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エレカシと近藤等則-「東京の空」(’94)-

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ジャズ・トランペッターの近藤等則氏が、2020年10月17日、お亡くなりになったそうです。

近藤等則OfficialWebSite
http://www.toshinorikondo.com/2020/10/18/obituarynotice/

エレカシファンにとって、近藤さんと言えば「東京の空」です。

エレファントカシマシ「東京の空」

東京の空」は同名タイトルのアルバムのリード曲。13分を超える大作です。

Epic期最後のアルバムで、このあとエレカシはレコード会社と契約終了、事務所も解散することになります。

日比谷野音「東京の空」の映像(ゲスト:近藤等則)

エレカシの日比谷野音では近藤さんをゲストに「東京の空」が演奏され、映像として残っています。

  • 1994.09.15 日比谷野外音楽堂
    DVD「エレファントカシマシ EPIC映像作品集 1988-1994」(2011年発売)
    ベストアルバム「All Time Best Album THE FIGHTING MAN(初回限定盤)」の特典映像(2017年発売)
  • 2004.07.03 日比谷野外音楽堂
    シングル「友達がいるのさ」の特典映像(2004年発売)

Mt.Fuji Aid 2000

1994年は私はまだエレカシに目覚めておらず、ライブで初めて「東京の空」を観たのは河口湖ステラシアターで開催された「Mt. Fuji Aid 2000」でした。
近藤等則さん主催のイベントで、近藤さんがイベントにエレカシを呼んだ形だったと思います。

真夏のイベントで、とても暑かった。
まだ今みたいに、毎週のようにフェスに参加する、という状況ではなく(まだ”フェス”という言い方もしてなかった)、エレカシはその年に始まったROCK IN JAPAN FES.と、この近藤さんのイベントに出たくらいだったと思います。

2000年は私史上かなりエレカシ熱がイケイケだった時期で(笑)、ロッキンにもこのステラシアターにも行きまして。
EKDBさんでセットリストを調べてみたら、

2000/07/30(日) Mt.Fuji Aid 2000 セットリスト
01.soul rescue
02.so many people
03.悲しみの果て
04.ゴッドファーザー
05.武蔵野
06.good morning
07.コール アンド レスポンス
08.東京の空
09.ガストロンジャー
EKDBさんより)

ほとんどが「good morning」からという。かろうじて「悲しみの果て」がありますが。「今宵の月のように」もやらず、当時の新曲で固めています。
「コール アンド レスポンス」で死刑宣告をしたあと、近藤さんを呼び込んで「東京の空」を一緒にセッションしたのでした。

ステラシアターはステージの形がちょっと変わっていて。円形のすり鉢状で、底にあたる部分がスタンディングエリアになっていて。私はそのスタンディングエリアで見たと思います。

私は「東京の空」をライブで聴くこと自体初めてで、しかも近藤さんとの演奏で、痛く感動したのを覚えています。
細かいことは覚えてないけれど……当時はライブは4人が基本だったので、エレカシもライブで誰かとやることあるんだなあ、貴重なものを体験したなあ、というのはすごく思った記憶があります。

宮本浩次が語る近藤等則

「東京の空」で近藤さんにどうしてもトランペットを吹いてほしくて、エレカシ側からオファーしたそうです。

宮本浩次「例えば、僕が『こういうフレーズを吹いて下さい』って言うと『いや、そのフレーズは僕はあんまりいいと思わない』とかって。そういう風に言われることって僕はなかったわけですから(笑)、結構そういうのも新鮮だったりとか、近藤さんの場合はありました。すごくカッコよかったです。(中略)あ、でもなんか僕がよっぽどつまんなさそうに見えたらしくて『世の中は面白おかしく生きてかなきゃつまんないぞ!』なんて言われました。はい」(ロッキング・オン・ジャパン 94年6月号)
「風に吹かれて-エレファントカシマシの軌跡-」

1994年、アルバム「東京の空」がリリースされた頃のインタビュー。

近藤さんは1948年生まれなので、当時近藤さん46歳。宮本さん28歳。
音に関して「それはいいとは思わない」とはっきり言う近藤さん。かっこいい。
そう言われた宮本さんの心のうちは嬉しかったんじゃないかと、となんとなく思う。
それまでほとんど”鎖国”状態で通してきたバンドが、外部ミュージシャンを招き、新しい音作りに挑む。レコード会社との契約は終わってしまうけれども、バンドの新しい音に、バンドの新しいスタートに、静かな喜びを感じていたんじゃないかと思う。

近藤さん。かっこいい音楽をありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。

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