのドキュメンタリー、どんな感じになるんでしょうね。
「バンドの25年、男たちの47年」
山下監督のフィルタを通すとどんなエレカシが見えてくるんだろう。
ほんとに楽しみです。

山下敦弘監督×ジョージ・ウイリアムズトークイベント 7月14日、渋谷タワーレコードで開かれた山下監督とジョージさんのトークイベントに行ってきました。 時間が経って...

POSTED COMMENT

  1. e-ko より:

    おはようございます。 21日PAOから会員番号届きました!嬉しいです^^記念すべき25thイヤーに会員になれて幸せ。 
    ヨロレインさん、私もドキュメンタリー映画がものすごく楽しみでなりません!!山下敦弘監督の作品を紹介していただいてありがとうございます!「天然コケッコー」の監督さんなんですね!! “ダメ男三部作”がめちゃくちゃ気になりますねえ^^つげ義春がすきなので、まさか「リアリズムの宿」が映像化されてるとは知らず、びっくりです。「苦役列車」もみたいと思ってました。原作のダメ男っぷりをどう森山未来君が演じてたのが気になっておりました。「マイ・バック・ページ」も山下監督なんだ。これはもうエレカシの映画の期待値がドーンと上がるのはどうしようもないですね!!ただの”記録映像集”には、絶対ならない。エレカシというバンドの、宮本浩次という男の生き様、美学がドーンとスクリーンに浮かび上がるような作品になる予感がします。わくわくしながら続報を待ちたいと思います!  

  2. ヨロレイン より:

    e-koさん、こんにちは♪
    PAO届きましたか!よかったよかった。ほんとスペシャルな日に会員になれましたね~すばらしい!
    映画、ほんっとに楽しみですよねー!
    ”ダメ男三部作”、ほんとにダメ男ですよ! でも愛すべきダメ男という感じです。
    つげ義春がお好きなら、けっこういけるかも~という気がするけど、どうかな?
    「リアリズムの宿」は、鳥取がロケ地になっていて、
    日本海のざっぱーん、という景色、それが入るタイミングがすごく印象的でした。
    「苦役列車」も「マイ・バック・ページ」もよいですよ。
    山下監督、今、全国のエレカシファンから熱い熱い期待が寄せられてますね。
    私は好きなのですごく楽しみでしかたがないんです。
    ただの記録映像集にはならない……きっとそうですよね!
    紆余曲折のドラマが幾度となく訪れているバンドですものね。
    バンドの来し方自体が映画そのものって感じですからね……
    特報みてそわそわしちゃってしかたないですー

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