「凡人-散歩き-」と「世界伝統のマスター馬鹿」(2009年の雨の野音はすごく良い!)

  • URLをコピーしました!

2009年野音のDVD、24日、雨の日の映像がすごくいいので、
ついこっちばかりを見てしまうのですが、
25日の方は、ある曲を見たいがため、聴きたいがために、無性に見たくなることがあります。

エレファントカシマシ 2009年10月24,25日 日比谷野外音楽堂 [Blu-ray]

その1曲は「凡人-散歩き-」。命がけの散歩の曲。
宮本さんが「強烈にマニアックな曲。でも大好きな曲」と言って演奏されるのですが、
この野音の「凡人-散歩き-」がめちゃくちゃかっこいい。
蔦谷さんも昼海さんもいない、4人だけの演奏です。



この曲、詞がほんとにすごくて。

カラス共に我が肉食えや
エレファントカシマシ「凡人-散歩き-」詞/宮本浩次

とか、
老婆を前に席を譲る青年の不穏な空気とか、

人のあわれを誘う悲しい墓を建ててくれ
(同上)

とか、
狂気じみてぶっ飛んで見えてもひたすら当人は真剣であり、冷静であり、
そこからにじみでる喜劇的な匂いとか悲しみとか、
さすが「生活」の曲、こんな曲エレカシ以外誰が作ろうか、といった感じがします。大好きです。

曲がまたほんとにかっこよくって、
冒頭のギッ、ギッ、ギッ、ギッ、というミュートしたギターでまずやられてしまう。
金属を叩いてるような、エッジのきいた音。
野音の映像の見どころは、曲の後半、

悲しい墓を建ててくれ
(同上)

のあとの間奏のギターの、
ギュイーン、ギュイーン、ギュインギュインギュインって宮本さんが弾いて、トミのスネアがツクツク静かに入りながらどんどん盛り上がるところ(なんのこっちゃ。伝わってますか)。
ここ、たまんないです。4人の息がバシッと合ってて、バンド!万歳!って感じがするのです。
で、さらに細かな話をすると、冒頭のギターリフのところで、
宮本さんが後ろを向いて「ヘイ!」と叫ぶのですが、マイクを通してない「ヘイ!」で、
ここ、非常にしびれます。

で、先日入手した「BEST LIVE BOUT」を聴いていたら発見しました。
Disc2のMASTERPIECEツアーの「世界伝統のマスター馬鹿」の最初、「ワンツースリー」と宮本さんがカウントとってて、それがマイクを通してないのです。またもやツボでした。なんでだろう、ほんとに。マイクを通さない叫びになぜこうもやられてしまうのだろうと自分でも謎です。生な空気とか臨場感とかそういうことなのか。うーん。
こまい話でしつれいしました。

ライブ盤、いいですね。全国でこのDisc2がヘビロされてるんでしょうね。
今日は28日なので、ちょうど1年経つんですね。去年のZepp Tokyoから。
「脱コミュニケーション」とか「化ケモノ青年」とか、ほんとたまりません。
こういうのをおとなしく静かに聴いてろっていうのが無理な話で。
チャッチャッチャチャチャッ!の手拍子やりたい!(「化ケモノ青年」)
曲そのものももちろんいいけど、曲終わりの拍手や歓声にとてもぐっときます。
はげしい曲の、エンディングに食い気味にはじけるような拍手とか、
静かな曲の、間があってからじわじわと沸き立つ拍手とか、
感動が生々しく伝わってきて、そして、去年、現場で見ていた自分の高揚した気持ちを思い出させてくれます。
こういうライブ盤を聴くと、普段必死の思いで封印している(しようとしている)ライブ行きたい願望が、
いとも簡単に解けてしまって、まったく困ったものだなあと思いつつも、
やっぱりこのDisc2をぐるぐる聴いてしまう私なのでした。

あわせて読みたい
「遁生」と「おかみさん」 昨日、ベスト盤特典の野音映像を見てて、 セットリストがすごいなあとあらためて思いました。見事な構成。 選曲もいいし、曲順がほんとによかった。 「笑顔の未来へ」か...
よかったら(^^)
  • URLをコピーしました!
目次